洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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第11回名盤シリーズ
ツイン・リード・ギターが炸裂するライブ「ライブ・アンド・デンジャラス」
(1978年作品)

このロック史に燦然と輝く名作ライブアルバムが発表されたのは1978年のことだ。
シン・リジーはメンバー・チェンジが激しく、とくにギタリストの交代は頻繁だった。
有名所では、ゲイリー・ムーアやジョン・サイクスといったギター・ヒーローが在籍していたことで知られるが、全盛期といわれる時期にギターを弾いていたのは、スコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンの2人である。
個人的にはこの2人の組み合わせ、もしくはスコットとスノーウィー・ホワイトの組み合わせがバランスがよくて好きだ。
この「ライブ・アンド・デンジャラス」では、スコットとブライアンの組み合わせが楽しめる。
ウィッシュボーン・アッシュから影響を受けたと思われるツイン・リード・ギターでのハーモニー。
意外に強力なリズム隊。
そしてフィル・リノットの何ともいえない独特のメロディとボーカルが加わると、他の何とも似ていないリジー・サウンドが完成する。
このアルバムは、選曲も演奏も音質もよく、ツイン・リード・バンドの魅力が凝縮されている。
何といっても曲がいい。
ハード・ロックというジャンルには収まりきらない幅の広い音楽性があり、これはもう「シン・リジー」というジャンルとも言えるほどだ。
このアルバムでは「JAILBREAK」、「EMERALD」、「THE BOYS ARE BACK IN TOWN」など、初期の代表曲が収められている。
なかでも、とくに激しいギターが聴けるのが「EMERALD」だ。
寂しげでメロディアスなハーモニーの後、スコットとブライアンが交互にソロを弾き、次のブライアンのソロが殺気迫る勢いで弾きまくっている。
他には、少し地味ではあるが「SOUTHBOUND」、やさしいメロディがとてもシン・リジーらしく、哀愁のツインリードのハーモニーが素晴らしいし、ライブでの定番曲である「COWBOY SONG」もいい曲だ。
スローバラードも完成度が高い。
「STILL IN LOVE WITH YOU」だ。
少し大人っぽい雰囲気で、フィルが感情たっぷりに歌いあげる。
中間部のギターソロはブライアン。
珠玉のようなギター・ソロで、弾きまくるのではなく、メロディアスで艶のあるトーンが魅力的だ。
後半のギターソロはスコット。
ゆったりしたチョーキングビブラートが素晴らしく、実に味わい深いと思う。
ツイン・リード・ギターが炸裂するライブ「ライブ・アンド・デンジャラス」
(1978年作品)
このロック史に燦然と輝く名作ライブアルバムが発表されたのは1978年のことだ。
シン・リジーはメンバー・チェンジが激しく、とくにギタリストの交代は頻繁だった。
有名所では、ゲイリー・ムーアやジョン・サイクスといったギター・ヒーローが在籍していたことで知られるが、全盛期といわれる時期にギターを弾いていたのは、スコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンの2人である。
個人的にはこの2人の組み合わせ、もしくはスコットとスノーウィー・ホワイトの組み合わせがバランスがよくて好きだ。
この「ライブ・アンド・デンジャラス」では、スコットとブライアンの組み合わせが楽しめる。
ウィッシュボーン・アッシュから影響を受けたと思われるツイン・リード・ギターでのハーモニー。
意外に強力なリズム隊。
そしてフィル・リノットの何ともいえない独特のメロディとボーカルが加わると、他の何とも似ていないリジー・サウンドが完成する。
このアルバムは、選曲も演奏も音質もよく、ツイン・リード・バンドの魅力が凝縮されている。
何といっても曲がいい。
ハード・ロックというジャンルには収まりきらない幅の広い音楽性があり、これはもう「シン・リジー」というジャンルとも言えるほどだ。
このアルバムでは「JAILBREAK」、「EMERALD」、「THE BOYS ARE BACK IN TOWN」など、初期の代表曲が収められている。
なかでも、とくに激しいギターが聴けるのが「EMERALD」だ。
寂しげでメロディアスなハーモニーの後、スコットとブライアンが交互にソロを弾き、次のブライアンのソロが殺気迫る勢いで弾きまくっている。
