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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
第32回名盤シリーズ
今回取り上げるのはクラッシュ「パールハーバー79」
(1979年作品)



普通、クラッシュといえば「白い暴動」や「ロンドン・コーリング」だと思うが、あえてこの日本企画盤を選んだ。
「ロンドン・コーリング」は人気のアルバムだが、パンク色は薄れ「アメリカ人でも聴くパンク」などと呼ばれるロックンロール色の濃いアルバムだった。
で、よりクラッシュらしい、よりパンクらしいのは「白い暴動」のほう。
しかし私はどうしても「クラッシュ・シティ・ロッカーズ」や「アイ・フォート・ザ・ロウ」の入ってるアルバムにしたかったので、このアルバムを選んだのだった。
この日本限定企画盤はアルバム「白い暴動」US盤全曲にシングル曲の「クラッシュ・シティ・ロッカーズ」「アイ・フォート・ザ・ロウ」など数曲を加えたものだ。
今の感覚でいえば、ボーナストラックが入ってるような感じだろう。

メンバーは、ジョー・ストラマー(vo、g)、ミック・ジョーンズ(vo、g)、ポール・シムノン(b)、テリー・チャイムス(ds)
サウンドは荒々しいロックンロール。
歌詞は反米を主体としていて、2曲目に「反米愛国」という曲が入っている。
当時のツアー名が、このアルバムタイトルになった「パール・ハーバー79」という反米感情むき出しで、アルバムジャケットはゼロ戦が爆弾を落としてるもの。
ここまでやるか?と思ってしまうほどだ。

アルバムは当時のライブのオープニングである「クラッシュ・シティ・ロッカーズ」から。
かっこいいロックンロールだ。
特にサビになって定型リズムになり、コーラスが入る部分のノリがよくっていい。
このアルバムはメンバー自信が選曲しているのだが、ライブの構成と同じになっているのが、他のアルバムと違うところだ。
当時来日のなかったクラッシュだが、日本のファンはこれを聴いてライブを想像したことだろう。

続く「反米愛国」はセックス・ピストルズっぽい曲。
この曲の出だしで「ヤンキー、ソールジャー~」と歌うところが微笑ましい。
またピストルズと違って親しみやすくメロディアスなところがいい。
そのメロディアスな面がよく表れているのが「コンプリート・コントロール」や「出世のチャンス」、「ポリスとコソ泥」あたり。
非常にポップでもある。

また積極的にレゲエのリズムなども取り入れる柔軟なところもクラッシュらしいところだ。
「ハマー・スミスの宮殿」でそれを聴くことが出来る。

このアルバムで最も有名なのはやはり「アイ・フォート・ザ・ロウ」だ。
少し前にもテレビCMでも使われていたので知ってる人も多いと思うが(クラッシュ・バージョンじゃなかったが)
メロディアスでポップでわかりやすいメロディ、クラッシュらしい曲である。

日本のモッズなどは思いっきり影響を受けているようだ。
この親しみ易さが多くの支持を受ける最大の理由であることは間違いない。



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第31回名盤シリーズ
ホワイト・スネイクが苦労して作り上げた作品「スライド・イット・イン」
(1983年作品)



10代半ば頃、ホワイトスネイクはベスト盤を聴いて、それまでの代表曲はだいたい聴いていた。
そして、次のニューアルバムの製作は難航しているとの情報がミュージック・ライフ誌に報じられていた。
いろいろな人間関係の問題などが山積みらしい。
その後発売されたこのアルバム、発売と同時に聴いたのだが、かなり気に入ったアルバムで、それが今回紹介する「スライド・イット・イン」だ。

このアルバムには、古き良きホワイトスネイクの味わいが残っている。
次の「サーペンス・アルバス」のようなキャッチーで売れ線な曲はなく、初期ホワイトスネイクが持っていたブルージーで泥臭い雰囲気が残ってるのだ。
ツインギターバンドでありながら、あくまでもデビッド・カバーデイルのボーカルを引き立てるためのもの。
同時期のLAメタルとはまるで違うサウンドで、ブリティッシュ・ロック臭さが漂う大人のハード・ロック。
ギターはミッキー・ムーディーとメル・ギャレーという渋いメンバーなのだが、私はホワイトスネイクにスーパーギタリストは必要ないと思う。
いや、ミッキーもメルも上手さに関しては折り紙付きなのだが。
派手なジョン・サイクスや後のヴィヴィアン・キャンベル、エイドリアン・ヴァンデンヴァーグ、スティーヴ・ヴァイなど、スター性のあるギタリストを迎えた作品は、成功を手にした代わりに失ったものも多いと思う。

