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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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第26回名盤シリーズ
今回はAC/DCの「バック・イン・ブラック」。
(1980年作品)



前作「地獄のハイウェイ」までボーカルだったボン・スコットの突然の死により、一時は解散説も流れたAC/DCだが、さらにパワー・アップして80年に発表されたアルバムがこれだ。
メンバーはアンガス・ヤング(g)、マルコム・ヤング(g)、フィル・ラッド(ds)、クリフ・ウイリアムズ(b)、ブライアン・ジョンソン(vo)。
アルバム全体を貫く張り詰めた空気感、硬質で荒っぽいギター・サウンド、リフ主体でメロディ感が少ない印象。
まさに男のロック!
軟弱者は相手にしていないのだ。
それはこのアルバムから参加したブライアンの切り裂くようなボーカルにも現れている。
飾り気が全くなく、贅肉を削ぎ落とした硬派のロックだが、これが全世界で大ヒットした。
アルバムの売り上げは半端ではなく、ポピュラー音楽史上に残る大名盤でありながら、日本では硬派すぎる印象のためか人気なし。
そのため凄まじいライブパフォーマンスを行うバンドなのに滅多に日本に来ないのは、まことに残念なことだ。

冒頭から鐘の音が鳴り響く。
これは世界制覇を目前にして突然の死を迎えた前ボーカル、ボン・スコットへ捧げられたものだ。
ミディアムテンポのリズムにコード・ワークを主体としたギター・リフ。
キーボードはもちろんオーバー・ダビングすらないのでは?と思わせるシンプルなサウンドだが、これが底知れぬ破壊力を生むのだった。
ドラムはただエイトビートを刻み、ベースはひたすらルート音を8部で弾きつづける。
リズムギターはひたすら同じリフを繰り返し、しかしこれだけシンプルなのに物凄いノリ。
これはもうAC/DCにしか出来ない芸当だ。

そして強固なリズム隊に支えられた土台の上をアンガスのギターが暴れまくりる。
ステージでは半ズボンにランドセルというスクール・ボーイ・スタイルで登場し、そのうち上半身裸になって気が狂ったように弾きまくる彼だが、このアルバムでもその断片を垣間見ることが出来る。
このあたりが前作までと違って、ライブ・パフォーマンスの美味しい部分が上手くスタジオで表現されているところだ。

凶暴でワイルドなキャラだった前任者と違い、まるで競馬場や酒場にいるような「オッサンキャラ」なブライアンだが、表現の幅が広がって少しだけメロディアスな部分もある。
それが顕著に現れているのが「You Shook Me All Night Long」と「Rock And Roll Ain't Noise Pollution 」あたりだろう。
ポップとは程遠い彼らだが、これらの曲には親しみ易さがありAC/DC嫌いな人でもこれだけは好き、という人もいるくらいだ。

次のアルバム「悪魔の招待状」で全米1位を記録し、名実ともにトップバンドになる彼らだが、その勢いは衰えることを知らず最強のライブバンドとして現在も活躍している。



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第25回名盤シリーズ
今回はキャロル・キング「つづれおり」。
(1971年作品)



1971年に発表されたシンガー・ソングライター、キャロル・キングの2枚目のソロアルバムである。
彼女が音楽界で活動を始めるのはけっこう古く、ビートルズのデビュー前からだ。
当初はプロのソングライターとしてシュレルズの「WILL YOU BE LOVE ME TOMOLLOW」など大ヒット曲を次々に書き上げる才能の持ち主。
とにかく作曲家としての実績は相当なもので1961年だけでも12曲ものヒット曲を書いている。

またキーボード・プレイヤーとしても数多くのセッションに参加し、B.B.キングのアルバムなどにも彼女のクレジットを見ることが出来るようだ。

そんな彼女が作ったソロアルバム、悪いわけがない。
どこを切っても素晴らしいメロディが詰まっており、まさに美メロの玉手箱だ。

現代の音楽を聴きなれた耳からすれば、シンプルでスカスカなサウンド。
それも生ピアノとアコギを中心としたアコースティックなバックに、少し枯れた味わいのキャロルのボーカル。
それでも繰り返し聴けば聴くほど味わいが増す、まさに「スルメ」なアルバムです。