他には、少し地味ではあるが「SOUTHBOUND」、やさしいメロディがとてもシン・リジーらしく、哀愁のツインリードのハーモニーが素晴らしいし、ライブでの定番曲である「COWBOY SONG」もいい曲だ。
スローバラードも完成度が高い。
「STILL IN LOVE WITH YOU」だ。
少し大人っぽい雰囲気で、フィルが感情たっぷりに歌いあげる。
中間部のギターソロはブライアン。
珠玉のようなギター・ソロで、弾きまくるのではなく、メロディアスで艶のあるトーンが魅力的だ。
後半のギターソロはスコット。
ゆったりしたチョーキングビブラートが素晴らしく、実に味わい深いと思う。
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第10回名盤シリーズ
数あるローリング・ストーンズのアルバムから私が選んだのは「メインストリートのならず者」だ。
(1972年作品)

1972年に発売されたこのアルバムは、ストーンズにとって初の2枚組アルバム(CDは1枚)で、ファンの間では最高傑作との呼び声も高い。
メンバーはミック・ジャガー(vo)、キース・リチャーズ(g,vo)、チャーリー・ワッツ(ds)、ビル・ワイマン(b)、ミック・テイラー(g)で、最も人気が高いと言われるメンバーである。
このアルバムの特徴は、一言で言うと「ルーズな雰囲気」だ。
当時のストーンズは、ルーツ音楽を目指していたといわれる。
なので、ブルース、カントリー、フォークタッチの曲が多く、派手なロックンロールは少ない。
このアルバムで代表的な曲といえば「Tumbling Dice 」だと思うが、これがまた、なんとも言えないだるいノリで、リラックスした雰囲気なのである。
この曲は現在のストーンズのライブでも、重要なレパートリーとして必ず演奏されるが、このアルバムの雰囲気をもっとも表現している曲だろう。
いわゆるキラーチューンが曲がなく、全体を通して流れる、ルーズな空気感、これぞこのアルバム、およびストーンズの味ではないだろうか?
最初はとっつき難いアルバムかもしれず、これからストーンズを聴こうとする人には薦めにくい。
しかし、じっくり聴き込むほどに良さが滲み出てくるアルバムだと思う。
どの曲も捨てがたい魅力があり、これだけの曲が入っているのに捨て曲はなし。
「Sweet Virginia 」、「Sweet Black Angel 」、「 Let It Loose 」、「Shine A Light 」の哀愁漂うメロディ、枯れた味わいは他では中々聴けない。
また「Shake Your Hips 」、「Casino Boogie 」、「Turd On The Run 」、「 Ventilator Blues 」などは、ストーンズ流ブルースであり、彼らの内面に秘めた黒さが出ていると思う。
ストレートなロックナンバー「Rocks Off 」、「Rip This Joint 」、キースが歌う「Happy」もかっこいい。
現在のストーンズしか知らない人が聴いたら「なんじゃこりゃ?」と思うかもしれない。
しかし、肩の力を抜いて、このルーズなサウンドに身を任せてみよう。
この何か懐かしいような、切ないような雰囲気にはまると、抜け出せなくなるかもしれないから。
数あるローリング・ストーンズのアルバムから私が選んだのは「メインストリートのならず者」だ。
(1972年作品)
1972年に発売されたこのアルバムは、ストーンズにとって初の2枚組アルバム(CDは1枚)で、ファンの間では最高傑作との呼び声も高い。
メンバーはミック・ジャガー(vo)、キース・リチャーズ(g,vo)、チャーリー・ワッツ(ds)、ビル・ワイマン(b)、ミック・テイラー(g)で、最も人気が高いと言われるメンバーである。
このアルバムの特徴は、一言で言うと「ルーズな雰囲気」だ。
当時のストーンズは、ルーツ音楽を目指していたといわれる。
なので、ブルース、カントリー、フォークタッチの曲が多く、派手なロックンロールは少ない。
このアルバムで代表的な曲といえば「Tumbling Dice 」だと思うが、これがまた、なんとも言えないだるいノリで、リラックスした雰囲気なのである。
この曲は現在のストーンズのライブでも、重要なレパートリーとして必ず演奏されるが、このアルバムの雰囲気をもっとも表現している曲だろう。
いわゆるキラーチューンが曲がなく、全体を通して流れる、ルーズな空気感、これぞこのアルバム、およびストーンズの味ではないだろうか?
