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第94回名盤シリーズ
ニューヨーク・アンダーグランド・パンクの女王、パティ・スミス「ホーセス」
(1975年作品)
音楽なしの詩の朗読だけで観客を魅了することが出来る、とか、彼女の人生は1本の映画に出来るほど劇的でドラマチックである、とか、いろいろ言われる人だが、ここではサウンド中心で行きたい。
「これが1975年の作品?」
私の聴いた第一印象は、とても70年代とは思えない現代的なアレンジだなと思ったこと。
当時としては充分前衛的だったのかもしれない。
パンクといってもピストルズやクラッシュのようなギター・ロックとはちょっと違う。
彼女がパンクなのはサウンドではなく、そのパンク精神を反映させた歌詞のほうだ。
その歌詞を引き立てるためにバンドがあり、それを最大限に発揮することが出来るようにアレンジされてるのだ。
時には、はかないほど繊細で美しく、時には狂人の如く激しく、そして時にはおどけた表情さえ見せるバラエティ豊かなサウンドは、古さを感じさせない。
クセのあるボーカルスタイルで、決して上手くはないが、それがアバンギャルドなロック・サウンドによく合ってると思う。
次のアルバム「ラジオ・エチオピア」からパティ・スミス・グループというバンド名義になっていて、サウンドもよりロック色を強めるが、ここで聴ける音は彼女のソロ的雰囲気が強い。
このアルバムでとくによく出来てると思うのが7曲目「Land」だ。
激しいバンド・サウンドと力強い独特のボーカルが聴けるロックンロール調の曲で、10分近い時間を突っ走る。
これは一つの音楽である一方、「詩とBGM」、あるいは「セリフとサントラ」みたいな、パティの個性をよく表現してると思う。
それとはうって変わって8曲目「Elegie」、大人しいバラード調の曲だが、美しいメロディの中に狂気が隠されていて凄みさえ感じることが出来る。
一般的な一番人気は1曲目「Gloria」、ヴァン・モリソンのカバーですが、少しづつテンポ・アップしていくアレンジがカッコイイ。
最後にアルバム・ジャケット、元恋人にして名写真家ロバート・メイプルソープが撮影したと言われ、芸術的アルバム・ジャケットだと言われますが、そういったことに疎い私は、どう素晴らしいのかよくわからない。
それは私がCDという小さいジャケで見ているからで、本来のLP盤のジャケで見れば印象が変わるかもしれないが。
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確かこの「ホーセス」は持っていなかったはずですけど、ジャケは覚えています。
パティ・スミスの性別を超えた(爆)美しいジャケだと思います。
そういえば彼女、今年もフジ・ロックに来ますね。
でも個人的には、ラストアルバムに納められた「Frederic」に涙します。
かつてニューヨークパンクの女王として君臨したパティスミス。
彼女がパンクの女王の名声を捨て愛に生きることを高らかに歌ったラブソング。
ちなみにFredericとはこの作品を出した直後に結婚することになる元MC5のギタリスト、フレッド・ソニック・スミスのことだ。まるで彼に宛てたラブレターである詩は赤面するほどに愛くるしい。しかし、運命とは皮肉なもので、フレッド・ソニック・スミスは今は故人である。これをきっかけに彼女は、再びシーンに復活した。復活の富士ロックで、この曲を1曲目に演奏した彼女の心中には察するに涙溢れるのだ、わたしは。
ってな感じで、Jさんの哀メロに投稿したんですけどね。いつ取り上げてくれるやら(笑)。
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