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第96回名盤シリーズ
ファンクの帝王ことジェイムス・ブラウンの熱いパフォーマンスを収録したライブ・アルバム「ライブ・アット・ジ・アポロ」
(1968年作品)
私は一時期ファンク・ミュージックに興味をもち、「ファンクならジェイムス・ブラウン」という思いから彼のベスト・アルバムなんかをよく聴いていた。
70年代以降の、例えばスライ&ファミリーストーンやアース・ウィンド&ファイアーも聴いたが、これらは当時は好みに合わなかった。
(注)2012年現在、アース・ウインド&ファイアーはかなり好きになった。
それらはもっと洗練されて、オシャレな感覚もあったのだが、ジェイムス・ブラウン(以下JB)のファンクはもっと泥臭く、アクの強いサウンドで、そちらのほうが自分の好みに合った。
ジェイムス・ブラウンといえば「ゲロッパ!」で有名な「セックス・マシーン」だが、それはこのアルバムには入っていない。
私もその曲は好きなのだが、それの不在を感じさせないほど強烈なリズムが楽しめる。
このアルバムが実際のショーの曲順そのものなのかどうかはわからないが、前半はバラードなど大人しい印象だ。
しかしこのスロー・ナンバーが実にソウルフルでいい。
50年代のアトランティックレーベルの黒人音楽集に収録されているような、味わい深いソウル・ミュージックで、ここでのブラウンのボーカルは情感たっぷり、ファンキーな曲とは違う一面を見せてくれる。
4曲目「カンサス・シティ」からはリズミカルなナンバーが続く。
はねるベースにファンキーなホーン・セクション、そして際立ってカッコイイのはやはりギターのカッティングだ。
ひたすらシンプルに一定のリズムを刻み続け、そこへブラウンのボーカルがかぶさるととびっきりファンクなJB流ソウルの完成となる。
中でも初期の代表曲「コールド・スウェット」、普通はリズム隊といえばドラムとベースだが、ここでは全員がリズム隊、それはお客さんも含めて全員が一つのリズムに一体となる楽しさが満喫できる曲に仕上がっている。
メロディは二の次、とにかくリズム命なのだ。
ショーの後半は再びスロー・ナンバー「トライ・ミー」、初期のJBを代表する曲だが、非常に甘みで切なく、つらい恋をしてる人なら涙を流すかもしれない。
ラストはブラウンのデビュー曲「プリーズ・プリーズ・プリーズ」で幕を閉じる。
ブラウンは他にも違う年のライブ・アルバムを発表していますが、どれもこれと同じタイトルなので実にややこしい。
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第95回名盤シリーズ
英国のアルバム売り上げ記録をビートルズ以来初の更新をしたオアシスの2ndアルバム「モーニング・グローリー」
(1995年作品)
「パンクロックとビートルズ的メロディの合体フォーミュラ」と言われる彼らのサウンド、ビートルズもパンクも好きな私は、聴かずにいられない。
ずっと以前から名前は知っていたし、たぶん聴いたこともあったはずなのだが、意識していなかったせいもあり、まともに聴いたことがないのだった。
そこで、とくに人気の高い作品ということで1stアルバム「オアシス」と2ndアルバムのこれを聴いてみたのだ。
結論からいうと、今まで聴いていなくてゴメンナサイか・・・。
とても気に入った。
自分が最初にイメージしていたよりずっと60年代風で、しかも90年代の音楽として彼らなりにしっかり消化されているのだ。
ビートルズやストーンズ、キンクスなどの古き良きブリティッシュ・ロックの雰囲気を持ちながら、1995年当時とても新しい音として多くの人の心を捉えたことだろう。
このアルバムが発売されて14年経つが、現在の感覚から聴いても古く感じないのは流石だ。
シンプルなギター・ロックで、技術や奇抜なアレンジに頼ることなく、素で勝負している。
そんな彼らの最大の持ち味といえるのが、メロディの素晴らしさといえよう。
どの曲にも珠玉のように輝くメロディがあり、それが60年代ロックのように、誰にでも馴染みやすく表現されているのだ。
いいメロディは時代を超える、それを証明するアルバムだった。
捨て曲なし、オープニング「Hello」からラストの「Champagne Supernova 」まで美しいメロディが湧き出る泉のように溢れ出てくる。
