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第61回名盤シリーズ
元ビートルズのドラマー、リンゴ・スターの大ヒットソロアルバム、「リンゴ」
(1973年作品)
今回リンゴ・スターを取り上げることにより、当シリーズにおいて元ビートルズのソロは全メンバー取り上げたことになる。
1970年のビートルズ解散後、スタンダード・ナンバーをカバーした「センチメンタル・ジャーニー」、カントリーのカバー「カントリー・アルバム」の2枚をソロ名義で発表する。
しかし、オリジナル曲によるソロ・アルバムはこの「リンゴ」が初めてで、彼自信にとってはファースト・ソロ・アルバムという位置づけらしい。
ビートルズ時代は、たった2曲しかオリジナルを作ってなく、あとはジョンやポールの曲、もしくはカバー曲を歌っていた。
ただ、明るく誰からも愛されるキャラで、バンド内のムード・メーカー的役割を果たしていたようである。
そういった「みんなのリンゴ」みたいなキャラはソロになってからも変わらず、元メンバーとの接触も多かったようだ。
それが音楽という形で一番よく現れているのが、この「リンゴ」アルバムだろう。
まずゲスト陣。
ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンと、元ビートルズが全員集まっている。
とくにジョン作の1曲目「I'm The Greatest」、ジョンがピアノを弾き、バックで歌い、ジョージがギターを弾いてます。
ビートルズ時代、作曲者以外のメンバーが誰も参加していない曲はたくさんありました。
それを考えると、限りなくビートルズの曲みたいなものだといえる。
ポールの曲は、9曲目「Six O'Clock」、彼らしい素敵なポップスで、リンゴの癒し系ボーカルがぴったりマッチしている。
ピアノ、ストリングスアレンジ、そしてバック・ボーカルにもポールが参加しているのは興味深い。
個人的には、このアルバム1番の名曲だと思う。
最も多くの曲を提供しているのはジョージだ。
全米No.1ヒット「想い出フォトグラフ」を筆頭に、「Sunshine Life For Me」、「You And Me」もジョージの曲である。
曲だけでなく、何曲かでギターも弾いており、この辺は友情を感じさせる。
ジョージ主催のチャリティ「バングラデシュ救済コンサート」にリンゴが参加しているので、そのお礼の意味もあるかもしれない。
そして、主役リンゴもしっかり曲を作っている。
8曲目「Step Lightly」が一番彼の持ち味が出てるような気がする。
現在のCDではボーナス・トラック2曲が入っている。
これが実にいい選曲。
どちらもリンゴ作のオリジナル曲で、かなり出来がいい。
中でも「1970年ビートルズ物語」。
歌詞を読むと泣けくる。
解散寸前の頃、メンバー間は最悪の状態で、常にスタジオ内はピリピリと一触即発の状態。
リンゴはそれを見て、とても悲しかったのだろう。
曲事態はおどけたカントリー・ナンバーだが、最後の歌詞「街に行ったら3人みんなに会いたいな」と繰り返す。
しかし、4人の再会はついに実現することなく終わったのだった。
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第60回名盤シリーズ
今回は80年代ニューロマンティックブームの火付け役、デュラン・デュランの3枚目「セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー」
(1983年作品)
1983年といえば、私が洋楽興味のアンテナをあちこちに張り巡らせて、少しでも興味のあるアーティスト、名前の知ってるアーティストならなんでも聴いていた頃だ。
デュラン・デュランといえば、当時日本でも女性を中心に爆発的な人気があり、ミュージックライフ誌の表紙を飾ることもあった。
私が興味を持つのも当然といえば当然、幸い、私の友人がデュラン・デュランのファンだったので、LPを貸してもらった。
最初に聴いたのは「リオ」というアルバムだったと思う。
その後ほどなくして、この「セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー」が発売されたので、まさにリアルタイム世代だ。
当時は何とも思わなかったが、今見るとなんとも時代を感じさせるジャケだ。
今このLPを電車で持ち歩くのは、かなり勇気がいるだろう。
当時の他のニューロマンティック勢、カルチャー・クラブとかカジャ・グー・グーも同様だが。
中身ももちろん、80年代という時代がギッシリ詰まってる。
おそらくこのこの頃が彼らにとっての全盛期だったのだろう。
若さと旬の勢いに溢れていて、当時の流行の先端を行ってやろうとしてるようだ。
一般的な人気はとても高く、どちらかというと、その洒落たルックスとポップなサウンドで、女性人気が高かったバンド。
