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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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今月は新撰組関連を5冊4作品読みました。
読んでみて思ったのは、同じ歴史、同じ人物を取り扱っていても、全然違う印象の本に仕上がってるということ。
作者が変われば、文章はもちろん、歴史の解釈、事実の裏づけ、不明な部分の想像などが全て違ってきます。 


 
まず子母澤寛氏の「新撰組始末記」と「新撰組遺聞」。

これらの作品は氏の“新撰組3部作“と言われるもので、本当はもう1冊あります。
ただ、買うときにこの2冊しかなかったので、また見つけたら読みたいと思います。
昭和3年に発表されたこの作品は、実際の隊士の生き残りや、その家族知人、あるいは事件の目撃者など、新撰組に関わった人からの証言をまとめた、ドキュメントです。
そのため非常にリアリティがあり、その文面から迫力が伝わってきます。
人を切れば血も出るし、人が死ねば腐敗もします。
そういった血の臭いがするような生々しさがあってスゴイです。
その後の研究により、事実と異なる部分もあるようですが、そんなことは気にせずに読んだほうがいいでしょう。

次は北方謙三氏の「黒豹の柩」。

ハードボイルド作家(というか最近は完全に歴史作家ですが)による新撰組物です。
男の生き様、カッコよさを書かせたら一流の北方氏ですが、元々北方小説の主人公のような新撰組の面々なのではまり役ともいえます。
さすがに最近の作なので、今までの新撰組とは一味も二味も違う感触があり、かなり新しい解釈です。
史実をあらゆる側面から可能性を引き出し、事実を歪曲することなく、面白い作品に仕上げてますね。
普通はクライマックスの一つといえる「池田屋騒動」からスタートしたり、土方と山南が親友だったりなど前半から読み応え満点。
ちょっと2巻目の前半がダラダラと弱い気もしますが、衝撃のラストシーンを含め後半は再び盛り上がります。
初めて読む新撰組としてはお勧めしませんが、2冊目、3冊目として読むにはかなり面白い作品だといえます。

そして司馬遼太郎氏の「新撰組血風録」

昨年末に読んだ「燃えよ剣」以来、久しぶりの司馬氏の新撰組物です。
これは新撰組を題材にした短編集で、読みやすく、娯楽小説として大変面白い作品です。
近藤や沖田など有名隊士だけでなく、無名の隊士についての物語もあり、かなりフィクションが多いようです。
歴史小説というより、時代小説ですね。
命知らずの新撰組隊士であっても、やはり人の子。
恋もすれば、嫉妬、ねたみ、あるいはイジメなどもあり、とても人間臭い内容です。
大した実力もないのに威張り散らしたり、近藤や土方などにゴマをすったりしているようなヤツは、結局死んだり、落ちぶれたりしてしまう。
そんな物語が多いですね。
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