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当初ディシプリン名義でスタートしたバンドが、キング・クリムゾンの名を使うようになったのが1980年。
この時フリップの元に集まったメンバーは、70年代からのメンバーであるビル・ブラフォードをはじめ、エイドリアン・ブリュー、トニー・レヴィンの4人。
彼らが作り出すサウンドは、70年代のそれとはかなり違った印象をもち、とくにブリューのもつポップな明るさはそれまでにないものでした。
しかしよく聴くと、ブラッフォードの変拍子を多用したリズムワークや、フリップ節ともいえる独特の曲構成など、やはりクリムゾンらしい部分がその根底にあるように思います。
このメンバーで、バンド史上初めてメンバー・チェンジなしに3枚のアルバムを発表します。
また待望の初来日をしたのもこのメンバーでした。
この時期のライブは、あれほどこだわったインプロヴィゼーションを排除し、レコード通りの演奏を忠実に再現するというもの。
またギターサウンドもディストーションからクリアトーンに変化し、印象の違いに大きく影響しています。
そしてブラッフォードのドラムは、大胆にパーカッション・シンセを取り入れた電子サウンドで、80年代的な響きを叩き出しています。
ここではこのメンバーでの最終公演を記録したアルバム「アブセント・ラバーズ」を紹介しましょう。
「ディシプリン」「ビート」「スリー・オブ・ア・パーフェクトペア」の3枚からの曲を中心に、「レッド」「太陽と戦慄パート2」といった70年代の曲も演奏してます。
最終ツアーだからでしょうか、とても白熱した演奏を繰り広げており、迫力があります。
個人的にこの時期の曲だと「フレイム・バイ・フレイム」「セラ・ハン・ジンジート」「エレファント・トーク」などアルバム「ディシプリン」からの曲が好きです。
これらの曲がライブならでは勢いのある演奏を聴くことが出来るのはとても聴き甲斐があり、このアルバムの自分の中の評価があがるポイントになってます。
そしてエイドリアン・ブリューの変体ギターをたっぷり聴くことが出来るのも魅力ですね。
この時期のライブは、クリムゾン初となるライブビデオ(それも日本公演)でも確認することが出来ます。
これ以降、クリムゾンのライブ映像は、なぜか日本公演のものが中心となっていくのでした。
(つづく)
アイランドツアー終了と同時にフリップ以外のメンバーは全員脱退、またもや解散状態に陥ります。
次に集まったメンバーはまたまた個性的過ぎる人々。
ジョン・ウェットン(b、vo)、ビル・ブラッフォード(ds)、デビッド・クロス(v、key)、ジェイミー・ムーア(ds、per)。
この新しいメンバーで試みたのは、インプロヴィゼーションを主体とした音楽。
元々デビュー当時からインプロをやってたクリムゾンですが、ここではそれをさらに具体化し、曲あるいはライブでのパフォーマンスに発展させたのです。
それまでの叙情的な雰囲気はほとんどなくなり、乾いた質感の音楽に豹変したクリムゾンは、それまで以上にライブツアーに明け暮れることになるのでした。
途中でジェイミーが脱退するものの、「太陽と戦慄」「暗黒の世界」「レッド」といったプログレ史上に残る名盤を残しています。
この次期のライブ・パフォーマンスはファンの間で非常に人気が高く、多くのライブ・アルバムが発表されました。
ここではどれを紹介しようか迷ったのですが、もっとも入手しやすいと思われる「USA」を取り上げます。
これも「アース・バウンド」同様、長い間廃盤となっていてCD化されたのは数年前のことです。
CD化された際、収録曲が増えたのは喜ばしいことでした。
一部のファンの間では、クロスのバイオリンがエディ・ジョブソンに差し替えられているとか批判されてます。
しかし元々のクロスのプレイから大きく離れていないし、何より演奏の勢いが凄いので、やはり名ライブ盤だと思います。
とにかくハードで、迫力ある演奏が凄いです。
1曲目の「太陽と戦慄パート2」なんて破壊力満点です。
同時期のイエスやELPも凄いライブをやってますが、クリムゾンはもっと狂気な雰囲気をもった演奏をしているんですね。
どこかぶち切れた、当時のZEPと共通する部分があるように思います。
当時のクリムゾンのライブの特徴であるインプロ・ナンバーも聴けます。
当然、よく練られた曲ではないので、日によって出来不出来が激しいわけですが、ここで聴ける演奏は凄いです。
魔法でもかかったように4人が一体となったプレイをしているのです。
また今買えるCDだと名曲「フラクチャー」「スターレス」のライブヴァージョンを聴くことが出来るのもポイントが高いです。
しかしこの面子でのクリムゾンは、1974年で幕を閉じてしまい一旦解散するのでした。
(つづく)