そのため、硬派なロックファンからは無視されていたように思う。
私は硬派なロック、ヘビメタやプログレなど、わりとコアな音楽を好むが、デュラン・デュランを筆頭にした当時のビジュアル系バンドの質は決して低くはなかったと思う。
というより、一触即発な雰囲気を失った80年代ハードロックやLAメタルよりも、80年代ポップスの方が出来がいい。
このアルバムの1曲目「Reflex」、私くらいの世代の人なら、好き嫌いは別にして、多くの方が知ってる曲だろう。
今もたまにテレビなどで耳にすることもある、このアルバム代表する曲だ。
サビが実に印象的で、一度耳にしたら離れないインパクトがある。
個人的にはジャパンっぽい「(I'm Looking For) Cracks in the Pavement 」や、「I Take the Dice」 とかの方が好きだが、捨て曲のない完成度の高いアルバムだと思う。
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第59回名盤シリーズ
今回はスウェーデンの4人組ポップグループABBAの「アライバル」
(1976年作品)
大ヒット曲「ダンシング・クイーン」「マネー・マネー・マネー」を含むこのアルバムは、彼らの中でもっとも人気が高いといわれるアルバムだ。
清涼飲料水のようなさわやかさと親しみやすさ、美しいコーラスなど、全曲名曲といえるアルバムで、梅雨のジメジメとした空気を明るくさせてくれるようだ。
私がアバを知ったのは1982年頃で、すでに全盛期はすぎていたものの、友人がほとんどのLPレコードを持ってたので、よく聴いていた。
この「アライバル」も、当時カセット・テープに録音して聴いた記憶がある。
82年当時に76年の曲を聴くというのは、いかにも古いものを聴いてるようだが、私の原点はビートルズなので、そんなことはないのだった。
60年代のビートルズと比べて、むしろ新しい。
それに、優れたポップ・ソング…この時期だとカーペンターズやフリートウッドマックもそうだが…時代が変わっても決して色あせることはないのだ。
だから、21世紀になった現在聴いても、ハイクオリティな楽曲の価値は色あせることなく、今も耳を楽しませてくれるのだった。
さて、このアルバム、全曲シングル・カットしてもヒットしそうな名曲揃いで、知らない人が聴けばベスト・アルバムかと思われそうだ。
なかでも、洋楽ファンでなくとも聴いたことがあるであろう「ダンシング・クイーン」、これは大ヒットするに相応しい名曲だ。
ゆったりとしてはいるものの、自然と腰でリズムをとりたくなるような絶妙なリズム感、ポップそのもののシンセとピアノのアレンジ。
そして一度聴いたら忘れられなくなるような、キャッチーで親しみ易いメロディ。
トゲがなく、万人に受け入れられるタイプの曲だ。
ただ、古くからこのアルバムを聴いていると、目立たない曲が好きになってくるのも、また事実。
3曲目に入ってる「My Love、My Life」なんて、深い森から流れ出る湧き水のような美しさで、その横をフワフワと飛び交う蝶のような浮遊感が実に心地よい。
心の奥底から綺麗になっていきそうだ。
それと「That’s Me」。
アップテンポの楽しい曲で、ちょっとヒネったメロディ、コード進行のおかげで、深みが出て味わい深い。
さすが「ポップミュージックの完成者」の異名をとるだけはあると感じるのだった。
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第58回名盤シリーズ。
今回はブリティッシュ・ポップスの王道、XTC「オレンジ&レモンズ」
(1989年作品)
サイケ時代のビートルズの影響の強いサウンドで、とてもポップ、だけどひねくれた音だ。
ジャケットの絵がそのままサウンドになったような音で、とってもカラフルである。
絵の具の全ての色を、画用紙いっぱいに塗り広げたような音世界は個性があり、魅力にあふれるのだった。
私がスゴイ、と感じるのは、単なるビートルズの焼き直しになってないことだ。
「サージェント・ペパーズ~」や「マジカル・ミステリー・ツアー」の頃の「志」を受け継いで、89年の時代に作っているのである。
だから、89年の他のアーティストと比較しても古さはなく、しっかり当時のサウンドなのだが、67年頃のビートルズを感じさせるのだ。
ブライアン・セッツァーが50年代の志を受け継いで、現在に「現在のロカビリー・サウンド」を構築しているのと似ている。
普通の人が、一聴してすぐに「良い」と思わせる親しみやすさと、相当ひねくれたマニアをも唸らせるであろう曲作り。
こういった「ビートルズの美点」を継承してる人は、滅多にいない。
このメロディとコード進行の組み合わせは、相当頭のいい人が、いろいろ音楽理論などをこねくり回して完成させたのだろうか?
