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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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第91回名盤シリーズ
スティーリーダンのドナルド・フェイゲン、ファーストソロアルバム。
(1982年作品)

90年代半ば頃だ。
神戸へ遊びに行ったとき、たまたま入ったCD屋さんになぜかこのアルバムが平積みされていて、試聴出来るようになっていた。
私の見る限り、次々とお客さんがそのCDを手に取りレジへ持っていくので、気になっていたのだ。
レトロっぽいジャケが印象的なこのアルバム、しかしそのときは買うことをせず、私がこのCDを手に入れたのは10年近くの歳月が経ってからだった。

このままスティーリーダンのアルバムだと言っても間違いではないほど、スティーリーダン的なアルバムである。
洗練された都会的センス、ジャジィなメロディ、80年代風に言えばA.O.Rな雰囲気そのものという気がする。
このアルバムが発表されたのは80年代だが、私が聴いたのはまだ最近だ。
スティーリーダン自体は聴いていたので、だいたい想像のつく音楽だったが、それは良い意味での想像通りだった。
期待通りだったと言い換えることも出来る。

「良質のポップス」という言葉がピッタリなアルバムなのだが、このアルバムのセンスを象徴しているのが、このアルバムジャケットだと思う。
非常にクールで、かっこつけすぎな雰囲気がとても良いと思うのだ。
それと音質の良さ、とても82年発表と思えない高音質で作られていて、非常に耳に心地良い。
さすがにアレンジは「今聴いても古さを感じない」とはいえないのだが。
1曲目の冒頭のシンセ音なんて80年代すぎて古さを感じさせる。
しかし、それでも拘りを感じさせるアレンジは説得力があり、どの曲も都会の夜のような妖しさたっぷりで、大人の雰囲気に満ちているのだ。
大人は大人っぽい音楽を聴かなければならない、なんてことは断じてないが、10代後半くらいの人がこれを聴くと「こういう音楽を聴く俺って大人」という勘違いをするに違いない。

私が一番好きなのは2曲目「グリーン・フラワー・ストリート」、適度な緊張感が駆け抜ける軽快な曲だ。
年齢だけは大人になった今の自分だが、こういうセンスが内側から滲み出る前に老けてしまわないよう気をつけなければならない。 
そんな気にさせてくれるアルバムだった。



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第90回名盤シリーズ
今回はラテン・ロックの代名詞のような存在であるサンタナの初期のアルバムから「天の守護神」
(1970年作品)

私は長い間、サンタナというのはカルロス・サンタナ個人のことで、ソロ・アーティストだと思っていた。
それがバンド名であり、カルロスはそのバンドの中心人物だと知ったのは今世紀に入ってからだったと思う。
80年代初頭、日本のギタリスト高中正義とジョイント・コンサートをしたことがあったと思うのだが、そのサウンドに同じ匂いを感じたものだ。
当時の高中氏はやたらとラテン色の強いサウンド志向だったが、今思えばサンタナの影響が強かったのかもしれない。
なので、私にとってのサンタナは、この「天の守護神」で聴ける熱帯のようなサウンドである。
一般的に大名盤とされる「キャラバン・サライ」などは、もっと洗練されてアフリカ音楽と西洋音楽が高度なところで一緒になった感じだが、私が選ぶならラテン色の強いこっちだ。

オシャレとは程遠い、汗臭さ満載の音楽。
熱い男が汗水たらしながら、これまた熱い演奏している様が目に浮かぶようである。
私はコンピュータで管理された無機質な音楽も決して嫌いではないが、こういう人間臭さ溢れる生身の音楽はやはり独特のものがある。
カルロス・サンタナの奏でるギター、まず音色が熱帯的だ。
確実に40度以上、湿気は80パーセント以上ありそうな音色している。
それに輪をかけて熱いのが、バックのパーカッション郡だ。
絶対演奏したあとに、トロピカル・ジュースやマンゴーとかバナナ食べているようなサウンドなのである。
そして夜は、肉汁滴るでっかい焼肉と大量のビールを飲んでることだろう。

話がそれたが、このアルバムで最も有名な曲はフリートウッド・マックの名曲「ブラック・マジック・ウーマン」だろう。
マック・バージョンもいいのだが、ここではさらに人間臭く、体温の高い演奏で、エロティックでもある。
とくにベース、パーカッションのリズム隊がエロエロなのだが、オルガンもいい味を出している。
カルロスのギターは、テクニックに走ることなく情熱あふれるギターで、派手なことをしてるわけでもないのに、存在感たっぷりで、やはりバンドの中心人物であることが確認できるのだった。
 


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第89回名盤シリーズ

現在尚精力的に活躍するベテラン・ミュージシャン、エルトン・ジョンの初期の傑作アルバム「僕の歌は君の歌」。
(1970年作品)

このアルバムの表題曲であり、1曲目に収められているバラード「僕の歌は君の歌」、おそらく70年代の洋楽が好きな人で聴いたことがないって人はいないだろう。
それくらい有名であり、もちろん大ヒット曲なのだが、実は私はこの曲がそれほど好きではない。
初めて聴いたのは中学生くらいの頃だったと思うが、この曲が好きではなかったせいで、エルトン・ジョンのレコードはなかなか買う候補に入らなかった。
まともに聴いたのは21世紀になってから、という遅さ。
彼くらいキャリアの長いアーティストを、良く知らない私がとやかく言うことは出来ないので、あくまでもこのアルバムを聴いた感想である。