中でもシングルになったスロー・ナンバー「Don't Look Back in Anger」は、ジョン・レノンのイマジンをイメージしたイントロから始まる素晴らしい曲で、哀愁たっぷりのメロディが心をジンジン刺激する。
私はブリッド・ポップという音楽の定義についてはよくわからないのだが、「往年のブリティッシュロックの影響が覗えるサウンド」ということなら、まさしくこのアルバムはそれに当てはまると思う。
それも最良の形で、60年代ブリティッシュ・ロックの美味しいところを90年代に生かされた名盤だと思うのだった。
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第94回名盤シリーズ
ニューヨーク・アンダーグランド・パンクの女王、パティ・スミス「ホーセス」
(1975年作品)
音楽なしの詩の朗読だけで観客を魅了することが出来る、とか、彼女の人生は1本の映画に出来るほど劇的でドラマチックである、とか、いろいろ言われる人だが、ここではサウンド中心で行きたい。
「これが1975年の作品?」
私の聴いた第一印象は、とても70年代とは思えない現代的なアレンジだなと思ったこと。
当時としては充分前衛的だったのかもしれない。
パンクといってもピストルズやクラッシュのようなギター・ロックとはちょっと違う。
彼女がパンクなのはサウンドではなく、そのパンク精神を反映させた歌詞のほうだ。
その歌詞を引き立てるためにバンドがあり、それを最大限に発揮することが出来るようにアレンジされてるのだ。
時には、はかないほど繊細で美しく、時には狂人の如く激しく、そして時にはおどけた表情さえ見せるバラエティ豊かなサウンドは、古さを感じさせない。
クセのあるボーカルスタイルで、決して上手くはないが、それがアバンギャルドなロック・サウンドによく合ってると思う。
次のアルバム「ラジオ・エチオピア」からパティ・スミス・グループというバンド名義になっていて、サウンドもよりロック色を強めるが、ここで聴ける音は彼女のソロ的雰囲気が強い。
このアルバムでとくによく出来てると思うのが7曲目「Land」だ。
激しいバンド・サウンドと力強い独特のボーカルが聴けるロックンロール調の曲で、10分近い時間を突っ走る。
これは一つの音楽である一方、「詩とBGM」、あるいは「セリフとサントラ」みたいな、パティの個性をよく表現してると思う。
それとはうって変わって8曲目「Elegie」、大人しいバラード調の曲だが、美しいメロディの中に狂気が隠されていて凄みさえ感じることが出来る。
一般的な一番人気は1曲目「Gloria」、ヴァン・モリソンのカバーですが、少しづつテンポ・アップしていくアレンジがカッコイイ。
最後にアルバム・ジャケット、元恋人にして名写真家ロバート・メイプルソープが撮影したと言われ、芸術的アルバム・ジャケットだと言われますが、そういったことに疎い私は、どう素晴らしいのかよくわからない。
それは私がCDという小さいジャケで見ているからで、本来のLP盤のジャケで見れば印象が変わるかもしれないが。
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第93回名盤シリーズ
グラムロックの名盤、デビッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」。
(1972年作品)
最初に断っとくと、私はデビッド・ボウイは好きではなかった。
人気アーティストであり、何度も来日してるし、私の周りにもファンはいたが、自分の好みではなかったのだ。
その最大の理由が、80年代に発表されたアルバム「レッツ・ダンス」が全く好みに合わなかったこと、次に当時の来日公演の模様がテレビでオンエアされたのを見て1曲も良いと思える曲がなかったからだ。
音楽の好みは千差万別なので、いくら有名で人気があっても好きじゃない、それは別に問題のないことだといえよう。
そんな私が再びデビッド・ボウイを聴いてみようと思ったのは、2000年のキング・クリムゾンの来日で「ヒーローズ」のカバーが演奏されたのがきっかけだ。
このクリムゾン版「ヒーローズ」はけっこう気に入った。
この1曲は私がデビッド・ボウイを見直すきっかけとなり、名盤といわれるこの「ジギー・スターダスト」を聴いて「デビッド・ボウイはなかなか良いかもしれない」と思うにいたる。
