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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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先日、「レインツリーの国」や「阪急電車」を読んだと、ここに書きました。
作者は有川浩さん。

昨日だったか一昨日だったか、テレビで「阪急電車」の実写版映画の記者会見の模様を見ました。
ここで原作者の有川浩さん登場。

え、?え~~~~!!!
有川浩って「ヒロシ」じゃなくて「ヒロ」、で、女性の方だったのですね。

そうか、そうだったのか。

なんか自衛隊3部作とか、図書館戦争とか、てっきり、、、いや、そういう勝手なイメージ付けはいけませんね。


(有川浩さん)
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有川浩「レインツリーの国」を読みました。

内容はインターネットで知り合った男女の恋の話です。
それだけだと、よくあるような恋愛ものになってしまうのですが、この物語が一味違うのは、ヒロインがいわゆる障害者であることです。
健常者となんらかの障害がある人との付き合いは、一般モラルとして差別なく助け合いながら接するべき、みたいなものがあると思います。
ただ、それが障害者にとって本当にいいことなのか?一般人と同じように見られたい、特別扱いしないで欲しい、というのもあるのです。

現実と向き合うこと。
現実を受け入れること。
それが普通に出来る人は滅多にいません。
人は自分の生き方に理想を求め、その理想から外れることについては、見て見ぬふりをする、誤魔化そうとする、などして受け入れることが出来なかったりするのです。
「レインツリーの国」のヒロインは、事故によって聴覚が不自由になり、しかしそれを受け入れることが出来ず、人からは普通の女の子として見てもらいたい。
二人が知り合うきっかけとなったライトノベルで、「愛さえあれば何もいらない、というのはウソ」という結論に達した彼女は、現実を受け入れたら、恋も終わってしまうのです。

やや気が短く、ぶつかり合ってこそお互いが分かり合える、という考えの主人公は、悩み苦しみながら彼女を受け入れて困難を乗り越えていこうと努力します。
すれ違いながら、お互い気を使いながら、現実を受け入れながら。

ただ、少し偽善っぽい、というか、綺麗事を言ってるようなにおいを感じてしまうのは残念。
それはもしかすると、関西弁のせいかもしれません。
私にはなんとなくデリカシーに欠けるように感じてしまうのです。
私の住む地方は、関西弁に近い方言なので、言ってることはわかるのですが、それでももう少し言葉の使い方があるように思いました。

最後に、この小説の解説を作家の山本浩氏が書いております。
ある原作を映画化やドラマ化する場合、その登場人物に障害者がいるとNGになることが多いらしい。
設定変更されたり、そのエピソードがまるまるスルーされたり…。
理由は差別につながるから、らしいのですが、このことがすでに差別になってることに気がつかないのでしょうか?
それに対して、真正面から障害をもった女性の恋愛を描いたこの作品は、読む人に理解を深め、社会的な役割を果たしているのかもしれません。
 

shinさんと那由他さんのお勧めもあり、有川浩「阪急電車」読みました。
この物語の舞台となるのは、実際に関西地区で走っている阪急電車の今津線です。

多くの人が通勤、通学、買い物など日常の足として利用する電車ですが、利用する人間の数だけドラマがあります。
小さな出会いが、また別の出会いを生み、それは恋に変わったり友情に変わったり…。

たいていの場合出会いというのは、会社や学校、近所など特定のコミュニティの中であることが多く、最近ではそれにインターネットでの出会いが続くかもしれません。
あとは店などで、店員と客としての出会いもあるでしょう。
しかし、電車の中で見ず知らずの人と知り合いになり、そこから人間関係が発展するというのは、なかなか珍しいことだと思います。

私は通勤も通学も電車通いを経験していますが、そういった出会いは一度もありませんでした。
たしかに毎日利用していると、同じ顔ぶれが同じ時間、同じ駅から乗ってくるのがわかります。
この人可愛いな、とか、美人だな、とか思う人がいても、きっかけもないのに話しかけることなんてありません。
でも、もし勇気を出して声をかけてみたら、そこから何か始まるかもしれない、そういう思いってあるんだと思います。
そういう「たら、れば」が詰まった小説です。