このアルバムの凄さはバラード・ナンバーの出来の良さにあると思う。
とにかく繊細で美しいメロディを、重圧でありながら基本的にはシンプルなアレンジが見事に引き出していると思うのだ。
まさに宝石のような、それもダイヤではなく、地味に光る真珠やメノウのような輝きを持った曲が多い。
とくに5曲目「ハイアントンの思い出」から「60才のとき」「人生の壁」「驚きのお話」までバラード4連発は、恐るべき作曲力、アレンジ力に感服する。
ついでにチェンバロの響きが美しい「君は護りの天使」、黒っぽい雰囲気のある「王は死ぬものだ」もある素晴らしいバラードだ。

これほどバラードが充実しているアルバムも珍しい。
哀メロというより、悲しいメロディのバラード、これだけバラードが連続するのに少しも間延びすることなく、じっと聞き入ることが出来る。
明るい曲、ロックンロール調の曲もあるにはあるが、普通レベルに感じてしまう。

男性ソロ・シンガーとしてはビリー・ジョエルと比較されることの多い彼だが、学生時代に私の周りでは圧倒的にビリーの人気が上だった。
しかし、今このアルバムを聴いて、底なし沼のような深さにはまるとなかなか抜け出せない、奥深い魅力を備えてるように感じるのだった。




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第88回名盤シリーズ

今回は90年代グランジの立役者ニルヴァーナの大ヒット作「ネヴァーマインド」。
(1991年作品)

1991年頃、私は全く洋楽ロックは聴いておらず、聴くのはもっぱらポップスか邦楽だったのだが、このアルバムの1曲目がよくラジオで流れてたのは覚えている。
カッコイイ曲だなあ、とは思ってたものの今更ロックを聴こうとも思わずスルーしていたのだった。
当時はバブル期ということもあり、若者だった私は公私ともに多忙でロックやギターから遠ざかる一方だったのが理由だ。
もし当時、10代の頃のようにロックやギターが生活の一部のようになってたのなら、間違いなくこのニルヴァーナにはまっていたことだろう。

今聴いても全く古さを感じさせないサウンド、本物のロック魂が感じられるアルバムだと思う。
ロックに反社会性が感じられたのは、この頃が最後だったのではないだろうか。
若者が大人の社会に対して素直な感情をぶつける…現在この役割を担っているのはヒップホップ系だが、ニルヴァーナのこのアルバムは、この頃のつまらない大人に対しての反抗が感じられる。
自他共に認めるつまらない大人になった現在の私が聴く「ネヴァーマインド」、やっぱりロックってかっこいいもんなんだと改めて思うのだった。

3ピースというロックをやる上で最低限のバンド形態では、いかにアレンジするかが重要なポイントになるのだが、ニルヴァーナはベースをギターのように扱うという方法をとっている。
とにかくベースの存在感が際立っていて、シンプルでありながら力強いバンドサウンドを形成しているのだ。
さらにギター、不必要に歪ませずしっかり音を出しているのため、これがとてもヘヴィに響き渡る。
決してメロディアスともいえない音楽だが、パンキッシュなカッコよさに、このギタートーンはよく合っていると思う。

このアルバムによって確立されたロック・アレンジは、いろいろ現在の音楽に多大な影響を与えたようだ。
アルバム発売当時、80年代に人気だったヘビメタは急速に古くなった。
来年には2010年代に突入するが、このような影響力もった音楽は再び現れるのだろうか?




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第87回名盤シリーズ
今回はベテラン・ブリティッシュ・ロック・バンド、ジェスロ・タルのプログレ的名作「ジェラルドの汚れなき世界」。
(1972年作品)



「狂気のフラミンゴ」の異名をもつ奇才イアン・アンダーゾン率いるこのバンドで、長いキャリアを持ち、根強いファンも多いようだ。
私が彼らを知ったのは、ストーンズ主催の映像作品「ロックンロールサーカス」での出演映像で、片足を上げてフルートを吹きまくるアンダーソンの存在感が印象的だった。
時期的に多くのプログレ・バンドがロック・バンドにフルートやサックス、メロトロンを持ち込み個性を競ってた時期だったと思うが、タルも時代を上手く取り入れていたようだ。
しかしロックバンド+フルートという組み合わせに、このあとあまりフォロワーが出なかったのは、あまりにタルのイメージが強すぎたからかもしれない。

彼らの音楽は、一般的にはプログレやハードロックにカテゴライズされるが、その根本にあるのはフォーク/トラッドだと言われる。
その中でも、とくにプログレっぽいと思われるのがこの作品だが、それでも長い弾き語りのようなものと言われる。
このアルバムには表題曲が1曲収められているだけで、その長さはLPレコードを両面使うものだ(CDではさらにボーナストラックがある)。
片面1曲が珍しくないプログレ界でも、これは相当長い部類に入るのだが、それでも難解な部分はほとんどなく、とてもわかりやすく、取っ付きやすい組曲に仕上がってるのはさすがといわざるをえない。

前作「アクアラング」も名盤の誉れ高い傑作アルバムだが、こちらが本人達の意図に関係なくコンセプト・アルバムとして評価されたことに気を悪くしたアンダーソン。
それに対する皮肉で作ったと言われるこのアルバムだが、それを中途半端ではなく、徹底的にやってるのだ。
架空の少年の記事が載った架空の新聞、それを元にした長編組曲、コンセプト・アルバムとして恐るべき完成度を誇るのに、あくまでも「これはジョーク」という異様さ。
1曲の中にフォークあり、ハードロックあり、ドラムソロあり、しかしそれが違和感なく繋がっていて、まるで劇を見ているようである。
とくに7分過ぎてから始まるギターソロにフルートが絡んでいき、序所にスピードアップしていくパートとか凄くカッコイイ。

このアルバムは全米チャートで2週間連続1位を記録したそうだ。
1972年という時代性もあるが、こういう組曲アルバムが全米でこんなに売れるっていうのは現代の目からすると凄く異常な気がする。
まさにブリティッシュ・ロック全盛期を感じさせるアルバムだ。




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