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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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第21回名盤シリーズ
今回はパンク・ムーブメントの立役者セックス・ピストルズ「勝手にしやがれ」
(1977年作品)



76年にロンドンで、反社会的なバンドということで結成されたピストルズ。
当時のメンバーはジョン・ライドン(vo)、スティーブ・ジョーンズ(g)、ポール・クック(ds)、グレン・マトロック(b)。
アルバム発表後にベースが「伝説の男」シド・ビシャスに交代する。
シド・ビシャスについては、ミュージシャンというよりパンクな生き方が一部の若者に人気を呼び、暴力、ドラッグ、反社会的行動を繰り返したあげく、恋人を殺害して自分自身21歳の若さで亡くなった。

発売当時は相当な衝撃があったとされるこのアルバムだが、現在の耳でこのアルバムに接すると普通のロック・アルバムに聴こえる。
当時はハード・ロックやプログレが高度な音楽理論やテクニックを要する音楽になっていまい、若者がとっつきにくくなっていた。
そんな中、「俺達でもやれるロック」ということで注目を集めたのがパンク・ロックだ。

元々、反社会的なものだったロックシーンが高度に成長しすぎた反動というのは確かにあっただろう。
またビジネスとして大きくなりすぎていたのも原因だと思われる。
あと、当時のイギリスの社会的な情勢、このあたりは私は詳しくないのだが、それも関係しているのだろう。

軍隊の行進のようなSEのあと「ジャガジャーーン!!!」とディストーションギター鳴り響く。
これはなかなかカッコイイ。
ジョン・ライドンの吐き捨てるような語尾を強調したような歌い方、おそらくイギリスでは下品な歌い方なのだろう。
人を喰ったバカにしたような歌い方。
で、バックのサウンドはディストーン・ションギターを中心としたシンプルなロックンロール。
当初、パンクと普通のロックとハード・ロックの違いがイマイチ解り難かったが、歌詞やファッション、行動も含めてのパンクなのだ。。

だからパンクだとかロックだとか関係なく聴くと、なかなか楽しいロック・アルバムだというのがわかる。
このアルバムの代表曲は「アナーキー・イン・ザ・UK」と「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」だと思うが、個人的にはふざけた歌い方がかっこいい「セブンティーン」、ノリのいい「わかってたまるか」とか好きだ。
あとイントロが印象的な「プリティ・ヴェイカント」、契約破棄をされたEMIを皮肉った「EMI」もいい。

ピストルズのこのアルバムに関しては、実は演奏はスタジオミュージシャンだとか、数々の伝説はヤラセだとか言われてますが、そういうことは気にせず、またパンクがどうとかは考えずに聴いたほうがいいだろう。



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第20回名盤シリーズ
今回取り上げるのはヴァンヘイレンのデビュー作「炎の導火線」。
(1978年作品)



ジーン・シモンズによって発掘されたこのバンドは、エディ・ヴァン・ヘイレン(g)、アレックス・ヴァン・ヘイレン(ds)のヴァン・ヘイレン兄弟を中心としたアメリカを代表するハード・ロック・バンドの一つだ。
他のメンバーはデイヴ・リー・ロス(vo)、マイケル・アンソニー(b)。

このアルバムは、たしかな演奏力によるバラエティ豊かな楽曲群が11曲収められ、78年当時すでに80年代を予感させる内容だった。
トリオ演奏バンドに拘らず、ほとんど一発録音のような、シンプルな楽器アレンジ。
ギター・ソロのバックにギターはなっておらず、そのままライヴで再現できるような録音だ。
デビュー前に充分なライブ経験が積み重ねられ、LAではすでに有名バンドでだったそうだ。

2曲目に収められている衝撃のギター・インスト曲「暗闇の爆撃」。
今でこそ珍しくもなんでもないタッピングだが、当時初めてこれを聴いたギタリストはスゴイ衝撃だったそうだ。
ヴァン・ヘイレン以前にも右手でフレットをタッピングするギタリストは存在するのだが、これほどタッピングを全面に押し出したプレイは音楽史上初めてのことである。
その後、ネコも杓子もタッピングをするようになり、私くらいの年齢の人は「ライトハンド奏法」といったものだ。
ほとんどギター単独でのカデンツァ的な曲だが、とてもよく構成されていて、とくにタッピング部分はクラシカルですらある。

3曲目の「ユー・リアリー・ガット・ミー」、言わずと知れたキンクスの曲だが、見事なハードロックとして甦っている。
後に「プリティ・ウーマン」などもカバーする彼らですが、この当たりのセンスはスゴイと思う。
誰がメロウなオールディーズの「プリティ・ウーマン」をハード・ロック・バンドがカバーすると考えるだろうか?

