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毎日、UFOクリサリスイヤーズ1980-86を聴いている。
先週は、5枚のうち、メカニックス以降の3枚がとくに良いと書いたが、その前の「ワイルド・ウィリング・アンド・イノセント」もかなりのものだと気がついた。
たぶん、「ヘヴィ・メタル・エクスペリエンス」もそうだろう。
さて、今日は、なぜこうも良いアルバムを連発しているのに失速していったのか?を考えてみたい。
70年代が人気のピークだと言われているが、80年代後半には墜落寸前にまで失速してしまう。
こうなった要因を次の二つのポイントから検証してみよう。
・マイケル・シェンカーの脱退
・ポール・チャップマン、アトミック・トミー・Mの力量
まずは、マイケル・シェンカーの脱退から。
実は、これはあまり影響がなかったのではないか、と思っている。
少なくとも、英米ではそうだ。
マイケルが失踪、脱退せず、90年代までバンドに在籍したとしても、人気は落ちていき、同じ状態になっただろう。
アメリカでは、77年の「新たなる殺意」をピークに、78年の「宇宙征服」ではすでにランクが下がってきているのだ。
これは、MSGがアメリカで成功を得られなかったように、マイケルが継続していても、同じ結果になったと思われる。
逆に英国では、マイケル脱退後のほうが売れていて、シングル・ヒットを飛ばし、アルバムはチャート10位以内に入り、レディング・フェスティバルではトリを努めた。
ただし、日本では違う。
マイケル脱退が大きく影響した。
英米でのUFO人気は、バンド全体としての人気だったのに対し、日本ではカリスマ・ギタリストの存在によって支えられていたからだ。
カリスマが抜けたバンドは、抜け殻みたいなもので、聴く価値はない。
そう考える人にとって、マイケルのいないUFOは、いくら優れたアルバムであっても、門前払いされてしまうのだった。
もし、マイケルがUFOを続けていたら、MSG人気がそのままUFO人気として継続されただろう。
武道館でライブを行い、スーパーロック84ではトリを努めたに違いない。
ただし、それでも80年代後半には、人気は低迷してきたと思われる。
次にポール・チャップマン、アトミック・トミー・Mの力量という観点から。
ポール・チャップマンは、74年一時的にUFOに加入したが、すぐに脱退、しばらくはマイケルの影武者として、バンドを裏から支えることになる。
やがて、マイケルが正式に脱退したあと、フィル・モグが彼に加入を求めたのは当然の成り行きだった。
過小評価されているチャップマンだが、ギターテクはマイケルと同等かそれ以上であり、作曲センスも素晴らしい。
しかしこの頃、すでにエディ・ヴァン・ヘイレンがデビューし、オジー・オズボーンはランディ・ローズ、シン・リジィはジョン・サイクスを迎えるなど、新世代ギタリストたちが戦線に投入されていた。
彼らに対抗するには、チャップマンはあまりに地味だった。
マイケルというギターヒーローの後任として入れるなら、次世代を見据えた人事でなければならない。
70年代型ギタリストとしては一級の腕を持ってはいたものの、それではマイケルの代役でしかないだろう。
時代が求めていたのは、80年代型ギタリストだ。
それはリフ作り、サウンド作りにおいてもそうで、それが楽曲全体に影響を及ぼし、同時期の人気ハードロックアルバムと比較すると、古さを感じるのだった。
その後、チャップマンは、ピート・ウェイとウェイステッドを結成、モグは新たなギタリストを探し始める。
このときの人選は、なかなか先見の明があると思う。
まず彼が目をつけたのは、あのイングヴェイ・マルムスティーンだった。
対談はしたらしいが、結局UFO入りはせず、グラハム・ボネットとアルカトラスを結成するに至る。
そして代わりに加入したのが、日系人ギタリストのアトミック・トミー・Mだ。
当時、ミュージックライフ誌では、かなり期待され、新たなギターヒーローとして人気が沸騰するかと思われた。
しかしテクニカルギター戦争は苛烈を極め、もはやアトミックの腕をもってしても、多くの新世代ギタリストの中では埋もれてしまい、結局セールス的には失敗する。
逃した魚は大きいというが、イングヴェイを収得出来なかったのは相当な痛手だ。
加入したところで、アルバム一枚で脱退したとは思うが・・・。
この二つのポイントを整理すると、マイケルの脱退により日本市場を失い、70年代型ギタリストの垢抜けないリフ、サウンドにより、アメリカ市場をも失う。
起死回生を願って派手なギタリストを投入するも、時すでに遅し、といったところか。
さらに、もう一つ付け加えるとすれば、楽曲のポップ化という方向性に問題はなかったのだろうか、ということ。
70年代後半あたりから、英国のハード・ロック・バンドはアメリカを目指してポップ化する。
しかし、皮肉にも80年代に勝ち残ったバンドは、いずれもポップ化どころか、ヘヴィ化、メタル化したバンドがほとんどだ。
では、UFOもそうしたほうが良かったのだろうか?