ほとんどの曲がこのアルバムのために書き下ろされた新曲だが、過去に他のシンガーやコーラス・グループのために書いた曲のセルフカバーも収められている。
前述のシュレルズの曲などは、それよりもスローで大人びた味わいに仕上がっているのが面白い。

個人的には「IT'S TOO LATE」の別れを決意し、明日への希望を感じさせるメロディラインに古き良きオールディーズの匂いを感じる。
また「WAY OVER YONDER」の気だるい雰囲気の中で幸福への道を探す内容をしっとりと歌い上げる様に、ちょっと切ない人生とそれでも前向きに生きようとする心構えが見られる。

このアルバムを聴くととてもやさしい気持ちになれるような気がする。
「良質のポップス」
そんな言葉が似合う、決して派手ではない、しかしキラリと光る名曲の数々。
秋の夜長にじっくりと聴きたいアルバムだ。



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第24回名盤シリーズ
今回はポール・マッカートニー&ウイングスの「バンド・オン・ザ・ラン」。
(1973年作品)



ビートルズ解散後のポールは、どちらかというと控えめでポップスよりの音楽をやっていたが、同僚のジョンやジョージに比べ地味な印象は否めない。
もちろんビートルズ解散から年月の経っていない時期だし、出すアルバムは全て大ヒットしてるのだが。

このアルバム製作時、レコーディングの間際になってメンバーの脱退など(一説によるとポールの独裁的な態度が気に入らなかったらしい)でゴタゴタが続き、決して順風満帆なスタートではなかったようだ。
メンバーはポール・マッカートニー(vo、b、g、key)、リンダ・マッカートニー(key、vo)、デニーレイン(g、vo)で、ドラムもポールのようだ。
で、さらにストリングスやブラスをオーバーダブさせてサウンドに豪華な印象を与えている。

私が初めて聴いたビートルズ以降のポールはこのアルバムに収録されている「ジェット」だった。
重圧なブラスサウンドに女性コーラス、ディストーションギターなどビートルズよりもずっと現代的で気に入った。
それから20数年経ったが、今もビートルズ以降のポールでは「ジェット」がフェイバリットソングである。

アルバムは今もライブの重要なレパートリーである表題曲でスタートする。
3部構成になった曲だが、プログレのように長尺曲にはせず、ポールらしく短くまとめている。
後半のカントリー風の部分がとくにいいと思う。
途中でドラムパターンにタムを入れるアレンジもいい。
この曲と前述の「ジェット」がこのアルバムの代表曲ですが、他の曲も地味ながら傑曲揃いだ。

一流メロディーメーカーであるポールが今までになく気合を入れて作ったアルバムだから、捨て曲など存在するわけがない。
大人しい「ブルーバード」や「マムーニア」あたりは、ビートルズ時代の「アイ・ウィル」や「ブラックバード」などの「地味だけど名曲」に匹敵する地味名曲だ。

このアルバムではデニーレインのボーカルも聴くことが出来る。
つまり、ポールのアルバムではなく「ウイングス」というバンドのアルバムだというのを強調しているのかもしれない。
そのせいかそれまでのソロアルバムと比較してロック色が強くなっているような気がする。

このアルバムは発表と同時に英米で1位を記録し、その年のグラミー賞を受賞するという大ヒットアルバムになったのだった


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第23回ロック名盤シリーズ
今回はアメリカ一流スタジオミュージシャン集団トト「TOTO IV 聖なる剣」。
(1982年作品)



1982年度のグラミー賞7部門を独占した大ヒットアルバムだ。
当時のメンバーはジェフ・ポーカロ(ds)、スティーブ・ポーカロ(key、vo)、デヴィッド・ペイチ(key、vo)、デヴィッド・ハンゲイド(b)、スティーブ・ルカサー(g、vo)、ボビー・キンボール(vo)。
アルバム自体が売れたのは勿論ですが、ここからのシングル・ヒットも4曲生まれている。

彼らにとって4枚目となるこのアルバムは、前作のハード・ロック路線、前々作のプログレ路線とは違ったバラエティ豊かな作品に仕上がっている。
ハードでエキサイティングな演奏もあれば、しっとり聴かせるバラード、アフリカン・リズムを取り入れた曲など、さすがは一流スタジオミュージシャンが集まっただけあってどんな曲でもスムーズにこなす。
基本的にはアメリカン・プログレ・ハード的な雰囲気だが、楽曲の良さや多彩なボーカルなどTOTOにしか出来ないアルバムに仕上がっている。

