洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
第19回名盤シリーズ
初期ドゥービー・ブラザーズを代表する1枚「ザ・キャプテン・アンド・ミー」
(1973年作品)

ドゥービー・ブラザーズは大きく分けてトム・ジョンストンが中心となった、アコースティックで豪快な演奏を得意とする時期と、マイケル・マクドナルドが中心となった都会的でソウルフルな時期に分かれる。
今回取り上げるアルバムはトムジョンストン期で、73年発表の3作目だ。
私個人としてはマクドナルド期の方が好きなのだが、ドゥービーといえばトム期だと思うので、こちらを取り上げることにした。
私がこのアルバムを聴いたのは高校生の頃。
当時はよくギター仲間の家に入り浸っていたのだが、ある日レコードラックの中にこのアルバムを発見し、取り上げるようにして借りて帰ったのが最初だったと思う。
イーグルスみたいなサウンドかと思って聴いてみると、イーグルスよりずっと男臭く、土臭いサウンドだった。
しかしアコギでここまでカッコよく演奏出来るなんて、と衝撃を受けたものだ。
メンバーはトム・ジョンストン(vo、g)、パット・シモンズ(vo、g)、ジョン・ハートマン(ds)、マイケル・ホサック(ds)、タイラン・ポーター(b)というツインドラム構成だ。
1曲目「Natural Thing」から軽快なコードカッティングが聴けるが、なんといっても素晴らしいのは2曲目「Long Train Runnin'」と3曲目「China Grove」だろう。
とくに「Long Train Runnin'」のイントロのカッティングは当時なんども練習したものだが、あの切れ味まではコピー出来なかった。
この2曲と前のアルバムに入っていた「Listen to The Music」は、テレビCMでも登場しているので、ドゥービーを知らない人でもご存知の方が多いだろう。
グルーブ感あふれるノリ、ファンキーとはまた違うサザンロック的なノリだが、全編に流れるコードカッティングにトムのリズム感あるボーカルがカッコイイ。
パット・シモンズの名曲「South City Midnight Lady」も欠かせない曲だ。
とても大人しいフォーク的な曲だが、メロディが素晴らしい。
パットの大人しいボーカルが曲によくマッチしていて、ここでもアコギのコードワークが印象的だ。
スティールギターの響きがカントリーテイストを感じさせ、パットがカントリー/ブルーグラス出身であることを示している。
代表曲と言われるのはこのあたりだが、私が個人的に好きなのがカントリー・ブルースの「Dark Eyed Cajun Woman」だ。
哀愁漂うコード進行にトムの吐き捨てるようなボーカル、心地よいコードカッティングもいいのだが、常にバックで流れる流麗なギター、これが最高なのだ。
そしてニック・デカーロによるストリングスアレンジが絶妙で、ブルージーで哀愁たっぷり、このアルバムでは目立たない曲だが、一度じっくり聴いてみてほしいと思う。
あと、これこそ目立たない曲なのだが、アコギのインスト小曲「Busted Down Around O'Connelly Corners 」も好きな曲だ。
当時私はこういうギターが弾きたいと思ったのだった。
初期ドゥービー・ブラザーズを代表する1枚「ザ・キャプテン・アンド・ミー」
(1973年作品)
ドゥービー・ブラザーズは大きく分けてトム・ジョンストンが中心となった、アコースティックで豪快な演奏を得意とする時期と、マイケル・マクドナルドが中心となった都会的でソウルフルな時期に分かれる。
今回取り上げるアルバムはトムジョンストン期で、73年発表の3作目だ。
私個人としてはマクドナルド期の方が好きなのだが、ドゥービーといえばトム期だと思うので、こちらを取り上げることにした。
私がこのアルバムを聴いたのは高校生の頃。
当時はよくギター仲間の家に入り浸っていたのだが、ある日レコードラックの中にこのアルバムを発見し、取り上げるようにして借りて帰ったのが最初だったと思う。
イーグルスみたいなサウンドかと思って聴いてみると、イーグルスよりずっと男臭く、土臭いサウンドだった。
しかしアコギでここまでカッコよく演奏出来るなんて、と衝撃を受けたものだ。
メンバーはトム・ジョンストン(vo、g)、パット・シモンズ(vo、g)、ジョン・ハートマン(ds)、マイケル・ホサック(ds)、タイラン・ポーター(b)というツインドラム構成だ。
1曲目「Natural Thing」から軽快なコードカッティングが聴けるが、なんといっても素晴らしいのは2曲目「Long Train Runnin'」と3曲目「China Grove」だろう。
とくに「Long Train Runnin'」のイントロのカッティングは当時なんども練習したものだが、あの切れ味まではコピー出来なかった。
この2曲と前のアルバムに入っていた「Listen to The Music」は、テレビCMでも登場しているので、ドゥービーを知らない人でもご存知の方が多いだろう。
グルーブ感あふれるノリ、ファンキーとはまた違うサザンロック的なノリだが、全編に流れるコードカッティングにトムのリズム感あるボーカルがカッコイイ。