どうしてもギターに耳が行き勝ちですが、もう一人この頃のヴァン・ヘイレンの重要な人物がボーカルのデイヴ・リー・ロスだ。
とくに4曲目「叶わぬ賭け」には彼のボーカルの魅力が詰まっている。
半ば以降の曲が大人しくなる部分のボーカルは本当にかっこいい。
聴けば聴くほど味わい深い名曲だと思います。

そんなボーカルとギターの魅力がもっとも発揮されてるのが、当アルバム中最もハードな「アトミック・パンク」じゃないだろうか?
他、5曲目「アイム・ザ・ワン」10曲目「アイスクリーム・マン」あたりを聴くと、このバンドのルーツが見える気がして懐の広さが感じられる。

全体的に非常に硬質で重量感もあるのですが、ブリティッシュロックと違ってウェットな感じがない。
ハードだけどカラッとアメリカン。
このアルバムの出現によってアメリカンハードロックの歴史は大きく変わっただけでなく、ロックギターの常識をも打ち破った作品と言える。



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第19回名盤シリーズ
初期ドゥービー・ブラザーズを代表する1枚「ザ・キャプテン・アンド・ミー」
(1973年作品)



ドゥービー・ブラザーズは大きく分けてトム・ジョンストンが中心となった、アコースティックで豪快な演奏を得意とする時期と、マイケル・マクドナルドが中心となった都会的でソウルフルな時期に分かれる。
今回取り上げるアルバムはトムジョンストン期で、73年発表の3作目だ。
私個人としてはマクドナルド期の方が好きなのだが、ドゥービーといえばトム期だと思うので、こちらを取り上げることにした。

私がこのアルバムを聴いたのは高校生の頃。
当時はよくギター仲間の家に入り浸っていたのだが、ある日レコードラックの中にこのアルバムを発見し、取り上げるようにして借りて帰ったのが最初だったと思う。
イーグルスみたいなサウンドかと思って聴いてみると、イーグルスよりずっと男臭く、土臭いサウンドだった。
しかしアコギでここまでカッコよく演奏出来るなんて、と衝撃を受けたものだ。

メンバーはトム・ジョンストン(vo、g)、パット・シモンズ(vo、g)、ジョン・ハートマン(ds)、マイケル・ホサック(ds)、タイラン・ポーター(b)というツインドラム構成だ。
1曲目「Natural Thing」から軽快なコードカッティングが聴けるが、なんといっても素晴らしいのは2曲目「Long Train Runnin'」と3曲目「China Grove」だろう。
とくに「Long Train Runnin'」のイントロのカッティングは当時なんども練習したものだが、あの切れ味まではコピー出来なかった。
この2曲と前のアルバムに入っていた「Listen to The Music」は、テレビCMでも登場しているので、ドゥービーを知らない人でもご存知の方が多いだろう。
グルーブ感あふれるノリ、ファンキーとはまた違うサザンロック的なノリだが、全編に流れるコードカッティングにトムのリズム感あるボーカルがカッコイイ。

パット・シモンズの名曲「South City Midnight Lady」も欠かせない曲だ。
とても大人しいフォーク的な曲だが、メロディが素晴らしい。
パットの大人しいボーカルが曲によくマッチしていて、ここでもアコギのコードワークが印象的だ。
スティールギターの響きがカントリーテイストを感じさせ、パットがカントリー/ブルーグラス出身であることを示している。

代表曲と言われるのはこのあたりだが、私が個人的に好きなのがカントリー・ブルースの「Dark Eyed Cajun Woman」だ。
哀愁漂うコード進行にトムの吐き捨てるようなボーカル、心地よいコードカッティングもいいのだが、常にバックで流れる流麗なギター、これが最高なのだ。
そしてニック・デカーロによるストリングスアレンジが絶妙で、ブルージーで哀愁たっぷり、このアルバムでは目立たない曲だが、一度じっくり聴いてみてほしいと思う。

あと、これこそ目立たない曲なのだが、アコギのインスト小曲「Busted Down Around O'Connelly Corners 」も好きな曲だ。
当時私はこういうギターが弾きたいと思ったのだった。



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第18回名盤シリーズ
今回は現在も第一線で活躍するエアロスミスの「ロックス」だ。
(1976年作品)



76年発表のエアロ4枚目のアルバムだ。
メンバーはスティーブン・タイラー(vo)、ジョー・ペリー(g)、ブラッド・ウィットフォード(g)、トム・ハミルトン(b)、ジョーイ・クレイマー(ds)の5人。

このアルバムは発売と同時にプラチナ認定の大ヒットを記録し、彼らの絶頂期を迎えるのだった。
ハードロックというより、ロック全般のカッコよさが詰まっているこのアルバムは、若さあふれる彼らの勢いがギッシリ詰まっている。
ジャケには丸い物体が5つ並んでいるが、これは自分達を表しているそうだ。
曲自体は典型的なアメリカンハードだが、サウンドはブリティッシュよりで同時代のキッスよりも重みのあるサウンドに感じる。

いきなり元気のいいハードなナンバー「Back in the Saddle 」からスタート。
スティーブンタイラーの振り絞るようなボーカルが印象的で、私は最初の頃てっきり「ロックス」という曲名かと思った。

2曲目「Last Child 」、7曲目「Get the Lead Out 」、8曲目「Lick and a Promise 」は明るいロックナンバーでちょっとおどけた感じもある。
とくに「Last Child 」は一度聴いたら忘れられない独特のリフを中心の上に、キャッチーなボーカルが上にのっていて親しみやすく仕上がっている。
こういう曲をサラリとアルバムに入れるセンスは、アメリカンならではだろう。
3曲目の「Rats in the Cellar 」はスピードナンバーだが、これも明るく、ねずみが走り回るような忙しさの中にもユーモアがあり、間奏でのブルースハープも雰囲気を盛り上げている。