特筆すべきはやはり1曲目「ロザーナ」だ。
ジェフ独特のはねるようなドラミングのあと、透明感のあるルカサーのボーカル、派手なブレイクのあとボビーのソウルフルでパワフルなボーカル。
まるでディズニーランドのパレードのような華やかなキーボードソロ、エンディングはジャズ風なピアノにルカサーのハードなギター…完璧だ。
一般的にはこの曲と最後の「アフリカ」が人気のようで、どちらも名曲だ。

それと、ルカサーが思いいれたっぷりに歌うバラード「アイ・ワント・ホールド・ユー・バック」も素晴らしい。
静かなピアノで始まり、序所に盛り上がる典型的なパワー・バラードだが、ギター・ソロは弾きまくりではなく必要最小限の音数での叙情的なプレイだ。
ルカサーいわく「いかなるバラードよりバラードらしい曲」だそうだ。

しかし私の一押しはLPではB面の1曲目だった「アフレイド・オブ・ラブ」からのメドレーだ。
とにかくイントロのギターリフがカッコイイ。
3曲連続のハード・ナンバー。
ライブを意識して作られたであろうこれらの曲は、当時の来日公演でもこの曲順で演奏されたそうだ。
私はこのときのライブをテレビで見、その後FMでもオンエアされたのを聴いたが、ライブならではの荒っぽさが逆にプラス要素として迫力あるハードロックナンバーになっていた。

この後、大規模な世界ツアーを行うTOTOだが、メンバーが一人抜け、また2人抜け、、、この黄金メンバーでのアルバムはこれが最後になってしまう。
古くからのファンの間ではこの作品でTOTOは終わったというが、当時のこの勢いは凄かったと記憶している。




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第22回ロック名盤シリーズ
今回はジョージ・ハリスンの実質的な1stアルバム「オール・シングス・マストパス」
(1970年作品)



ビートルズ解散後の1970年11月、実質的な第一弾ソロアルバムとして発表されたこのアルバムは、気合入りまくりの3枚組LPだった。
もちろん値段も高く、当時の物価と比べて相対的に高価な3枚組LPがアメリカでもイギリスでもチャートのトップに君臨し、それは7週間も続いたのだった。
現在でも3枚組レコードとしての記録は破られていないらしい。

プロデューサーはビートルズの「レット・イット・ビー」と同じフィル・スペクター。
個人的にフィル・スペクターのプロデュースはなんでもオーバー気味で好みではないのだが、このアルバムではうまく作用している気がする。

圧倒的なボリュームのアルバムだが、中身は穏やかなジョージ・サウンドで占められており、とてもやさしい曲ばかりだ。
ジョージはこのアルバムの前にシンセサイザーを使った実験音楽のアルバムを発表しているが、ここにはそういう実験的な曲はなく、ちょっと寂しげなボーカルで美しいメロディーを歌う作品に仕上がっている。
全19曲の大半はジョージの単独作品であり、外部ライターは2曲でボブ・ディランが参加してるだけだ。
ここまでの才能があるとは!
当時誰もがそう思ったそうだ。
よく言われるのは、ビートルズ時代はジョンとポールの影に隠れて才能を発揮できなかったと。
たしかにそうかも知れない。
でも、このアルバムには「見返してやる!」みたいな気迫はなく、「いいレコードを作ろう」とした結果、これだけの作品が出来てしまって、どれも削れないから全部発表してしまおう、という感じだと思う。

このアルバムの中でとくに素晴らしい名曲が「ISN'T IT A PITY」だ。
私はこの曲はジョン・レノンの「イマジン」と並ぶ名曲だと思う。
ジョージ自信も気に入ってるのか、2バージョン納めれていますが、どちらも素晴らしくどっちか一つには絞れなかったのがよくわかる。
この曲を聴くととてもやさしい気持ちになれるような気がするのだった。

最後に3枚目にはジャムセッションが納められていて、クラプトンやデレク&ドミノスのメンバーとの熱い演奏が繰り広げられている。
ここではギタリストとしてのジョージが生き生きと楽しそうに弾いてるのが感じられ、けっこうハードな演奏だが、殺気だった感じではなく楽しそうなのがいい。



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