1曲目の「ギャンブラー」、名作を予感させるかっこいいスタートだ。
渋カッコイイ曲で、控えめなギター・ソロもいい。
このアルバムでもう1曲一押しは、「孤独の影」。
地味だが、役割分担のはっきりしたツインギターに、これまたソウルフルなカバーデイルのボーカル。
ギターの音がハードロック然としていないのも、このアルバムらしくていい。
間奏のギターソロも必要最小限の音数で、80年代ギターテクニカル競争の時代に珍しいくらい味で勝負のプレイだ。
その後の渋すぎるボーカルも大人っぽくて好きだった。

その後、アメリカ向けにミックスされたバージョンが発売される。
ギターがジョン・サイクスに差し替えられ、このブリティッシュな雰囲気は封印されてしまうのだった。


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第30回名盤シリーズ
今回取り上げるのはギター革命児ジミヘンの「エレクトリック・レディ・ランド」である。
(1968年作品)



私はまだまだジミヘンを理解しているとは言いがたく、今も取っ付き難い人である。
ギタリストの間で、ジミヘンは大変評価が高く、神の域にまで達している感があるが、自分自身ギターを弾くにもかかわらず、理解が難しいのだ。

私が初めて買ったジミヘンは、彼の死後に発売された「クライ・オブ・ラブ」というアルバム。
何でこのアルバムかっていうと、行き着けのレコード屋さんにこれしかなかったからだ。
そして、物凄いギタープレイを期待して聴いたのだが、思いっきり肩透かしを食らった。
じっくり聴くと曲の質はいいのだが、自分には大人しすぎるアルバムだったからである。

でもこのアルバムは違う。
1968年に2枚組LPとして発表された本作は、しっかり素晴らしいギター・プレイが満載で聴き応えたっぷりだ。
曲も良く、彼のソングライターとしての力も発揮されている。
なかでも「Burning of the Midnight Lamp 」はメロディメーカーとしても、優れたものを持っていたことがよくわかる曲だと思う。
また「1983…」の予想のつかない展開はプログレ的で、中間部の混沌とした感じはまるでアイランド期のクリムゾンみたいだ。

渋いギターを楽しむならこの曲、「Voodoo Chile」だ。
それも有名なスライトリターンじゃなく、4曲目のスローブルースのほう。
ブルースマンとしてのジミの実力が発揮された曲だと思う。
ヘヴィなリズムをバックに決して音数が多いわけではないのに、激しくエモーショナルなギターを聴かせてくれる。
ここで聴けるギターは彼の魂そのもののような気がするのだ。
絶妙なチョーキングビブラートとトリルを絡ませたギターを聴いて「これがジミヘンのギターか!」と納得した。

攻撃的なギターを聴くなら「Voodoo Chile」のスライトリターンのほう。
暴力的ともいえる凄まじいソロが聴けるが、途中の副音をトレモロピッキングでかき鳴らすところはスゴイの一言だ。
残念ながらもっと聴きたいのにスタジオバージョンはすぐにフェイドアウトしてしまう。
その分ライブだと10分くらいソロを弾いてくれるのだが。

また、ソロだけでなくリフメイカーとしても個性的なジミヘン。
2曲目「Have You Ever Been 」で聴けるコードにトリルを絡ませるリフや、「Crosstown Traffic」でのコードと単音を組み合わせたリフなどジミヘンのリフ構成の特徴が現れている。
そしてもう一つの重要な特徴であるワウを効かせたリフ。
これは「Voodoo Chile」のスライトリターンのほうで聴くことが出来る。
ここで聴けるボーカルメロディとリフを同期させるパターンもジミヘン独自のものだ。

後に多くのギタリスト、いや全てのギタリストに大きな影響を与えたジミヘン。
短い活動期間中に思いっきり才能を凝縮させて早死するが、彼の残した遺産は永遠の輝きを放つことだろう。



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第29回ロック名盤シリーズ
今回取り上げるのはフリー「フリー・ライブ!」。
(1971年作品)



解散直前の1971年に発売されたフリー初のライブ・アルバムだ。
当初は8曲しか入ってなかったようだが、今発売されてるものは、ボーナストラックが入った15曲入り。
ジャケットは上部にメンバーの切手を貼ったみたいなお洒落なデザインだが、人相は極悪だ。