もしくは、ジョン・レノンやポール・マッカートニー級の天才?
私はXTCについて詳しくないので、わからない。
このアルバムの中で、もっともビートルズっぽいと思うのは、「Here Comes President Kill Again」だ。
途中で入るホーン、サビのバック・コーラス、そして歌い方までビートルズ。
しかし、ビートルズのどの曲にも似ていない。
ここら辺が、他のフォロワーと違う所だと思う。
完全に自分のものとして、消化しているのだ。
このアルバムはたっぷり15曲入ってますが、捨て曲がない。
そしてどの曲も個性的で、似た曲はない。
これこそ上質なポップ・アルバムだといえよう。
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第57回名盤シリーズ
今回はU2の3rdアルバム「闘(WAR)」
(1983年作品)
私がU2のレコードを買ったのは16か17の頃だったと思う。
当時毎月購読していた「ミュージック・ライフ」誌での評価が高く興味をもったのがきっかけだ。
いつもはFMで試聴してから買うのだが、この時は試聴なしでいきなり買った記憶ように思う。
おそらく待てども待てども、FMでU2が流れることがなかったんだろう。
レコードに針を落としてすぐに飛び込んできたのが、乾いたドラムの音。
まるで、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムみたいな音で、いきなり期待が高まった。
全体的に乾燥した空気を思い起こさせるサウンドで、硬派な印象だった。
とくにこのアルバムの代表曲と言える「ニュー・イヤーズ・デイ」には感激した。
恐ろしくカッコいい曲で、このアルバムの1番のお気に入りになったのは言うまでもない。
今聴いても、イントロの物悲しいピアノ、ボノの悲痛な叫び声のようなボーカル、エッジのカッコいいコード・カッティングなど、アレンジは完璧だ。
当時ギター・マガジン誌でこの「ニュー・イヤーズ・デイ」の楽譜があってコピーしたことがある。
物凄くシンプルで、あっけにとられるほど簡単。
しかし、あのカッコ良さ、あの切れ味を表現するのは、とてつもなく難しく、同じように弾いてるつもりでも全然ああいう感じにはならないのだった。
たしかエッジはインタビューで「俺はギターの練習なんてしない」と語っていたと思うが、実はすごく練習してるのだろう。
それと練習だけでは身につかない極上のセンス。
U2が現在においても絶大な人気を誇るのは、このセンスの良さがもっとも大きい理由だろう。
それと先にも書いたように、サウンド・メイキングが素晴らしいのだ。
乾ききって、冷たく身震いするようなサウンド。
触れるとスパッと切れちゃうようなギター・カッティング。
そして深めにかかったディレイの響き。
それらが彼らの切ないメロディにすごくマッチしていて、とにかくカッコよく決まっているのだ。
このアイルランド出身のバンドは、現在までで類型1億2千万枚のセールスを記録する大御所である。
このアルバム発表時は、まだアイルランドといういわば辺境地のバンドといった印象だった。
しかし、ライブ・バンドとして各地でツアー続けた結果、アルバム・セールスが類型1億枚を突破し、今や超大物バンドとして世界に君臨する存在になったのだった。
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