残念ながら、今はマイカー通勤なので電車に乗る機会は非常に減りました。
車でも、同じ時間帯に同じ方向で走ってる車は同じですね。
さすがに、閉ざされた空間なので出会いはありませんが。
先週買った奥田英朗著書「家日和」読みました。
「家」をテーマにした6つの短編が収められており、どれも奥田氏特有のユーモアあふれる内容で面白かったす。
このなかで「家においでよ」という、妻が出ていって一人暮らしをスタートさせた男の話を紹介しましょう。

都内のマンションで一人で暮らすことになった正春、家具からカーテンから家財道具のほとんどを妻がもっていってしまったので、一から揃えていかなければなりません。
とくにこだわりはないものの、出来れば気に入ったものを買いたい。
というわけで、週末は家具屋や東急ハンズなどをまわり、少しづつ生活道具を揃えていきます。
やがて実家の物置に300枚のレコードが眠っていることを思い出し、レコードプレイヤーを買うことを思いついたのをきっかけで、段々と趣味の世界にはまっていくのでした。

・どうせ買うならハイグレードのオーディオセット(総額50万円)
・レコードコレクターズのバックナンバー(10年分)とミステリー小説を収める本棚
・ロック少年だった頃に買い集めた300枚のレコード、500枚以上のCDを収めるラック

正春はゴルフも競輪競馬もやらない、酒とマージャンも付き合い程度、それで節約できた金額は100万や200万ではきかないはず、と自分を納得させて、ここぞとばかりに趣味に金をかけます。
そして帰宅すると、ポリス、ジャーニー、トーキングヘッズ、ドナルド・フェイゲン、ラヴァーボーイなどを泣きそうになりながら聴く日々をおくるのです。

やがて、会社の同年代の同僚に噂が広まり、正春のマンションに集まるようになります。
そして少年のように目を輝かせ、夜な夜なスクリッティ・ポリッティとかユーリズミックスとかを聴いて酒をかわすのでした。
「おー、これってこんなにいい音だったのか」
「だろう?おれたちが昔聴いてた装置なんて、家庭用の安いシステムコンポだったじゃないか。つまり、二十数年の時を経て、初めてレコード本来の音を聴いてるわけ。だからここんところ、おれは音楽に夢中なんだよ」

部屋にはジミ・ヘンドリックスやボブ・ディランのポスターが貼られ、ラックには最新リマスターされたロックの名盤が並び、同年代の男たちの溜まり場になるのです。
そしてついにはホームシアターシステムの購入の検討に入るのでした。
「おれはそれで黒澤映画を観直したい、『7人の侍』を心行くまで鑑賞したい」
「おれはレッドツェッペリンのDVDを観たい」
「おれは『ゴッドファーザー』3部作を観たい」

これはおそらくロック好きである奥田氏の願望であり、同年代のロックファンなら誰もが夢見る理想の空間だと思います。
いつまでも少年の心を失わない大人が、学生時代の趣味の世界をグレードアップしたものですね。
限られたこずかいしかなかった少年時代と違い、大人の収入による趣味。

「おれ、思うんだけど、男が自分の部屋を持てる時期って、金のない独身生活時代までじゃないかな。でもな本当に欲しいのは三十を過ぎてからなんだよな。CDやDVDならいくらでも買える。オーディオセットも高いけどなんとかなる。けれどそのときは自分の部屋がない・・・」
昨年映画化されて話題になった「告白」、原作のほうも大変評判がよろしいようなので、読んでみました。
私はいくら映像化の成功した作品であっても、決して原作を超えることはないと思っています。
今まで原作を越えた映像作品を見たことがないから。
それでも、原作を読めば映像化されたものを見たくなります。
この「告白」もレンタル屋で借りることが出来るので近いうちに見たいと思います。

さて、湊かなえさん作品を読むのはこれが初めてです。
大ベストセラーで数々の賞をとっているだけあって、なかなか面白かったです。

一言でいえば、歪んだ家庭環境から発生した少年犯罪です。
それを事件の関係者がそれぞれの視点で語る内容で、謎だった部分が読み進んでいくうちに解けていき、結末へ進むというもの。
登場人物の個性が際立ち、現代社会が抱える様々な問題が絡みあい、物語に深みをあたえています。

軽く読める作品ですが、再読するとまた新たな発見がありそうな奥深さもあり、お勧めできる本です。
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