私は過去の偉大なアルバムを聴くかたわら、今現在の新譜も聴くので、なかなか一人のアーティストをじっくり掘り下げて聴く時間がないのが現実だが、デビッド・ボウイもこのアルバムしか聴いていない。
というわけで、このアルバムだが、1曲目のイントロからスッと自分の心の扉を開けてくれた。
安心して聴けるアルバム、どの曲もメロディアスで、ポップでありながらロックしていて、それが個性的なアレンジで演奏されている。
コンセプト・アルバムらしいが、それについてはよくわからない。
なんか宇宙人がどうとか、地球の危機がどうとか、とりあえずそういうのはどうでもいい。
とくに1曲目「Five Years」と本編最後の「Rock’nRollSucide」がいい曲だと思うのだ。
最初と最後の曲がいいと、どうしてもアルバム全体の印象がよくなり、他の曲も自然と好きになっていった。
今度時間のあるときに、歌詞をじっくり読みながらアルバムを通して聴くと、また新しい発見があるかもしれない。
私の持ってるCDは本編のあとにボートラが入ってるのだが、レコード通りに「Rock’nRollSucide」で終了したほうがいいと思う。
それとグラム・ロックって何かイマイチよくわからないのだが、T-レックスとサウンドに共通点があるような気がする。
ただそれが何なのか、説明する言葉を持たないのだが。
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第92回名盤シリーズ
70年代アメリカン・ハード・ロックを代表するバンド、G.F.R「アメリカン・バンド」。
(1973年作品)
グランド・ファンク・レイルロードは1969年にデビューし、伝説的な大雨の中の後楽園球場ライブを行うなど精力的な活動を行っていたが、1972年にバンド名をグランド・ファンクに改めた。
再結成後には再びグランド・ファンク・レイルロードと名乗っているようだが、このアルバムが発表されたのはグランド・ファンク時代なので、表記もそうした。
キッス以前のアメリカン・ハード・ロックは、現在の感覚でいうハード・ロックとは異なり、どちらかというと「元気なロック」といった感じでだろうか。
このアルバムで聴けるサウンドは、同時期のオールマン・ブラザーズ・バンドやレイナード・スキナードなどのサザン・ロックに近いように感じる。
初期の作品は聴いたことがないのだが、レッド・ツェッペリンやブラック・サバスに対抗できる唯一のアメリカン・バンドだったとのことなので、もっとブリティッシュな雰囲気だったのかもしれない。
1曲目から明るくポップともいえるロックンロールがスタート、歯切れの良いギターがカッコイイ。
その名も「俺たちゃ、アメリカン・バンドだぜ!」(勝手に邦題つけました)、言われなくても誰でもわかる典型的なアメリカン・ロックだ。
シングルとしても発売され、全米1位という大ヒット!
この曲や2曲目「Stop lookin’ back」、3曲目「Black licolice」、7曲目「Walk like a man」あたりのハードなロック曲は、このバンドの持ち味を発揮してると思う。
私はこのバンドのライブを見たことがないが、当時を知る人からすれば、同時期のツェッペリンと互角の勝負が出来る凄いライブだったそうだ。
ライブを見せて客のハートを掴む、まさにそういうバンドだったのだろう。
また3曲目の「Creepin’」みたいなしっとりした曲も非常に良い曲で、ただのハード・ロック・バンドではないことがよくわかる。
ソウルフルな味わい、幻想的なギター・ソロ、ジャジィなオルガン、これらは都会的雰囲気すら感じさせ、懐の深さを知ることが出来た。
よくグランドファンクを「世界一のイモバンド」みたいな言い方をする人がいるようだが、単なるイモバンドにこういう曲は作れない。
この辺の感覚はプロデューサーのトッド・ラングレンの手際だそうだ。
全盛期の彼らの人気は相当なものだったようで、ライブ・チケットのソールド・アウトした早さがビートルズを上回ったとか、どこそこのライブでは何万人集まったとか、そういう伝説も多々あるようである。
これは彼らのライブ・アルバムも聴いてみなきゃいけないと思うのだった。
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