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第66回名盤シリーズ
今回はガールズ・ロック・バンドの走り、ランナウェイズの衝撃的デビュー作「悩殺爆弾~禁断のロックン・ロール・クイーン」。
(1976年作品)
平均年齢16歳の少女たちによるロックバンドで、ボーカリストのステージ衣装は下着姿という過激さ。
当時は完全に色物として見られ、音楽云々が語られることはなかったようだ。
しかし、いわゆるアイドル・バンドではなく、彼女たちは本気だった。
日本でこの手のバンドというと、影でプロミュージシャンが演奏していて、ギターの電源が入っていないなんてことがあるようだが、ランナウェイズは当然、自力で演奏している。
当たり前といえば当たり前なんだけど、ロックバンド本来のことをしているのだ。
さらにいうと、曲も彼女たちのオリジナルだし(ゴーストライターがいたかどうかは知らない)、バンド解散後のジョーン・ジェットやリタ・フォードの活躍を見ると、大真面目にロックがやりたかったんだと思う。
当時のライブ映像を見ると、まだあどけなさの残るメンバーが、精一杯背伸びをして一生懸命ロックしているのがわかる。
演奏は、曲自体がシンプルなので、なかなかまとまりがあり、荒削りだがノリのある演奏をしている。
さて、少女バンドというフィルターを外してこのアルバムを聴いてみよう。
ストレートなロックンロールが魅力的で、ある意味KISSの女版ともいえる。
ボーカルはシェリー・カーリーとジョーン・ジェットのツインだが、個人的にシェリーのスケ番ボーカルのほうがカッコイイ。
ディストーション・ギターで低音を刻み、メロディよりもノリ重視。
シンプルだけど熱いロック・サウンドなのだ。
それもブリティッシュな味付けではなく、あくまでもアメリカン・ロックの枠内でやってのける。
やはり1曲目の「チェリー・ボム」が、彼女たちの代表的なナンバーで、その音楽性をよく表してるように思う。
キーボードなしで、ポップさもなし、売れ線を意識していないような硬派さがあり、この辺の感覚はおそらくジョーン・ジェットの好みだろう。
後にソロで大ブレイクするジョーンですが、この頃からその才能が垣間見えるのだった。
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第65回名盤シリーズ
今回はボブ・ディランの初期のアルバム「フリー・ホイーリン」。
(1963年作品)
ポール・マッカートニーやエリック・クラプトンと並び、白人ポピュラー・ミュージック・シーンでは最も大御所の一人であるボブ・ディラン。
活動期間は45年に及び、発表したアルバムは40枚以上、とても私のようなニワカが語れるような人ではない。
ベスト盤といっても、ディラン・クラスになると経験上、選曲が微妙なものが多いような気がする。
ここは原点に戻って、初期フォーク時代の傑作とされるこのアルバムを取り上げよう。
まずはこのジャケ。
実にいい。
若いディランが恋人と寒そうに歩いる。
でもすごく幸せそうで、暖かそうなイメージだ。
で内容。
超シンプル!
ギター1本の弾き語りスタイルで、バックバンドなし。
複雑なアコギの伴奏と、ディランの21歳とは思えない渋いボーカルのみでじっくり聴かせてくれるアルバムなのだ。
最近は自分の趣味嗜好もあってアコギ弾き語りスタイルの音楽を聴くことが多いが、アコギ1本でここまで表現出来るのか、と驚くことが多い。
このディランのアルバムも例外ではなく、いや例外どころか、この手のスタイルの先駆なのだが、やはり凄い。
大人数のミュージシャンがレコーディング、あるいはライブに参加すれば何でも出来る。
しかし、この生身の体だけで勝負するようなシンプルさで、最後まで飽きさせずに聴かせるのは並大抵のことではない。
私は洋楽のアルバムの日本語訳歌詞を読むことは、あまりない。
しかし、このアルバムはしっかり読んだ。
ディランの魅力の半分は歌詞だと言われる。
歌詞を理解せずしてディランは聴けないようだ。
リピートがなく長い文章のような歌詞だが、なかなか考えさせれるものがあるのだった。
このアルバムには、美しいメロディや派手なアレンジ、迫力は少ない、いやないのかもしれない。
しかし、聴けば聴くほど心に入ってくる何かがある。
あまりサスティンの無い独特のギターの音色もいい。
私が好きなのは「Blowin in the Wind」「Girl From The North Country」「Masters of War」「Don't Think Twice,It's All Right」あたりだ。
とくに「Don't Think Twice,It's All Right」は、コード進行とアルペジオが好きで、何度も聴いてしまうのだった。
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第64回名盤シリーズ今回は全世界にアンプラグド・ブームを巻き起こしたエリック・クラプトンの大ヒット作「アンプラグド」
(1992年作品)
今やすっかりアコギ弾きになってしまった私だが、そっちの視点から聴くと、改めていいアルバムだと感じる。
私にとってクラプトンは、クリーム時代のギブソン+マーシャルでハードなブルースをガンガンと弾きまくるのがかっこいいと長年思っていたものだ。
それが「Pilgrim」という98年頃のアルバムを聴いて「大人なクラプトン」のかっこよさにシビレ、それからこのアルバムを聴いたのだ。
このライブアルバムを聴くと、実にリラックスして演奏しているのがわかる。
それに音質がいい。
アコギの味わい深い音色が、とてもクリアに録音されていて、聴くほうもリラックスして音に身をまかせられる。
大人の味わい、アルコールの飲める人は、夜にワインでも傾けながら聴きたいものだ。
選曲もブルースのカバーなど大人びている。
私はまだまだブルースについて語れるほど聴いてはいないが、こういうアコギのブルースというのはロバート・ジョンソンなど、デルタ・ブルースが原点なのだろうか?
