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ダブルトリオの後、いろいろなプロジェクトに分解し、音楽の可能性をあらゆる角度から練り直したあと、復活したメンバー構成です。
さらに複雑に、さらに難解に、そしてさらにヘヴィになって帰ってきました。
おそらくクリムゾン史上もっともヘヴィでメタリックなサウンドで、アルバム「コンストラクション・オブ・ライト」を発表します。
とくにアルバム表題曲の完成度の高さには驚きを隠すことが出来ません。
怒涛のようなアルバムをひっさげツアーを開始しますが、そのときのライブがこのアルバムです。
この時期を代表する2曲「コンストラクション・オブ・ライト」と「太陽と戦慄パート4」のライブ・ヴァージョンを聴けば、このバンドのやりたいことが見えてくる気がします。
これだけ複雑で難易度の高い演奏をライブでこなすのは、相当なリハーサルと忍耐が必要と思われ、実際ライブでのミスも多かったようです。
しかし、この時点でデビュー30年を迎えるバンドが、これだけ凄い演奏しようとするのは超人的とも思えます。
他にも70年代の名インスト「フラクチャー」の続編ともいえる「フラクチャード」の破壊力満点の演奏、「プロザック・ブルース」での新境地への開拓など、聴き所は多いです。
しかし、このメンバーで聴けるダブルトリオ時代の曲は、イマイチ物足りない気がします。
「ワン・タイム」「ダイナソー」といったブリューの魅力が堪能できるナンバーも、なぜか魅力に欠ける演奏になってるのは残念です。
来日公演で実際に生で聴いたときにもそう感じたので、録音の問題ではないようです。
3枚組で発売されたこのアルバムの3枚目には、インプロを集めて編集したものが収められてます。
クリムゾンの凶暴性がむき出しになった恐ろしい演奏と、幻想的で美しい演奏が楽しめます。
この後、珍しく同じメンバーでアルバム「パワー・トゥ・ビリーブ」を発表し「ヌーヴォ・メタル」というキーワードをフリップは口にします。
個人的には、このアルバムはそれほどいいとは思えませんでしたが、この時のライブは素晴らしいものでした。
今はクリムゾンとしての活動はしていないようですが、もう一度ファンを良い意味で裏切るようなアッと驚くアルバムを作って欲しいと思うのでした。
(おわり)
エイドリアン・ブリューがディシプリン期のクリムゾンの解散を知ったのは新聞記事からだったそうです。
フリップはなんで直接ブリューにそういう大事なことを言わないのか理解出来ません。
そういうところがフリップの変人なところで、人間付き合いは難しそうですね。
そして90年代に入り、突如としてこのバンドが復活しました。
それまでのロック史上、初めての試みと思われる「ダブル・トリオ」というバンド形式、これは通常のトリオバンド(ギター、ベース、ドラム)が2組存在するバンドです。
2つのバンドが複雑に絡み合い、時にはそれぞれ違うリズムで同時に演奏し、ポリリズムの重なったところでばっちり決める、そういうことをやるのです。
まさにプログレッシブ、本当の意味で進歩的な音楽をやろうしていたんでしょうね。
しかしそういう複雑なことをやってるわりに、実にポップで聴きやすい。
一般的に難解なイメージが付きまとうクリムゾンですが、他のアルバムに比べても聴きやすくポップな曲が多いです。
この時期のライブ・アルバムもいくつか発売されてますが、ここでは「ヴルーム・ヴルーム」を紹介しましょう。
1曲目は名インスト曲「レッド」を彷彿させるインスト「ヴルーム・ヴルーム」からスタートします。
やはりこのメンツでもアルバム「スラック」からの曲は、最初からダブルトリオとして作られているので、非常に凝ったアンサンブルが楽しめます。
また4人編成時代の曲や、70年代の曲も演奏され、何と「21世紀の精神異常者」まで演奏されてます。
前の80年代編成の頃よりも格段にヘヴィになり、70年代のハードさが再び復活しているのがよくわかります。
