3大ギタリストの中で、ジェフ・ベックという人は微妙な立場にいると思います。
世界的な地位と栄光を手にしたクラプトン、ペイジと比べて、とても地味な活動をしているように見えるでしょう。
しかし昨日の来日公演をみて、そのアグレッシブなライブ・パフォーマンスに改めてその凄さを思い知った気がします。
今回は、一緒に行く予定だったキリンさんが体調不良により行けなくなって、そのチケットはKOSSさんが譲りうけることになりました。
大のベック・ファンであるキリンさんの分まで楽しまなくては!という意気込みの中、愛知芸術劇場大ホールへ。
この手のロックが好きな人は、ギターなどの楽器を趣味にしてる人も多いと思いますが、ベックのライブに来てる人のギタリスト比率って、たぶん他のアーティストと比べても凄く高いような気がします。
シンプルな4人編成で、初期J.B.Gの名曲「ベックス・ボレロ」でライブがスタート。
10年前、いや20年前、もしかすると30年前ともそんなにルックスが変わってないみたいに見えるベック、自然の法則を無視したかのように若々しいです。
若々しいのは見た目だけでなく、その切れ味するどいギタープレイも衰えが全く見えません。
やがて印象的なボリューム奏法とともに、あのスティービー・ワンダー作曲「悲しみの恋人たち」が始まりました。
今回のバックバンドで注目なのが、美女ベーシスト、タル・ウィルケンフェルドです。
その幼さの残る可憐なルックスから想像できないほど、テクニカルなベース・ソロを聴かせてくれました。
またドラマー、ヴィニー・カリウタもスゴイ。
70年代の名曲「レッド・ブーツ」の前にドラム・ソロがあったのですが、息を呑む凄さ。
メチャメチャ手数が多く、迫力ある演奏で、ベック・ミュージック本来のカッコよさが余すところ無く発揮された気がします。
ほぼ満員の観客を前に、メンバーは終始ゴキゲンの様子で、時にはおどけたポーズを取りながら楽しくライブは進みます。
ビートルズのカバー曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」で一旦終了。
会場はスタンディング・オベーションで感激を表現します。
それから立ったままアンコールに突入し、4曲演奏してくれて満足出来るライブとなりました。
まさに「大人のロック」、ジャズでもフュージョンでもない、「ベック流ロック」がそこにあったと思います。
その後、KOSSさんと台湾ラーメンを食べに行き、いろいろお喋りをしました。
ライブ、ロック、ギターの話をしてると時間はすぐに過ぎます。
2月にしては暖かい名古屋の夜、話はつきないのでした。
(セットリスト)
1. Beck's Bolero
2. The Pump
3. Eternity's Breath
4. You Never Know
5. Cause We've Ended as Lovers
6. Behind the Veil
7. Blast from the East
8. Stratus
9. Angel
10. Led Boots
11. Nadia
12. Space Boogie
13. Goodbye Pork Pie Hat / Brush with the Blues
14. Blue Wind
15. A Day in the Life
- - - - encore - - - - -
16. Where Were You
17. Big Block
18. Scottish One
19. Peter Gunn Theme
第83回名盤シリーズ
このシリーズとしてはもっとも最近のアルバム、レディオヘッドの問題作「キッドA」
(2000年作品)
21世紀に入って10数年ぶりに洋楽を真剣に聴くようになった頃は、70年代~80年代のハードロックやプログレばかり聴いていた。
当時は「ビートレグ」なるブート雑誌なんかも読んでおり、そこでよく特集されてたのがレディオヘッドだった。
最近のロックも聴いてみようと、話題のレディオヘッドの当時の最新作「キッドA」を聴くことにしたのだが・・・。
はっきりいって衝撃だった。
キング・クリムゾンの「ザ・コンストラクション・オブ・ライト」(2000年発表)の先進的なサウンドに衝撃を受けたあとだったが、クリムゾンとは全く異なるアプローチでの21世紀サウンド。
今のロックというのは、知らない間にこんなに進んでいたのか、と驚いたものだった。
後に、本当に先進的なサウンドを出してるのは一部のアーティストだけだと気づくのだが、10数年のブランクに浦島太郎状態になったのだ。
現在、70年代回帰、80年代回帰なアーティストが多いなか、この9年前に発表されたアルバムは今でも充分新しいと感じる。
このアルバムが出た当時トム・ヨークは言う。
「ロックなんて退屈だ。ゴミ音楽じゃないか!」
