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この10月5日は、ビートルズがデビューシングルを発表してちょうど50周年だという。
それにちなんで、ビートルズについて書いてみたいと思う。
といっても、世界中にビートルズマニアは数多く存在し、すでに多くのことが語られて、今更何か書くようなことなどないだろう。
というわけで、少しマニアックな人物を紹介しよう。
その人物の名はスチュアート・サトクリフ。
ビートルズの初代ベーシストだ。
アートスクールに通うスチュアート(以下スチュと略)は、自分の絵を売った金でベースを買い、ジョン・レノンのバンド、ビートルズに参加する。
当時のジョンは札付きのワルで、街のチンピラとケンカするのはしょっちゅう、当然スチュが巻き込まれることも多々あったようだ。
やがて彼らはドイツの港町ハンブルグのクラブで演奏するようになる。
そこはストリップショーとバンド演奏が交互に行われるような底辺のクラブ。
客層は荒っぽい船乗りや、チンピラ、娼婦、行き場のない荒れた若者たちだ。
毎晩、朝までロックンロールを演奏し続け、腕を磨いていった彼らは、ある人物と出会う。
ドイツ人の女流写真家アストリッド・キルヒヘルだ。
彼らの演奏やルックスに惹かれたアストリッドは、ビートルズの写真を撮るようになる。
とくにスチュとアストリッドは仲むつまじい間柄となり、やがて二人は恋におちた。
(左から、ピート、ジョージ、ジョン、ポール、スチュ)
そのうちスチュは、他のメンバーとバンドに対しての温度差を感じるようになる。
プロを目指す彼らに対し、本当はアートがやりたい、そしてなによりもアストリッドと暮らしたいスチュは、ビートルズを脱退するのだった。
その頃には、ハンブルグでも底辺ではなく、より格上のクラブで演奏していた彼ら、ベースはポール・マッカートニーが弾くことになる。
そしてビートルズがイギリスへ帰る日、スチュと再びの再会を誓うのだった。
スチュは奨学金を得て、ハンブルグ芸術大学へ編入し、本格的に画家としての創作活動に専念する。
もちろんアストリッドと同居してだ。
将来進む道が明確になり、恋も勉学も、全てが順風満帆かにみえた。
しかし、幸せは長く続かない。
突然の頭痛に倒れ、救急車で病院を搬送される途中で息絶えてしまう。
死因は脳内出血、若い頃にケンカで頭を強く殴られたことが原因だという。
1962年4月、21歳という若さだった。
(スチュとアストリッド)
この劇的な人生を送ったスチュを題材にした映画がある。
1994年に上映された「バック・ビート」だ。
スチュがベースを買ってビートルズに参加し、悲運の死を迎えるまでのストーリーで、なかなか良い映画だった。
おそらくレンタル店にあると思うので、興味をもたれた方はご覧になってください。
他、ジョン・レノンの半生を描いた「ジョン・レノン/青春のビートルズ」というTVドラマでも、このエピソードを見ることが出来ます。
(左からジョージ、スチュ、ジョン) (こちらは映画バック・ビート)
ロンドンオリンピックの真っ最中だ。
日本人選手の活躍も連日テレビやネットで報道されており、連日深夜までテレビを見ている人も多いことだろう。
私はそれよりも早寝早起きを優先するので見てはいないが、朝のニュース番組でチェックはしている。
さて、このオリンピックの開会式でトリを努めたのはポール・マッカートニーだ。
ビートルズの「ヘイ・ジュード」で会場を盛り上げたとのこと、さすが英国を代表するアーティストだ。
残念ながら、私はそれを見ていない。
youtubeで探しても、納得のいく動画が未だアップされていないのだが、いずれ見ることが出来ると思うので、それまで待つことにしよう。
このとき、少しだけハプニングがあったらしい。
この大トリを努めるため、万が一の保険として前もってスタジオで口パク用音源が録音されたらしい。
もちろんポールは生歌にこだわるつもりだが、彼も高齢、自分のコンサートではなく、イギリスの威信がかかっているライブで「今日は喉の調子が悪くて」なんてのは許されないのだ。
そして当日、プロとして万全の体制で開会式に出場したポールは、当然保険を使わず生歌を披露するのだが、ここで問題が発生。
なんと、スタッフが間違えて口パク用音源を流してしまったのだ。
なので「ヘイ・ジュード」の出だしのボーカルが二重に聞こえたらしい。
すぐにテープは止められたようで、その後はいつものポールらしい堂々としたパフォーマンスで、オリンピック会場にいた全員を巨大な合唱団にし、盛大な拍手で終了した。
このオリンピック開会式参加にあたり、当初はビートルズの再結成の話があったらしい。
ドラムのリンゴ・スターと、ジョン・レノンの息子(ジュリアン・レノン、またはショーン・レノン)と、ジョージ・ハリスンの息子(ダーニ・ハリスン)が参加するとのことだったが、それは実現しなかった。
ポールは大いに乗り気だったようだが、実現しなかった経緯はなんだろう?