私が思うに、UFOのヘビメタ化は似合わない、と思う。
どちらかというと、もっとAOR的な路線に踏み込んでみても良かったかもしれない。
そうすれば、モグ、チャップマン、ニール・カーターの長所がより発揮されるような気がする。
ピートには似合わないだろうけど。
2012年現在、70年代も80年代も古臭い音楽であることに代わりはない。
だからこそ、今この時期のUFOを聴くと、素直にそのクオリティの高さがよくわかる。
これを機会に、再評価されることを望みたい。
でっさらにその後は、UFOはは『 1St~新たなる殺意 』を聞き込む・・・つまり遡ったワケです。UFOの新作を発売直後に聞いたのは、マイケル再参加の『 ウォーク・オン・ウォーター 』まで間が開くんです。
なんでかと思い起こしても、興味の対象がマイケルのギターなんでしょうね・・・きっとw BBCライブもありますが、どれがポール・チャップマンのギターなのかさっぱりわかりませんでした。 そんなこんなで、自分はマイケル不在時のUFOも大好きな筋金入りの大ファンではない事がよく分かりました ( ̄ー ̄) だって1枚も持っていない。
その代わり、マイケル参加作品はほとんど2枚づつあります。 実は先月始めて、アトミック参加のライブ映像を、youtubeで見つけて見たのですが、あんまり琴線には触れませんでした・・・。
UFO初体験は「宇宙征服」でしたか、それも修学旅行で!
私は「メイキング・コンタクト」なんです。
高校一年のときだったかな。
MSGを聴いたのはそのあとで、マイケル入りUFOを聞いたのはさらにあとでした。
自分としては、この順番はラッキーだったかな、と思っています。
個人的にマイケルやポール・レイモンドが参加した「ウォーク・オン・ウォーター」はちょっとイマイチかな、と思ってます。
ヴィニー・ムーア参加の最新作も聴きましたが、これもまあまあかな。
チャップマンは、やはり個性という点で見劣りするんですよね。
アトミックもそう。
やはり腕だけよくてもダメなんです。
で、それは今のマイケルにもいえることだったりします。
たら、れば、でいえば、チャップマンはゲイリー・ムーアが抜けたあとのシン・リジィに入ってたら良かったかもしれませんね。
それで、UFOには、ヴィニー・ヴィンセントってどうでしょう?
彼は作曲力ありますし、ギターテク、センスにおいても文句なしです。
それに、なんといっても、キッスよりもUFOのほうが、彼の実力が発揮できますしね。
ただ、フィル・モグとケンカしそうですが(汗)
正直、チャップマンとトミー・Mに関しては全然食指が動きません(^^;;
私的には地味な存在―‘華’がないんです
マイケルを知ったのはMSGの時ですが、遡ってUFOを聴いても衝撃度・鳥肌度・ココキン度が減少するどころか、増加の一途をたどるばかりでした☆
力量だけでなく、時代性やセンスも問われますよね
何よりアーティストは‘カリスマ性’が必須だと私は思います
ちなみに、ゲイリー・ムーアのギターは好きで、アルバムも多く持っていますが、キャラには興味ありません
私にとって彼は‘華’を感じない‘職人’だからです
チャップマンはいいギタリストなんですが、やはり華がないんですよね。
なので、この頃のUFOは歌ものバンドのイメージで聴いてます。
歌ものとすれば、モグの歌メロが生きていて、かなり聴きごたえがあると思いますよ(笑)
トミーMは、全く私の好みじゃないタイプです。
派手な音色、アームの多用、ライトハンドに超速弾きなど、80年代すぎて、今聴くとすごく古さを感じてしまうのです。
華はあると思いますよ。
でもね、なんか違う、例えば、桜が見たいのに、むりやりチューリップを押し付けられる、みたいな。
でもいいんです。
やはり、モグの歌がいいから。
ゲイリー・ムーア、いいですよね。
私も好きなギタリストです。
上手いですよね、やっぱり。
それに、上手いだけじゃなく、個性もありますし、作曲力、歌唱力もあります。
ゲイリーがUFOに入ってたら、良いアルバムを作ったと思います。
ニール・カーターはゲイリーのバンドにいましたが、なかなかモグとの音楽的相性は良さそうです。
でも、やっぱりケンカしちゃうでしょうね。
それ最高かも!!!
良い意味で好き勝手したら楽曲は素晴らしいものになりそうですよね!
でもフィルもヴィニーも性格が個性的らしいから・・・
はじめまして。コメントありがとうございます。
ヴィニー・ヴィンセントをご存知、なかなか通ですね~。
彼は腕も才能もあるのに、KISSには合わなかったようですね。
KISSは個人プレイよりも全体のアンサンブルを重視するので、エース・フレイリーやブルース・キューリック、あるいはトミー・セイヤーのほうがバンドに馴染むんだと思います。
それに対して、ヴィニーは我が強く、ギターヒーローになりたかったようなので、KISSよりもマイケル脱退後のUFOにピッタリだと思うんです。
フィル・モグはギタリストに好きなように弾かせますので、ヴィニーなら思う存分弾きまくったでしょう。
ロックボトムなんて、ヴィニーが弾いたらアーム使いまくりーの、速弾きしまくりーの、で凄いことになったでしょう。
案外80年代を華麗に駆け抜けたように思います。
ただ、長続きはしなかったでしょうね。
どうしてもフィルとヴィニーはケンカしそうだから。
それとアル中問題と。
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