最初はとっつき難いアルバムかもしれず、これからストーンズを聴こうとする人には薦めにくい。
しかし、じっくり聴き込むほどに良さが滲み出てくるアルバムだと思う。
どの曲も捨てがたい魅力があり、これだけの曲が入っているのに捨て曲はなし。
「Sweet Virginia 」、「Sweet Black Angel 」、「 Let It Loose 」、「Shine A Light 」の哀愁漂うメロディ、枯れた味わいは他では中々聴けない。
また「Shake Your Hips 」、「Casino Boogie 」、「Turd On The Run 」、「 Ventilator Blues 」などは、ストーンズ流ブルースであり、彼らの内面に秘めた黒さが出ていると思う。
ストレートなロックナンバー「Rocks Off 」、「Rip This Joint 」、キースが歌う「Happy」もかっこいい。
現在のストーンズしか知らない人が聴いたら「なんじゃこりゃ?」と思うかもしれない。
しかし、肩の力を抜いて、このルーズなサウンドに身を任せてみよう。
この何か懐かしいような、切ないような雰囲気にはまると、抜け出せなくなるかもしれないから。
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第9回名盤シリーズ
今回はサザン・ロックの醍醐味が味わえる名作「アット・フィルモア・イースト」
(1971年作品)

メンバーはデュアン・オールマン(g)、グレッグ・オールマン(key、vo)のオールマン兄弟を中心に、ディッキー・ベッツ(g)、ベリー・オークリー(b)、ジェイ・ジョニー・ジョンソン(ds)、ブッチ・トラックス(ds)の6人。
ツイン・リード・ギターにツイン・ドラムスというスタイルだ。
いわゆるサザン・ロックと言われるこのバンドは、ブルースをベースにした豪快なロックを演奏し、休む間もなくライブ演奏を繰り返していたのだった。
2年間で500回、時には1日に4回ものステージをこなすタフさ。
彼らの悩みは、スタジオ録音では自分達の魅力を伝えることが出来ないという、ライブバンドにありがちな悩みだった。
そこで、フィルモア・イーストでのライブの模様を実況録音し、発売されたのが、この「At Fillmore East」なのだ。
このアルバムの発表前、デュアンはエリック・クラプトンの「レイラ・セッション」に参加しており、一躍有名ミュージシャンの仲間入りをしていた。
彼のギタープレイの特徴は、歌うように奏でるスライド・ギター・プレイだ。
このライブにおいても、彼のスライド・ギター・プレイが炸裂しており、とても歌心溢れるプレイを聴くことが出来る。
また、スライドだけでなく、通常のギタープレイも素晴らしいもので、決して速弾きやテクニックを駆使したりはせず、フレーズの一つ一つがムダなく生きており、長いソロも飽きさせない。
相棒のディッキー・ベッツも、負けじと味のあるプレイでデュアンと勝負している。
彼のギターの音色が、ブルージーでありながらも艶のある素晴らしいトーンで、次々に魅力的なフレーズを量産していくのだった。
彼らのライブ演奏は長く、このアルバムも2枚組というボリュームに対し、7曲しか入っていない。
前半はブルースのカバー曲を、後半は彼らのオリジナル曲という構成になっているが、4曲目「You Don't Love Me」とラストの「Whpping Post」の2曲は、たっぷり20分前後の熱演だ。
このアルバムの聴き所は、まずは1曲目の「Statesboro Blues」だろう。
いきなりデュアンのスライド・ギターから豪快な演奏がスタートする。
リラックスした中にも緊張感のある絶妙なプレイ、そして何よりも楽しそうに演奏しているのが伝わってくる。
ディッキー作のインスト曲「In Memory Of Elizabeth Reed」も名曲だ。
ラテン調のハーモニーパートがなんとも言えない味を醸しだしていて、アダルトな雰囲気さえ感じさせる。
