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オリジナル・メンバーでの活動は1枚のアルバムと1回のツアーだけで終わってしまいます。
いろいろ個性的で自己主張の激しいメンバーだったため、長続きしなかったのでしょう。
辛うじて2ndアルバム「ポセイドンのめざめ」を完成させるものの、バンドは事実上解散状態になります。
ほとんど寄せ集めみたいなメンバーで3rdアルバム「リザード」を発表するものの、バンドは低迷しました。
この時点でロバート・フリップ以外のオリジナルメンバーは全員脱退し、以降バンドメンバーは流動的になります。
次に集まったメンバーはメル・コリンズ(sax、key)、イアン・ウォレス(ds)、ボズ・バレル(b、vo)という個性的な面々。
この3人とフリップとは仲が悪かったようで、ツアーを開始するもののかなり人間関係がギクシャクしてたようです。
しかしこの時のツアーは、音楽的に優れたメンバーが集まってたおかげで、迫力あるライブ・パフォーマンスを披露しています。
今でこそ、コレクターシリーズなど多くのライブ音源を聴くことが出来ますが、ここでは原点ともいえるアルバム「アース・バウンド」を取り上げましょう。
長い間廃盤となっていたライブ・アルバムで、その音質の悪さが定評となってました。
なんでもライブ会場にラジカセを置いて録音されたとか言われます。
しかしこの音質の悪さがなんともいえない異様な迫力を醸し出しているのも事実。
ここで聴ける「21世紀の精神異常者」なんて、これをベストテイクにあげる人がいるくらいです。
私としては「ペオリア」や「アース・バウンド」などのジャムっぽい演奏がとくにいいと思ってます。
元々歌よりも演奏重視のクリムゾンですが、この時期はとくにその傾向が強いです。
このアルバムでも、まともにボーカルが入ってるのは「21世紀~」だけで、あとはインストか適当に歌ってるだけです。
なかでもメル・コリンズのサックスが全体のカラーを打ち出していて、バンド全体を引っ張っているのはフリップよりも彼のような印象があります。
数年前、この時期の「21世紀~」のメルのパートばかりつなぎ合わせた変則ヴァージョンも発売されましたが、それだけ価値があると判断されたのでしょう。
(つづく)
本作の国内盤は、ワーナーからポリドールに移行して初めて1984年に発売されました。
クリムゾンを知りアルバムを貪り聴いたのも丁度重なる時期でした。
事前に北村昌士さんの書籍「キング・クリムゾン~至高の音宇宙を求めて」を読んでいたので、音質の酷さは覚悟していましたが、それ以上に演奏のボルテージの高さに圧倒され、自分の浅さというか何と言うか、まだ自分は本作を聴く素養が出来ていない!!と一人恥じ入った記憶があります。w
上述の書籍に、メル、イアン、ボズの3人とシンフィールドがかなり険悪だった描写があるのですが、それでも分散後にシンフィールドがソロを出すときに3人が揃って参加しているのを知り、とても安堵したのデス。
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