4曲目「Combination」、5曲目「Sick as a Dog 」はコーラスラインが印象的なキャッチーな曲。
なかでも「Sick as a Dog 」のファルセットのコーラスは特徴的だ。
この曲のギターソロが不思議なハモリで「キレイ」ではないが、絶妙な味がある。
また、なぜか「Sick as a Dog 」ではトムがギター、ジョーがベースを弾いているようだ。

6曲目「Nobody's Fault 」はヘヴィなリフでハードに曲が進んでいくのだが、一転して哀愁あるコーラスがとても印象的だ。
この曲のギターソロもメロディアスで、とくに後半のソロがいい。

そしてこのアルバムの印象を決定的にしているのが最後のバラード「Home Tonight 」だろう。
振り絞るようなボーカル、哀愁を感じさせるバックボーカル、まさに「男のバラード」だ。
アメリカ映画のラストシーンにも合いそうな曲だ。
ここでのギターソロ、けっして上手くはないが、感情をぶつけるようなフレーズで、ロックなカッコよさがある。
速弾きをしまくるよりずっとカッコよく、「ムダな音がないのはカッコイイことだ」と感じるほどだ。

アルバムを通して36分に満たない短いアルバムだが、その36分はとても濃厚なのだった。



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第17回名盤シリーズ
今回はクラシック作品のロック化「展覧会の絵」。
(1971年作品)



エマーソン・レイク&パーマー(略してELP)の作品で1stから「恐怖の頭脳改革」までのアルバムはどれも名作で聴き応え満点なのだが、クラシックからの大々的な引用など話題性が高かった本作品を紹介しよう。

知っての通り、この曲の原曲はムゾルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」であり、それのロック・バージョンである。
このELPバージョンは管弦楽用にラヴェルが編曲したバージョンを手本にしている。
ただし、そっくりそのままコピーするのではなく、組曲の中からの抜粋であり、またオリジナル曲を編入したり、新たに歌詞を加えたりしている。

私はまず、この曲を題材に選んだセンスがすごいと思う。
バッハでもモーツァルトでもなく、かと言って誰も知らない曲でもない。
知ってる人は多いが、有名すぎない微妙なところで選んだのだろう。

このアルバムはライブ録音で、当初はライブ専用曲でレコーディングの予定は無かったと言われている。
レコーディングを行って発売されるまでの経緯に、グレッグ・レイクとキース・エマーソンの対立があったと言われているが、レイクは発売を熱望しエマーソンは拒否、しかしこれが大ヒットとなりレイクの思惑通りに事が進んだようだ。

パイプ・オルガンの音色でプロムナード、あの有名なメロディが奏でられる。
この組曲では3回プロムナードが登場するが、2回目はレイクの独唱、3回目はバンド演奏だ。

2回目のプロムナードのあとにはレイクのフォーク・ソング「THE SAGE」。
それほど違和感なく溶け込んでいるが、クラシックの原曲に歌を入れるのはいろいろと困難があるのが想像できる。
次の「THE OLD CASTLE」の前半部分にキースによるムーグシンセサイザーのデモ演奏のようなパートがあるのだが、さすがにこれは時代を感じてしまう部分かもしれない。
しかし当時としてはシンセサイザー自体が珍しい状況だったので、こういうのも「あり」だったのだろう。

中盤のバンド演奏によるプロムナードから先は、どんどんエキサイトした演奏が繰り広げられていく。
「バーバヤーガの小屋」はほぼ原曲のまま、しかし非常ハードに演奏され、次のオリジナル曲「バーバヤーガの呪い」につながっていく。
レイクのワウを使ったベースがクリムゾン出身であることを感じさせるが、この演奏は完全にハード・ロックだ。
中でもパーマーの手数の多いドラムがカッコイイ。
再び「バーバヤーガの小屋」のフレーズが繰り返され、ラストの威風堂々とした「キエフの大門」へ。
原曲にオリジナルの歌詞をつけたこの曲のラストは、キースによるオルガンとの格闘シーンへ。
オルガンを蹴飛ばし、ひっくり返し、ナイフを突き立てる…。
ジミヘンのオルガンバージョンのようなパフォーマンスを繰り広げ、客を沸かせて終了。

私はELPよりも、カラヤン指揮ベルリン・フィル・ハーモニー楽団のラベル編曲「展覧会の絵」を先に聴いた。
このライブ演奏、確かに現代の耳で聴くと、時代を感じさせる部分はなくはないが、70年代初頭としては相当新鮮な音楽だっただろう。

最後にもう1曲「NUTROCKER(くるみ割り人形)」のELPバージョンも入っている。
私の持っているCDだと「展覧会の絵」の93年リメイクバージョンも入っていて、なかなか円熟味のある演奏が聴けてけっこう好きなのだが、全盛期を知る人からすると評判悪いようだ。



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