今度はそういう方面にも興味があるので、これを機会に足を突っ込んでみようかとも思う。
閑話休題、このアルバムの収録曲について。
1曲目の「Signe」、ボッサ調のインスト曲だ。
思わず、上手い、と唸らせる曲だ。
物凄いテクニックではなく、しっかり練習すれば私でも弾けそうなのだが、思わず膝を叩きたくなるような、絶妙なものがある。
ライブの1曲目にこういう曲を持ってくるセンスもいい。
しっとりとした味わいが楽しめるのが、4曲目「Tears In Heaven」、5曲目「Lonely Stranger」、13曲目「Old Love」、そして一番好きな8曲目「Running On Faith」だ。
アダルトな雰囲気満点で、「大人のロック」って感じがする。
アコギと絶妙なタイミングで入ってくるピアノもいい。
そしてクラプトンといえばブルース、このアルバムでもしっかりブルースをやっている。
とくに好きなのは3曲目「Hey Hey」、9曲目「Walking Blues」、10曲目「Alberta」、12曲目「Malted Milk」だ。
とても素敵な音空間が広がり、何度聞いてもいい。
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第63回名盤シリーズ
今回は、ピーター・ガブリエルが居た頃のプログレなジェネシスによる作品、「怪奇骨董音楽箱」
(1971年作品)
私にとってのジェネシスは、フィル・コリンズが主体となったポップな時期だ。
フィルは84年頃、「世界でもっとも忙しい男」なんていわれてた。
ピーター・ガブリエルがボーカルだった時代のジェネシスを聴いたのは、実は21世紀になってからで、予想をはるかに超えるプログレぶりに驚いたものである。
まずびっくりしたのはドラマーとしてのフェル・コリンズの腕前。
前から「相当上手い」と噂では聞いていたが、やはり大したものである。
もう1曲目から飛ばしまくりだ。
そしてやはり、その独特の曲調はクセは強いものの、惹かれるものがある。
1曲目「The Musical Box」からKOされる。
フルートが絡むやさしい前半、インストパートが炸裂する中間部、壮大な展開になる後半など、いかにも70年代初期の雰囲気が満載だ。
ガブリエルのクセの強いボーカルは最初やや抵抗があったが、慣れると魅力に変わる。
当時のジェネシスのライブは演劇のようだったそうだが、少しそんな雰囲気も伝わってくるようだ。
とくにこの1曲目は演劇チックで、とくに中間部のインストパートの展開は素晴らしい。
このアルバムで、私が1番好きなのは3曲目「The Return Of The Giant Hogweed」だ。
この曲は変だ。
ポップなんだけど、なんか変わってる。
一筋縄ではいかない不思議な魅力に溢れている。
アルバムのラストを飾る「The Fountain Of Salmacis」もプログレッシブな大作志向の曲である。
大作といっても8分弱なので、他のプログレ名曲と比較すると全然大作ではないかもしれないが、この8分の中にいろいろな展開があって、内容が濃いのだ。
とくにスティーブ・ハケットのギターがいい。
同時期のロバート・フリップやスティーブ・ハウほどテクニシャンではないが、実に味わい深いギターを聴かせてくれる。
どこかのレビューで「普段大人しい人がキレて暴れるようなギター」と形容されてましたが、とても上手い表現だと思った。
どこか狂気じみたところを感じさせる音楽性だが、それでもメロディは後に通じるポップさを持ち合わせており、現在も尚この時期の熱狂的なファンがいるのがうなづけるのだった。
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第62回名盤シリーズ
今回は80年代、突如として現れたドイツのポップ・バンド、ネーナ「ロックバルーンは99」
(1984年作品)
表題曲が全米No.1ヒットとなり、英語以外の楽曲では、あの坂本九の「スキヤキ」以来の快挙だと言われた。
突然の超大ヒット、全世界でネーナ旋風が吹き荒れるか、と思われた矢先、急激に落ち込んでしまい、「一発屋」になってしまった。
当時を知る人にとってはまるで、一発屋の代名詞のような存在に成り下がってしまったのだが、本当に「ロックバルーン」以外はイマイチなのか?
私に言わせれば、イマイチどころか、「ロックバルーン」以外の曲のほうがずっとクオリティが高いように感じられる。
どの曲もポップでメロディアスで、なんといってもネーナ・ケルナーの甘ったるいボーカルが魅力だ。
どちらかというと、クセの強い歌い方をする人で、メロディの語尾がフラットになる傾向がある。
まるでショートケーキようなボーカルスタイルでドイツ語ポップロックを歌う、それだけで独自の個性を築き上げていた。
とくに2曲目「?」は素晴らしいポップロックで、すごくシンプルでありながら曲を魅力的にする成分がすべて詰まった、名曲だ。
この曲のドイツ語バージョンがまた素晴らしい。
もうこれを聴くと私なんて、ドイツ語勉強しようかな、なんて考えてしまうのだった。
そして3曲目「Hangin' On You」、これも名曲だ。
何回繰り返し聴いても飽きない、大好きな曲だが、この曲は個人的に英語バージョンのほうが好きだ。
このメロディの合間に入るピアノの響きはいつどこで聞いてもゾクゾクする。
ノリノリのポップ・ロックンロール・ナンバーは9曲目「Rette Mich」だ。
明るく、ノーテンキな曲で、たまにはこういう曲を聴いてパーッとはじけてみるのもいいだろう。
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