同時期のZEPと同じブリティッシュ・ブルース・ロックの匂い。
これが最初に聴いたときの第一印象である。
ロック・バンドとして必要最小限のユニットであるトリオ演奏。
当然ライブでもサポート・メンバーなしで、3人+ボーカルだけで演奏を行う。
すぐに多くのサポート・メンバーを加えてレコードと出来るだけ同じ音を出そうとするバンドもあるが、ロックバンドたるものメンバーだけで演奏するのが当然だ。
人数が多ければ何でも出来る。
それをバンド・メンバーだけで工夫してライブ・パフォーマンスを行ってこそロック・バンドなのだ。

隙間だらけのサウンド。
しかし薄っぺらさはない。
演奏の強弱をピッキングの強さやドラムを叩く強さで調整し、ここぞというところでバーンと力いっぱい演奏することで爆発力を表現しているからだ。
決してテクニカル集団ではないが、4人が精一杯の力を出し切って演奏しているので気迫が感じられる。

このブルースを基調としたサウンドに花を添えているのが、ポール・コゾフのギターだ。
振れスピードの細かい、ビブラートを中心としたフレーズ展開で、速弾きはほとんどない。
スケールは主にペンタトニックを使ったオーソドックスなもので、味わい深いプレイがファンの多さを納得させる。
7曲目「The Hunter」での迫力ある長いソロプレイ、9曲目「Woman」での殺気立ったプレイなど聴き所は満載だ。

このバンドのブルースを最も楽しめるのは11曲目「Moonshine」だろう。
20歳そこそこの若者が演奏してるとは思えない、人生の酸いも甘いも知り尽くしたかのような熟したプレイ。
ここでのコゾフは、哀愁溢れる魂の叫びのようなギターソロを奏で、ベースも力づくでプレイしているのがよくわかる。
3曲目の「Be My Friend」もとても味わい深いプレイで、ロジャースのソウルフルなボーカルが楽しめる。

バンド・アンサンブルが素晴らしいのは「Mr.Big」だ。
このアルバムには2テイク入っているが、どちらも甲乙付けがたい魅力がある。
曲の後半のベースソロはとてつもなくカッコいい。
こうしたトリオ演奏の理想の一つといえるだろう。


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第28回名盤シリーズ
今回取り上げるのはヘヴィ・メタルの神ジューダス・プリースト「復讐の叫び」
(1982年作品)



1982年に発表されたこのアルバムは「ヘヴィ・メタルの教科書」とも言われる作品で、後の多くのヘヴィ・メタル・バンドに大きな影響を与えた。
表題の「復讐」(原題はScreaming For Vengeance)とは何に対してなのだろう?
前作「ポイント・オブ・エントリー」の評価がそれほどでもなく「問題作」とされたのに対しての「復讐」だとも言われている。
ただ、アメリカ市場での評価は悪くはなかったようだが。

メンバーはロブ・ハルフォード(vo)、グレンティプトン(g)、K・K・ダウニング(g)、イアン・ヒル(b)、デイブ・ホーランド(ds)。
これが黄金期のメンバーである。
このメンバーによって繰り出される重くメタリックなサウンドは、まさに「ジューダス・プリーストここにあり!」と言わんばかりで、とても堂々としたものだった。

アルバムの冒頭を飾るのは、その後のヘヴィ・メタル界の金字塔ともなった「ヘリオン~エレクトリック・アイ」だ。
今聴いても充分インパクトのあるサウンド。
そして間髪いれずに始まるリフ、まさにヘヴィメタの様式美である。
アルバムのオープニングは、一つの形式として完成させており、後の多くのバンドに影響を与えた。
またライブのオープニングとしてもピッタリで、昨年の来日公演でもオープニングがこれだった。

ほとんどの曲が彼らのオリジナルだが、唯一のカバー曲が「チェインズ」。
彼らのカバー曲はどれもセンスがよく、いつもいい曲を選んでいると思う。

このアルバム中最もハードでスラッシュな曲が表題曲「復讐の叫び」だ。
ここで聴けるロブの鬼のようなシャウト、スピード感溢れるリフ、速いテンポ、どれもが最高で10代の頃はこの曲ばかり繰り返し聴いたものだ。
この曲のツインリードギターがまた素晴らしい。
K・Kのギターソロ、そしてグレンのギターソロ、そしてハーモニー…ここでのハーモニーはすごく複雑に絡んでいて単に低音、高音に分かれてるわけではない。
その2本のギターが奏でるハーモニーはクラシカルに絡み合いながらヘヴィメタの王道を突き進むのだった。

このアルバムは出来るかぎりの大音量で聴きたい。
家の窓を閉め切って許される範囲での最大ボリューム、車なら安全を確保して目一杯ボリュームを上げて聴くべきだ。
そうするとこのアルバムが、なぜヘヴィ・メタルの教科書なのかが自然と理解出来るものと思われる。



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