オリジナル・メンバーでの活動は1枚のアルバムと1回のツアーだけで終わってしまいます。
いろいろ個性的で自己主張の激しいメンバーだったため、長続きしなかったのでしょう。
辛うじて2ndアルバム「ポセイドンのめざめ」を完成させるものの、バンドは事実上解散状態になります。
ほとんど寄せ集めみたいなメンバーで3rdアルバム「リザード」を発表するものの、バンドは低迷しました。
この時点でロバート・フリップ以外のオリジナルメンバーは全員脱退し、以降バンドメンバーは流動的になります。
次に集まったメンバーはメル・コリンズ(sax、key)、イアン・ウォレス(ds)、ボズ・バレル(b、vo)という個性的な面々。
この3人とフリップとは仲が悪かったようで、ツアーを開始するもののかなり人間関係がギクシャクしてたようです。
しかしこの時のツアーは、音楽的に優れたメンバーが集まってたおかげで、迫力あるライブ・パフォーマンスを披露しています。
今でこそ、コレクターシリーズなど多くのライブ音源を聴くことが出来ますが、ここでは原点ともいえるアルバム「アース・バウンド」を取り上げましょう。
長い間廃盤となっていたライブ・アルバムで、その音質の悪さが定評となってました。
なんでもライブ会場にラジカセを置いて録音されたとか言われます。
しかしこの音質の悪さがなんともいえない異様な迫力を醸し出しているのも事実。
ここで聴ける「21世紀の精神異常者」なんて、これをベストテイクにあげる人がいるくらいです。
私としては「ペオリア」や「アース・バウンド」などのジャムっぽい演奏がとくにいいと思ってます。
元々歌よりも演奏重視のクリムゾンですが、この時期はとくにその傾向が強いです。
このアルバムでも、まともにボーカルが入ってるのは「21世紀~」だけで、あとはインストか適当に歌ってるだけです。
なかでもメル・コリンズのサックスが全体のカラーを打ち出していて、バンド全体を引っ張っているのはフリップよりも彼のような印象があります。
数年前、この時期の「21世紀~」のメルのパートばかりつなぎ合わせた変則ヴァージョンも発売されましたが、それだけ価値があると判断されたのでしょう。
(つづく)
お待たせしました、今日から始まるキング・クリムゾン特集。
全7回、7日間連続企画です。
キング・クリムゾンといえば、ライブに定評がある生粋のライブ・バンドで、実際多くのライブアルバムが発売されています。
いろいろ商売が上手いとか、金稼ぎとか言われますが、ファンとしては多くのライブアルバムから選べるのは、単純に嬉しいものです。
ロバート・フリップはブートレグが大嫌いなのですが、たしかにこれだけライブ・アルバムを発表すれば、高価なブートを買い求める人は少なくなるでしょう。
さて、今回からスタートするキング・クリムゾン特集では、時期別にその時を代表するライブ・アルバムを紹介しながら、30数年の歴史をたどりたいと思います。
まずはオリジナル・メンバー。
ロバート・フリップ(g、key)
グレッグ・レイク(b、vo)
イアン・マクドナルド(sax、frt、key)
マイケル・ジャイルズ(ds)
ピート・シンフィールド(作詞、照明)
ローリング・ストーンズ主催の「ハイド・パーク・コンサート」にて衝撃的なデビューを飾ったクリムゾン。
そして歴史的名盤「クリムゾン・キングの宮殿」を発表し、ツアーに出ます。
まさにモンスター級の新人バンドのデビューとなったわけです。
ファースト・アルバムに関しては、すでに多くの書籍、HP、ブログ等で語りつくされてるので、ここでは省きます。
ここで紹介するのは、当時の貴重なライブ音源を集めた「エピタフ」です。
こいつは凄い。
なんてったって、本当に貴重な音源の数々が、若干荒いとはいえ、オフィシャル音源として聴けるのです。
当時、アルバム1枚しか発表していなかったバンドは、すでに「ポセイドン」や「アイランド」に収録される曲の原型が演奏されていて、とても興味深いですね。
また、この当時、すでにインプロヴィゼーション主体の音楽形式を実験的に行っていたり、後に続く、狂人を思わせるぶっとんだ演奏スタイルも行っているのがわかります。
とくに物凄い演奏をしているのが、名曲「21世紀のスキゾイドマン」ですね。
中間部のインストバトルなんて鳥肌物です。
他にも「エピタフ」の甘くせつない演奏、「ア・マン・オブ・ザ・シティ」のジャジーな演奏、「マーズ」の狂人的な演奏など、聴き所満載です。
このアルバムの続編「続エピタフ」や、コアなマニア向けのコレクターシリーズなどで、他の日の演奏も聴く事が出来ますが、まずはこのアルバムから入るのがいいと思います。
また今は、この「エピタフ」と「続エピタフ」を合体させた4枚組もあってバラで買うよりお買い得となってます。
(つづく)
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