私は安易にこういうことを言う人はどうかと思うし、ゴミレベルの音楽なんてないと思う。
しかしこれくらいの意気込みがなければ、こういうアルバムは作れなかったのかもしれない。
私はこのアルバムでは3曲目「ナショナル・アンセム」と4曲目「ハウ・トゥ・ディサピア・コンプリートリー」がとくに良いと感じる。
カオス的ムードと幻想的ムード、しかしその奥には「過去の音楽」によって完成された普遍的な良さが見え隠れする。
そこには、トムヨークは否定するかもしれませんが、ロック的カッコよさ、フォーク的な優しさがあるのだった。
昨年発表された新作「イン・レインボウズ」も良く出来たアルバムだ。
しかし2000年発表の「キッドA」と比較して9年の時を感じなかった。
これは「イン・レインボウズ」が遅れてるのではなく、「キッドA」が進みすぎていたんだろう。
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三谷幸喜監督による昨年の映画で、売れない俳優がギャングの抗争に巻き込まれていくコメディです。
前作の「THE 有頂天ホテル」よりも設定がシンプルでわかりやすく、誰もが見て楽しめる映画になっています。
ここでは、売れない俳優役の佐藤浩市氏の演技が光ります。
これは映画だと騙されて、本物のギャングのボスと接するバカ俳優の役ですが、そのマヌケぶりが見事です。
ウソがウソを呼び、だんだん取り返しのつかない事態に発展していく様は、三谷監督の得意とする設定であり、それがふとドンデン返しのように上手く収拾してハッピーエンドに持っていってるのはさすがです。
この映画のもう一つの見所は、異国情緒あふれる街のセットです。
それこそ昔のギャング映画みたいな町並みで、走ってる車も古いシトロエンやワーゲン、ファッションセンスもそれっぽいものでした。
「しゃぼん玉」
たまたま本屋で手にして、乃南アサ作品を読むようになったきっかけです。
ろくでなし人生を歩んでいた青年が、逃避行のすえにたどり着いたド田舎で老人達と暮らし、心を入れ変えるという物語。
人と人の繋がり、思いやり、お金で買えない幸せなど、いろいろ考えさせられました。
今の大不況の時代、心の栄養が欲しい人は是非!
「不発弾」
今年の課題でもある短編集です。
私はあまり短編集は読まないのですが、行き着けの本屋に乃南アサ著書がこれしかなかったので。
やはりこの人は文章が上手いと思います。
はっきり言ってどれもストーリーは大したことありません。
でもこれだけ引き込ませるのは凄いことだと思います。
これでもっとストーリーが良ければ…。
やはり長編を読みたいです。
「鎖」
女刑事音道貴子のシリーズが人気とのことなので、たまたま手にしたのが本書でした。
事件を追っているうちに自分が事件に巻き込まれてしまい、人質になってしまう。
追い詰められた人間の心理状態が、とても鮮明に描かれており、まるで作者は人質の経験があるのでは?って思ってしまうほどです。
読みやすくどんどんストーリーにはまっていく作品でした。
「凍える牙」
なかなか面白かったと思います。
主人公はシリーズ化されている音道さん。
でも個人的に音道さんみたいな人は苦手です。
主人公に感情移入出来ないと、いくらストーリーや文章が優れていてもあまり好評価にならないかも。
時限発火装置や狼犬を使った犯罪、男社会の中の女性の立場など、視点はいいと思います。
「涙」
これは、はまりました。
気がつくと上巻が終わり、下巻を読み始めたらラストシーンになってしまいました。
簡単に言えば、結婚式前に婚約者が謎を残して失踪、それを追う女、という話です。
ミステリーらしく殺人事件あり、刑事あり、謎あり、なんですが、それ以上に恋愛小説です。
主人公達2人の愛だけでなく、いろいろな愛が絡み、それが人を助け、あるいは人を傷つけるのすが、そこは乃南さんの文章力によりとても深い、読み応えのある作品に仕上がってるのでした。
今年の初滑りということで(というより最近は1回か2回しか行ってないのですが)、初めは足慣らしでゆっくり初級コースを、感覚を取り戻してからは、ガンガン滑りました。
なんといっても平日、ゲレンデはガラガラでリフト待ちなし、しかも天気もいいし、とても快適に楽しめました。
今日から寒気が来るようですが、昨日まではまだ暖かく、滑っていたら汗ばむほど。
リフト待ちなしのゲレンデガラガラ…つまり滑ってる時間が休日に行くときよりもはるかに長いので、昼過ぎにはクタクタになりました。
気温が低くなかったのと天気の良さで昼から雪質が重くなってしまったこともあり、14時くらいに引き上げました。
今日は足がパンパンにはってまとも歩けないほど(とくに階段)。
でもまた行きたいと思うのでした。
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