パット・シモンズの名曲「South City Midnight Lady」も欠かせない曲だ。
とても大人しいフォーク的な曲だが、メロディが素晴らしい。
パットの大人しいボーカルが曲によくマッチしていて、ここでもアコギのコードワークが印象的だ。
スティールギターの響きがカントリーテイストを感じさせ、パットがカントリー/ブルーグラス出身であることを示している。
代表曲と言われるのはこのあたりだが、私が個人的に好きなのがカントリー・ブルースの「Dark Eyed Cajun Woman」だ。
哀愁漂うコード進行にトムの吐き捨てるようなボーカル、心地よいコードカッティングもいいのだが、常にバックで流れる流麗なギター、これが最高なのだ。
そしてニック・デカーロによるストリングスアレンジが絶妙で、ブルージーで哀愁たっぷり、このアルバムでは目立たない曲だが、一度じっくり聴いてみてほしいと思う。
あと、これこそ目立たない曲なのだが、アコギのインスト小曲「Busted Down Around O'Connelly Corners 」も好きな曲だ。
当時私はこういうギターが弾きたいと思ったのだった。
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第18回名盤シリーズ
今回は現在も第一線で活躍するエアロスミスの「ロックス」だ。
(1976年作品)

76年発表のエアロ4枚目のアルバムだ。
メンバーはスティーブン・タイラー(vo)、ジョー・ペリー(g)、ブラッド・ウィットフォード(g)、トム・ハミルトン(b)、ジョーイ・クレイマー(ds)の5人。
このアルバムは発売と同時にプラチナ認定の大ヒットを記録し、彼らの絶頂期を迎えるのだった。
ハードロックというより、ロック全般のカッコよさが詰まっているこのアルバムは、若さあふれる彼らの勢いがギッシリ詰まっている。
ジャケには丸い物体が5つ並んでいるが、これは自分達を表しているそうだ。
曲自体は典型的なアメリカンハードだが、サウンドはブリティッシュよりで同時代のキッスよりも重みのあるサウンドに感じる。
いきなり元気のいいハードなナンバー「Back in the Saddle 」からスタート。
スティーブンタイラーの振り絞るようなボーカルが印象的で、私は最初の頃てっきり「ロックス」という曲名かと思った。
2曲目「Last Child 」、7曲目「Get the Lead Out 」、8曲目「Lick and a Promise 」は明るいロックナンバーでちょっとおどけた感じもある。
とくに「Last Child 」は一度聴いたら忘れられない独特のリフを中心の上に、キャッチーなボーカルが上にのっていて親しみやすく仕上がっている。
こういう曲をサラリとアルバムに入れるセンスは、アメリカンならではだろう。
3曲目の「Rats in the Cellar 」はスピードナンバーだが、これも明るく、ねずみが走り回るような忙しさの中にもユーモアがあり、間奏でのブルースハープも雰囲気を盛り上げている。
4曲目「Combination」、5曲目「Sick as a Dog 」はコーラスラインが印象的なキャッチーな曲。
なかでも「Sick as a Dog 」のファルセットのコーラスは特徴的だ。
この曲のギターソロが不思議なハモリで「キレイ」ではないが、絶妙な味がある。
また、なぜか「Sick as a Dog 」ではトムがギター、ジョーがベースを弾いているようだ。
6曲目「Nobody's Fault 」はヘヴィなリフでハードに曲が進んでいくのだが、一転して哀愁あるコーラスがとても印象的だ。
この曲のギターソロもメロディアスで、とくに後半のソロがいい。
そしてこのアルバムの印象を決定的にしているのが最後のバラード「Home Tonight 」だろう。
振り絞るようなボーカル、哀愁を感じさせるバックボーカル、まさに「男のバラード」だ。
アメリカ映画のラストシーンにも合いそうな曲だ。
ここでのギターソロ、けっして上手くはないが、感情をぶつけるようなフレーズで、ロックなカッコよさがある。
速弾きをしまくるよりずっとカッコよく、「ムダな音がないのはカッコイイことだ」と感じるほどだ。
アルバムを通して36分に満たない短いアルバムだが、その36分はとても濃厚なのだった。
今回は現在も第一線で活躍するエアロスミスの「ロックス」だ。
(1976年作品)
76年発表のエアロ4枚目のアルバムだ。
メンバーはスティーブン・タイラー(vo)、ジョー・ペリー(g)、ブラッド・ウィットフォード(g)、トム・ハミルトン(b)、ジョーイ・クレイマー(ds)の5人。
このアルバムは発売と同時にプラチナ認定の大ヒットを記録し、彼らの絶頂期を迎えるのだった。
ハードロックというより、ロック全般のカッコよさが詰まっているこのアルバムは、若さあふれる彼らの勢いがギッシリ詰まっている。
ジャケには丸い物体が5つ並んでいるが、これは自分達を表しているそうだ。
曲自体は典型的なアメリカンハードだが、サウンドはブリティッシュよりで同時代のキッスよりも重みのあるサウンドに感じる。