ここでのデュアンのプレイは、熱く燃えるようであり、白熱したライブ演奏は、この日の観客を熱狂させるに充分な勢いがあり、まさに名演といっていい。
個人的には、この曲が一番好きだ。
現在このアルバムには、デラックスエディションと言われる13曲入りのほうもあるので、これから聴こうという人はそちらを買ったほうがいいだろう。
今回はサザン・ロックの醍醐味が味わえる名作「アット・フィルモア・イースト」
(1971年作品)
メンバーはデュアン・オールマン(g)、グレッグ・オールマン(key、vo)のオールマン兄弟を中心に、ディッキー・ベッツ(g)、ベリー・オークリー(b)、ジェイ・ジョニー・ジョンソン(ds)、ブッチ・トラックス(ds)の6人。
ツイン・リード・ギターにツイン・ドラムスというスタイルだ。
いわゆるサザン・ロックと言われるこのバンドは、ブルースをベースにした豪快なロックを演奏し、休む間もなくライブ演奏を繰り返していたのだった。
2年間で500回、時には1日に4回ものステージをこなすタフさ。
彼らの悩みは、スタジオ録音では自分達の魅力を伝えることが出来ないという、ライブバンドにありがちな悩みだった。
そこで、フィルモア・イーストでのライブの模様を実況録音し、発売されたのが、この「At Fillmore East」なのだ。
このアルバムの発表前、デュアンはエリック・クラプトンの「レイラ・セッション」に参加しており、一躍有名ミュージシャンの仲間入りをしていた。
彼のギタープレイの特徴は、歌うように奏でるスライド・ギター・プレイだ。
このライブにおいても、彼のスライド・ギター・プレイが炸裂しており、とても歌心溢れるプレイを聴くことが出来る。
また、スライドだけでなく、通常のギタープレイも素晴らしいもので、決して速弾きやテクニックを駆使したりはせず、フレーズの一つ一つがムダなく生きており、長いソロも飽きさせない。
相棒のディッキー・ベッツも、負けじと味のあるプレイでデュアンと勝負している。
彼のギターの音色が、ブルージーでありながらも艶のある素晴らしいトーンで、次々に魅力的なフレーズを量産していくのだった。
彼らのライブ演奏は長く、このアルバムも2枚組というボリュームに対し、7曲しか入っていない。
前半はブルースのカバー曲を、後半は彼らのオリジナル曲という構成になっているが、4曲目「You Don't Love Me」とラストの「Whpping Post」の2曲は、たっぷり20分前後の熱演だ。
このアルバムの聴き所は、まずは1曲目の「Statesboro Blues」だろう。
いきなりデュアンのスライド・ギターから豪快な演奏がスタートする。
リラックスした中にも緊張感のある絶妙なプレイ、そして何よりも楽しそうに演奏しているのが伝わってくる。
ディッキー作のインスト曲「In Memory Of Elizabeth Reed」も名曲だ。
ラテン調のハーモニーパートがなんとも言えない味を醸しだしていて、アダルトな雰囲気さえ感じさせる。
ここでのデュアンのプレイは、熱く燃えるようであり、白熱したライブ演奏は、この日の観客を熱狂させるに充分な勢いがあり、まさに名演といっていい。
個人的には、この曲が一番好きだ。
現在このアルバムには、デラックスエディションと言われる13曲入りのほうもあるので、これから聴こうという人はそちらを買ったほうがいいだろう。
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第8回名盤シリーズ
若い3人の才能がぶつかる名作「クリームの素晴らしき世界」
(1968年作品)

クリームの3枚目のアルバムとして68年8月にリリースされた本作は、彼らにとって初の2枚組アルバムだった。
ただその内容は少し変わっていて、1枚目がスタジオ作品、2枚目はライブ作品という変則的なものである。
当時2枚組アルバムというのは珍しく、値段も高価だったが、全米チャート1位になる大ヒットを記録した。