そしてかつて得意だったインプロも復活してます。
今となってはあまり評価されていないダブルトリオ時代ですが、私はかなりいい線いってると思ってます。
あと、80年代の曲が物凄くかっこよくなって演奏されてるのもポイント高いです。
とくに「スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペア」なんて最初からダブルトリオで作られた曲のようにマッチしてます。
この複雑極まりないダブルトリオをもっと分析して聞きたい人は、DVD「デジャ・ヴルーム」をお薦めします。
ライブDVDとしての完成度の高さは、他に比較するものがありません。
マルチ・アングルや「21世紀~」のメンバーチェンジゲームなど、考えられる全てのDVDの可能性が収められており、凄いです。
(つづく)
当初ディシプリン名義でスタートしたバンドが、キング・クリムゾンの名を使うようになったのが1980年。
この時フリップの元に集まったメンバーは、70年代からのメンバーであるビル・ブラフォードをはじめ、エイドリアン・ブリュー、トニー・レヴィンの4人。
彼らが作り出すサウンドは、70年代のそれとはかなり違った印象をもち、とくにブリューのもつポップな明るさはそれまでにないものでした。
しかしよく聴くと、ブラッフォードの変拍子を多用したリズムワークや、フリップ節ともいえる独特の曲構成など、やはりクリムゾンらしい部分がその根底にあるように思います。
このメンバーで、バンド史上初めてメンバー・チェンジなしに3枚のアルバムを発表します。
また待望の初来日をしたのもこのメンバーでした。
この時期のライブは、あれほどこだわったインプロヴィゼーションを排除し、レコード通りの演奏を忠実に再現するというもの。
またギターサウンドもディストーションからクリアトーンに変化し、印象の違いに大きく影響しています。
そしてブラッフォードのドラムは、大胆にパーカッション・シンセを取り入れた電子サウンドで、80年代的な響きを叩き出しています。
ここではこのメンバーでの最終公演を記録したアルバム「アブセント・ラバーズ」を紹介しましょう。
「ディシプリン」「ビート」「スリー・オブ・ア・パーフェクトペア」の3枚からの曲を中心に、「レッド」「太陽と戦慄パート2」といった70年代の曲も演奏してます。
最終ツアーだからでしょうか、とても白熱した演奏を繰り広げており、迫力があります。
個人的にこの時期の曲だと「フレイム・バイ・フレイム」「セラ・ハン・ジンジート」「エレファント・トーク」などアルバム「ディシプリン」からの曲が好きです。
これらの曲がライブならでは勢いのある演奏を聴くことが出来るのはとても聴き甲斐があり、このアルバムの自分の中の評価があがるポイントになってます。
そしてエイドリアン・ブリューの変体ギターをたっぷり聴くことが出来るのも魅力ですね。
この時期のライブは、クリムゾン初となるライブビデオ(それも日本公演)でも確認することが出来ます。
これ以降、クリムゾンのライブ映像は、なぜか日本公演のものが中心となっていくのでした。
(つづく)
アイランドツアー終了と同時にフリップ以外のメンバーは全員脱退、またもや解散状態に陥ります。
次に集まったメンバーはまたまた個性的過ぎる人々。
ジョン・ウェットン(b、vo)、ビル・ブラッフォード(ds)、デビッド・クロス(v、key)、ジェイミー・ムーア(ds、per)。
この新しいメンバーで試みたのは、インプロヴィゼーションを主体とした音楽。
元々デビュー当時からインプロをやってたクリムゾンですが、ここではそれをさらに具体化し、曲あるいはライブでのパフォーマンスに発展させたのです。
それまでの叙情的な雰囲気はほとんどなくなり、乾いた質感の音楽に豹変したクリムゾンは、それまで以上にライブツアーに明け暮れることになるのでした。
