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第80回名盤シリーズ
今はブルース・ギタリストとしても名高いギター職人ゲイリー・ムーアの作品だ。
LPレコード時代の邦題は「大いなる野望」。
(1980年作品)
私はゲイリー・ムーアが奏でるギターが好きだ。
好きなギタリストを5人上げよ、と言われたらいつもゲイリーが入る。
その骨太で熱いギターは、いかにも男のギターそのもので、いつ聴いても血沸き肉踊るのだった。
テクニックもスゴイ。
今でこそ彼より優れたテクニックのギタリストは大勢いるが、このアルバム発表の頃だとロックギタリストとしてはトップ・クラスだったと思う。
いつだってベキベキバキバキのハード・ピッキング、弦をぶち切る勢いのハードチョーキング、マシンガンのようなハード速弾き。
相当な指の筋力がないと弾ききれない開放弦を絡ませたトリル。
そして感情たっぷりの泣きのギター!
弾いてる本人までが泣いてるみたいな顔で弾くのだ。
音色から判断すると、おそらくけっこう太めのゲージを張っていると思うが、渾身の力でギターを弾き倒している感じがする。
とくにトリッキーなことをしてるわけでもないのに、すぐにゲイリーだと分かる個性的なギター・スタイルだ。
このアルバムはそんな彼の魅力が詰まった傑作で、どの曲からもゲイリーの魂の叫びのようなギターをたっぷり聴くことが出来る。
また、ソングライターとしても非凡な才能を見せるゲイリーだが、どれをとってもメロディアスで親しみやすいのがいい。
それまでのゲイリーはシン・リジィに在籍していたり、グレッグ・レイクと組んだり、もっと前はハードなジャズ・ロックをやっていたこともあった。
このハードロックという枠に収まりきらない彼のスタイルは、いろいろなタイプのミュージシャンと組むことにより、築き上げてきたのかもしれない。
それと、このアルバムでのボーカルは、ゲイリー本人である。
昔読んだ雑誌のインタビューによると、ゲイリーは自分の声が嫌いだと言っていたように思う。
だが、CDを聴く限り、なかなかソウルフルな歌いっぷりで、十分ボーカリストとして通じるし、充分うまいと思う。
ただ本人としては、ボーカルを誰かに任せて自分はギターに専念したいのかもしれないが。
このアルバム発表後、しばらくレコード会社とトラブルがあったり、ゴタゴタがあったようだが、優れたソロ・アルバムをいくつも発表している。
後に発表された「ダーティー・フィンガーズ」というアルバムも私のお気に入りだが、こちらはトラブルのせいでしばらく発表出来ずに眠っていた作品だったようだ。
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