エリック・クラプトン(g、vo)、ジャック・ブルース(b、vo)、ジンジャー・ベイカー(ds)というただならぬメンバーで構成されたこのバンドには二面性がある。
多重録音を重ね、実験性を織り込み、練りに練られたスタジオ作品と、3人だけによる演奏で、火花を散らすようなインプロビゼーションを繰り広げるライブパフォーマンス。
この両方の顔を、このアルバムでそれぞれ1枚づつに収めているだ。
1枚目スタジオ作品の冒頭を飾るのは、有名な「White Room」である。
クリームを代表する1曲でもあり、力強いタムを多用したドラムワークとワウを使ったギター、自信に満ちたボーカル、それでいてポップな一面も覗かせる名曲だと思う。
この曲と6曲目「政治家」あたりは、いかにもジャック・ブルース作で、かっこいいブルースロックに仕上がっている。
ベイカー作の7曲目「Those Were The Days」もカッコイイロックナンバーだ。
ここでのクラプトンだが、スタジオ盤では大人しい。
たしかに「Top Of The World」や「荒れ果てた街」でのギターはかっこよく、ソロもかなり気合入れて弾いてるのだが、やはりジャック色が強いと思う。
2枚目のライブアルバム。
1枚目のスタジオ作品が9曲入ってるのに対して、こっちは4曲しか入っていない。
それも、歌のパートが極端に少なく、ほとんどがインストパートだ。
ここでは、1曲目のクロスロードでは3人平等な気がするが、あとの3曲はそれぞれのメンバーの得意技を披露した形態となっている。
まず、「Crossroads」。
いまや、アマチュア・ギタリストにとってのスタンダードとなったプレイを聞くことが出来る。
ロバート・ジョンソンのカバー曲だが、原曲からかけ離れて、こんなにカッコよく演奏するアレンジが素晴らしい。
3人が3人とも全力で演奏しているのが伝わる。
次の「Spoonful」。
クリームのライブでの演奏を最もよく表してる録音だ。
これも、元はブルースのカバー曲だが、完全にハード・ロックに変化している。
ここでのクラプトンは、現在では考えられないくらい弾きまくているのだが、リズム隊も負けじと必死になっている。
この曲で聴ける戦争のような演奏は、後のレッド・ツェッペリンを初めとする多くのロックバンドに影響を与えたことは間違いない。
ジャックのブルースハープを駆使した「列車時刻」、ベイカーのドラムソロを披露した「いやな奴」あたりはちょっと時代を感じさせてしまうのも事実だが。
現在のハードロック、ヘヴィメタルという音楽の基板を作ったのはクリームだと言われている。
ギブソン+マーシャルの過激なギター・サウンド、ライブにおける演奏重視のスタイルなどは、それまでのロックになかったものだ。
ただ、ライブステージにおいて毎晩繰り広げられるインプロ大会に限界を感じたメンバーは、解散という道をたどる。
若い3人の才能がぶつかる名作「クリームの素晴らしき世界」
(1968年作品)
クリームの3枚目のアルバムとして68年8月にリリースされた本作は、彼らにとって初の2枚組アルバムだった。
ただその内容は少し変わっていて、1枚目がスタジオ作品、2枚目はライブ作品という変則的なものである。
当時2枚組アルバムというのは珍しく、値段も高価だったが、全米チャート1位になる大ヒットを記録した。
エリック・クラプトン(g、vo)、ジャック・ブルース(b、vo)、ジンジャー・ベイカー(ds)というただならぬメンバーで構成されたこのバンドには二面性がある。
多重録音を重ね、実験性を織り込み、練りに練られたスタジオ作品と、3人だけによる演奏で、火花を散らすようなインプロビゼーションを繰り広げるライブパフォーマンス。
この両方の顔を、このアルバムでそれぞれ1枚づつに収めているだ。
1枚目スタジオ作品の冒頭を飾るのは、有名な「White Room」である。
クリームを代表する1曲でもあり、力強いタムを多用したドラムワークとワウを使ったギター、自信に満ちたボーカル、それでいてポップな一面も覗かせる名曲だと思う。