途中でジェイミーが脱退するものの、「太陽と戦慄」「暗黒の世界」「レッド」といったプログレ史上に残る名盤を残しています。
この次期のライブ・パフォーマンスはファンの間で非常に人気が高く、多くのライブ・アルバムが発表されました。
ここではどれを紹介しようか迷ったのですが、もっとも入手しやすいと思われる「USA」を取り上げます。
これも「アース・バウンド」同様、長い間廃盤となっていてCD化されたのは数年前のことです。
CD化された際、収録曲が増えたのは喜ばしいことでした。
一部のファンの間では、クロスのバイオリンがエディ・ジョブソンに差し替えられているとか批判されてます。
しかし元々のクロスのプレイから大きく離れていないし、何より演奏の勢いが凄いので、やはり名ライブ盤だと思います。
とにかくハードで、迫力ある演奏が凄いです。
1曲目の「太陽と戦慄パート2」なんて破壊力満点です。
同時期のイエスやELPも凄いライブをやってますが、クリムゾンはもっと狂気な雰囲気をもった演奏をしているんですね。
どこかぶち切れた、当時のZEPと共通する部分があるように思います。
当時のクリムゾンのライブの特徴であるインプロ・ナンバーも聴けます。
当然、よく練られた曲ではないので、日によって出来不出来が激しいわけですが、ここで聴ける演奏は凄いです。
魔法でもかかったように4人が一体となったプレイをしているのです。
また今買えるCDだと名曲「フラクチャー」「スターレス」のライブヴァージョンを聴くことが出来るのもポイントが高いです。
しかしこの面子でのクリムゾンは、1974年で幕を閉じてしまい一旦解散するのでした。
(つづく)
オリジナル・メンバーでの活動は1枚のアルバムと1回のツアーだけで終わってしまいます。
いろいろ個性的で自己主張の激しいメンバーだったため、長続きしなかったのでしょう。
辛うじて2ndアルバム「ポセイドンのめざめ」を完成させるものの、バンドは事実上解散状態になります。
ほとんど寄せ集めみたいなメンバーで3rdアルバム「リザード」を発表するものの、バンドは低迷しました。
この時点でロバート・フリップ以外のオリジナルメンバーは全員脱退し、以降バンドメンバーは流動的になります。
次に集まったメンバーはメル・コリンズ(sax、key)、イアン・ウォレス(ds)、ボズ・バレル(b、vo)という個性的な面々。
この3人とフリップとは仲が悪かったようで、ツアーを開始するもののかなり人間関係がギクシャクしてたようです。
しかしこの時のツアーは、音楽的に優れたメンバーが集まってたおかげで、迫力あるライブ・パフォーマンスを披露しています。
今でこそ、コレクターシリーズなど多くのライブ音源を聴くことが出来ますが、ここでは原点ともいえるアルバム「アース・バウンド」を取り上げましょう。
長い間廃盤となっていたライブ・アルバムで、その音質の悪さが定評となってました。
なんでもライブ会場にラジカセを置いて録音されたとか言われます。
しかしこの音質の悪さがなんともいえない異様な迫力を醸し出しているのも事実。
ここで聴ける「21世紀の精神異常者」なんて、これをベストテイクにあげる人がいるくらいです。
私としては「ペオリア」や「アース・バウンド」などのジャムっぽい演奏がとくにいいと思ってます。
元々歌よりも演奏重視のクリムゾンですが、この時期はとくにその傾向が強いです。
このアルバムでも、まともにボーカルが入ってるのは「21世紀~」だけで、あとはインストか適当に歌ってるだけです。
なかでもメル・コリンズのサックスが全体のカラーを打ち出していて、バンド全体を引っ張っているのはフリップよりも彼のような印象があります。
数年前、この時期の「21世紀~」のメルのパートばかりつなぎ合わせた変則ヴァージョンも発売されましたが、それだけ価値があると判断されたのでしょう。
(つづく)
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