もしも、自分がジョン・レノンやジョージ・ハリスンといった偉大すぎる父親の息子だったら?
そしてビートルズのメンバーとして、世界が注目する会場でライブ・パフォーマンスをするとしたら?
絶対ムリだと思う。
当然偉大なる父親と比較され、絶賛もされるだろうが、批判も多いだろうし、第一親の七光りで大舞台に立つなんて少しもロックじゃない。
何より、ビートルズの名に泥を塗るかもしれない。
おそらく息子たち側が拒否したんだと思う。
自分としては再結成ビートルズをちょっと見てみたいとは思うが、やはり伝説は伝説のままにしておいたほうがいいだろうね。
ちょっとビートルズっぽいメンバーでの演奏
曲はビートルズの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」(ジョージ・ハリスン作)
ピアノ=ポール・マッカートニー
ドラム=リンゴ・スター
アコギ=ダーニ・ハリスン
ギター、ボーカル=エリック・クラプトン(この曲のギターソロは原曲もクラプトン)
ベース=クラウス・ブアマン(ビートルズのデビュー前から親交のある人)
その他大勢のミュージシャンが参加しすぎて、全然ビートルズな雰囲気がないけど、そういう趣旨ではないので。
ビートルズはアイドルである。
などと書くと、すぐにも「ビートルズがアイドルなわけないだろ」といった声が聞えてきそうだ。
もし、デビュー当時、彼らが40代の中年、デブ、ハゲだったとしてもあれだけの人気を得られたであろうか?
音楽はそのままだったとしてだ。
絶対にあのような人気はなかっただろう。
彼らは20歳前後の若者であり、平均点をクリアするルックスもあった。
だからこそ、彼らは一世を風靡できたのである。
若い女性は皆彼らに夢中になり、自分たちのアイドルにありったけの金切り声をあげた。
自分の全てをささげてもいい、と思った女性も少なくはあるまい。
音楽の良し悪し以前に、異性として魅力にあふれていたのである。
もちろん、日本でも彼らはアイドルだった。
嵐とSMAPとカトゥーンを足して束になってもかなわないほどのアイドルなのである。
アイドルだから、映画も作られる。
邦題は「ビートルズがやってくるヤア、ヤア、ヤア」。
そう、日本の片田舎であっても映画館にさえ行けば、動く彼らを見ることが出来るのであった。
まさにボクの、ワタシの街にもビートルズはやってきたのだ。
5枚目のアルバムの邦題にいたっては「4人はアイドル」、今だったら、こんなタイトル、ネタだったとしても恥ずかしいレベルだ。
そして、アイドルとしては二の次かもしれないが、なんといっても彼らは天才的に音楽のレベルが高かった。
「ボクはキミが大好きなんだ」とか「キミがいなけりゃ、ボクは死んじゃうヨ」といった愛の歌が歌われると、世の女子は全て、それは自分一人に向けられた言葉だと受け止め、寝ても冷めてもビートルズになってしまうのだった。
自称ロック通の人はアイドルを下に見る傾向にあると思う。
しかし、誰もが認めるロックアーティストであるビートルズの今日があるのは、アイドルだったからなのである。
もしもピート・ベストが「カム・トゥゲザー」のドラムを演奏したら・・・
実に特徴をつかんでいて面白いですね。
ビートルズのデビュー直前に脱退したドラマー、ピート・ベスト。
彼の在籍時の音源は数多く残されています。
後のリンゴ・スターと比較すると、非常に大人しく、裏方に徹したプレイですが、微妙なヘタウマ加減に味があったりします。
彼のドラムの特徴が比較的よく表れていると思われる1曲。
「ライク・ドリーマーズ・ドゥ」というデビュー前のオリジナル曲ですが、なかなか名曲だと思いませんか?
3度目の結婚となるようです。
まだ最近、前の妻と別れて50億円だったか巨額の慰謝料を払ったばかりのような気がするのですが。
まあ、ポールにとっては50億円くらいは大した金額じゃないのかも。
さて、ポールの奥さんといえば、やっぱりリンダ・マッカートニーですよね。
乳がんでこの世を去ったのは1998年。
長年にわたり公私共にポールを支え、ステージではキーボードとバックコーラス担当でした。
アルバム収録曲ではリードボーカルをとってる曲もあります。
曲中で聞える料理をしているみたいなSEは、実際にリンダが調理している音だそうです。
そういえば、リンダは「料理研究家」としての肩書きもありましたね。
ポールは、現在も心の奥底にはリンダへの思いが宿っていることでしょう。
それでも過去に捕らわれず、新しい人生を歩もうとする超ポジティブ男が彼なのです。
志半ばで命を落とす人も多い中、ポールが将来、生涯にピリオドを打つときがやって来たら「わが人生に悔いなし」と思うでしょうか?
いやいや、永遠のロッカーはきっとこういうでしょう。
「まだまだロックしたりないよ」と。
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