この曲と6曲目「政治家」あたりは、いかにもジャック・ブルース作で、かっこいいブルースロックに仕上がっている。
ベイカー作の7曲目「Those Were The Days」もカッコイイロックナンバーだ。
ここでのクラプトンだが、スタジオ盤では大人しい。
たしかに「Top Of The World」や「荒れ果てた街」でのギターはかっこよく、ソロもかなり気合入れて弾いてるのだが、やはりジャック色が強いと思う。
2枚目のライブアルバム。
1枚目のスタジオ作品が9曲入ってるのに対して、こっちは4曲しか入っていない。
それも、歌のパートが極端に少なく、ほとんどがインストパートだ。
ここでは、1曲目のクロスロードでは3人平等な気がするが、あとの3曲はそれぞれのメンバーの得意技を披露した形態となっている。
まず、「Crossroads」。
いまや、アマチュア・ギタリストにとってのスタンダードとなったプレイを聞くことが出来る。
ロバート・ジョンソンのカバー曲だが、原曲からかけ離れて、こんなにカッコよく演奏するアレンジが素晴らしい。
3人が3人とも全力で演奏しているのが伝わる。
次の「Spoonful」。
クリームのライブでの演奏を最もよく表してる録音だ。
これも、元はブルースのカバー曲だが、完全にハード・ロックに変化している。
ここでのクラプトンは、現在では考えられないくらい弾きまくているのだが、リズム隊も負けじと必死になっている。
この曲で聴ける戦争のような演奏は、後のレッド・ツェッペリンを初めとする多くのロックバンドに影響を与えたことは間違いない。
ジャックのブルースハープを駆使した「列車時刻」、ベイカーのドラムソロを披露した「いやな奴」あたりはちょっと時代を感じさせてしまうのも事実だが。
現在のハードロック、ヘヴィメタルという音楽の基板を作ったのはクリームだと言われている。
ギブソン+マーシャルの過激なギター・サウンド、ライブにおける演奏重視のスタイルなどは、それまでのロックになかったものだ。
ただ、ライブステージにおいて毎晩繰り広げられるインプロ大会に限界を感じたメンバーは、解散という道をたどる。
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第7回名盤シリーズ
再評価されつつある名作「リボルバー」
(1966年作品)

ビートルズのアルバムはどれも名作といえるが、一般的に名盤とされるのは「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と「アビー・ロード」、そして今回取り上げる「リボルバー」の3枚だろう。
このアルバム発表と前後して、ビートルズはコンサート活動を打ち切り、レコーディングに専念するようになる。
この頃には、ライブ活動を続けるにあたり多くの問題があったためだ。
さて、このアルバムで注目すべきなのはジョージ・ハリソンの活躍ぶりである。
それまでジョージは脇役でしかない印象があったが、このアルバムでは3曲取り上げられている。
それもかなり個性的な曲だ。
中でも、4曲目の「Love You To」はインド音楽の影響が強く、それまでのロック・ミュージックとは全然違う印象を与える。
また、アルバムのトップを飾る曲がジョージの曲である点にも注目。
全ビートルズのアルバム中、ジョージの曲が1曲目に来るのはこのアルバムだけなのだ。
そして12曲目の「I Want To Tell You」。
91年のジョージ来日公演のオープニングにもなった曲で、途中で入る、なんとも異様なピアノの響きが素晴らしく、私の中ではジョージの全作品中1、2位を争うほどである。
またこのアルバムでも、ポール・マッカートニーは天才メロディ・メーカーぶりを発揮している。
5曲目の「Here, There And Everywhere」は素晴らしいバラードだ。
まさに隠れた名曲で、ヘッドホンで聞くとダブルトラックのボーカルが左右に分かれていて、そのラインが微妙に違うのが面白い。
「Got To Get You Into My Life」は元祖ブラスロックとも言える曲だが、そのアレンジは後のブラスロックバンド、シカゴに通じるものがある。
そしてジョン・レノンだ。
この頃から、実験的な試みを積極的に取り入れるようになり、テープの逆回転や「どうやって録音したんだ?」といえるようなことをやっている。
とくにそれが顕著に現れているのは、ラストを飾る「Tomorrow Never Knows」だ。
これはサイケデリックというよりプログレといっていいだろう。
1966年という時代を考えると、あまりに斬新であり、テープの逆回転や、カモメ風ギター、イコライズ処理されたボーカル、リズムボックスのような同じパターンのリズムなど、さまざまな試みが実行されている。
このアルバムが発表された当時、それまでのアイドルとしてのビートルズが好きだったファンは離れ始めたそうだ。
それまでのパーティーソングでしかなかったロック・ミュージックを、アートにまで押し上げるキッカケになったアルバムなのだった。
再評価されつつある名作「リボルバー」
(1966年作品)
ビートルズのアルバムはどれも名作といえるが、一般的に名盤とされるのは「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と「アビー・ロード」、そして今回取り上げる「リボルバー」の3枚だろう。
このアルバム発表と前後して、ビートルズはコンサート活動を打ち切り、レコーディングに専念するようになる。
この頃には、ライブ活動を続けるにあたり多くの問題があったためだ。
さて、このアルバムで注目すべきなのはジョージ・ハリソンの活躍ぶりである。
それまでジョージは脇役でしかない印象があったが、このアルバムでは3曲取り上げられている。
それもかなり個性的な曲だ。
中でも、4曲目の「Love You To」はインド音楽の影響が強く、それまでのロック・ミュージックとは全然違う印象を与える。
また、アルバムのトップを飾る曲がジョージの曲である点にも注目。
全ビートルズのアルバム中、ジョージの曲が1曲目に来るのはこのアルバムだけなのだ。
そして12曲目の「I Want To Tell You」。
91年のジョージ来日公演のオープニングにもなった曲で、途中で入る、なんとも異様なピアノの響きが素晴らしく、私の中ではジョージの全作品中1、2位を争うほどである。
またこのアルバムでも、ポール・マッカートニーは天才メロディ・メーカーぶりを発揮している。
5曲目の「Here, There And Everywhere」は素晴らしいバラードだ。
まさに隠れた名曲で、ヘッドホンで聞くとダブルトラックのボーカルが左右に分かれていて、そのラインが微妙に違うのが面白い。
「Got To Get You Into My Life」は元祖ブラスロックとも言える曲だが、そのアレンジは後のブラスロックバンド、シカゴに通じるものがある。
そしてジョン・レノンだ。
この頃から、実験的な試みを積極的に取り入れるようになり、テープの逆回転や「どうやって録音したんだ?」といえるようなことをやっている。
とくにそれが顕著に現れているのは、ラストを飾る「Tomorrow Never Knows」だ。
これはサイケデリックというよりプログレといっていいだろう。
1966年という時代を考えると、あまりに斬新であり、テープの逆回転や、カモメ風ギター、イコライズ処理されたボーカル、リズムボックスのような同じパターンのリズムなど、さまざまな試みが実行されている。
このアルバムが発表された当時、それまでのアイドルとしてのビートルズが好きだったファンは離れ始めたそうだ。
それまでのパーティーソングでしかなかったロック・ミュージックを、アートにまで押し上げるキッカケになったアルバムなのだった。
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