いきなり元気のいいハードなナンバー「Back in the Saddle 」からスタート。
スティーブンタイラーの振り絞るようなボーカルが印象的で、私は最初の頃てっきり「ロックス」という曲名かと思った。
2曲目「Last Child 」、7曲目「Get the Lead Out 」、8曲目「Lick and a Promise 」は明るいロックナンバーでちょっとおどけた感じもある。
とくに「Last Child 」は一度聴いたら忘れられない独特のリフを中心の上に、キャッチーなボーカルが上にのっていて親しみやすく仕上がっている。
こういう曲をサラリとアルバムに入れるセンスは、アメリカンならではだろう。
3曲目の「Rats in the Cellar 」はスピードナンバーだが、これも明るく、ねずみが走り回るような忙しさの中にもユーモアがあり、間奏でのブルースハープも雰囲気を盛り上げている。
4曲目「Combination」、5曲目「Sick as a Dog 」はコーラスラインが印象的なキャッチーな曲。
なかでも「Sick as a Dog 」のファルセットのコーラスは特徴的だ。
この曲のギターソロが不思議なハモリで「キレイ」ではないが、絶妙な味がある。
また、なぜか「Sick as a Dog 」ではトムがギター、ジョーがベースを弾いているようだ。
6曲目「Nobody's Fault 」はヘヴィなリフでハードに曲が進んでいくのだが、一転して哀愁あるコーラスがとても印象的だ。
この曲のギターソロもメロディアスで、とくに後半のソロがいい。
そしてこのアルバムの印象を決定的にしているのが最後のバラード「Home Tonight 」だろう。
振り絞るようなボーカル、哀愁を感じさせるバックボーカル、まさに「男のバラード」だ。
アメリカ映画のラストシーンにも合いそうな曲だ。
ここでのギターソロ、けっして上手くはないが、感情をぶつけるようなフレーズで、ロックなカッコよさがある。
速弾きをしまくるよりずっとカッコよく、「ムダな音がないのはカッコイイことだ」と感じるほどだ。
アルバムを通して36分に満たない短いアルバムだが、その36分はとても濃厚なのだった。
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第17回名盤シリーズ
今回はクラシック作品のロック化「展覧会の絵」。
(1971年作品)

エマーソン・レイク&パーマー(略してELP)の作品で1stから「恐怖の頭脳改革」までのアルバムはどれも名作で聴き応え満点なのだが、クラシックからの大々的な引用など話題性が高かった本作品を紹介しよう。
知っての通り、この曲の原曲はムゾルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」であり、それのロック・バージョンである。
このELPバージョンは管弦楽用にラヴェルが編曲したバージョンを手本にしている。
ただし、そっくりそのままコピーするのではなく、組曲の中からの抜粋であり、またオリジナル曲を編入したり、新たに歌詞を加えたりしている。
私はまず、この曲を題材に選んだセンスがすごいと思う。
バッハでもモーツァルトでもなく、かと言って誰も知らない曲でもない。
知ってる人は多いが、有名すぎない微妙なところで選んだのだろう。
このアルバムはライブ録音で、当初はライブ専用曲でレコーディングの予定は無かったと言われている。
レコーディングを行って発売されるまでの経緯に、グレッグ・レイクとキース・エマーソンの対立があったと言われているが、レイクは発売を熱望しエマーソンは拒否、しかしこれが大ヒットとなりレイクの思惑通りに事が進んだようだ。
パイプ・オルガンの音色でプロムナード、あの有名なメロディが奏でられる。
この組曲では3回プロムナードが登場するが、2回目はレイクの独唱、3回目はバンド演奏だ。
2回目のプロムナードのあとにはレイクのフォーク・ソング「THE SAGE」。
それほど違和感なく溶け込んでいるが、クラシックの原曲に歌を入れるのはいろいろと困難があるのが想像できる。
次の「THE OLD CASTLE」の前半部分にキースによるムーグシンセサイザーのデモ演奏のようなパートがあるのだが、さすがにこれは時代を感じてしまう部分かもしれない。
しかし当時としてはシンセサイザー自体が珍しい状況だったので、こういうのも「あり」だったのだろう。
中盤のバンド演奏によるプロムナードから先は、どんどんエキサイトした演奏が繰り広げられていく。
「バーバヤーガの小屋」はほぼ原曲のまま、しかし非常ハードに演奏され、次のオリジナル曲「バーバヤーガの呪い」につながっていく。
レイクのワウを使ったベースがクリムゾン出身であることを感じさせるが、この演奏は完全にハード・ロックだ。
中でもパーマーの手数の多いドラムがカッコイイ。
再び「バーバヤーガの小屋」のフレーズが繰り返され、ラストの威風堂々とした「キエフの大門」へ。
原曲にオリジナルの歌詞をつけたこの曲のラストは、キースによるオルガンとの格闘シーンへ。
オルガンを蹴飛ばし、ひっくり返し、ナイフを突き立てる…。
ジミヘンのオルガンバージョンのようなパフォーマンスを繰り広げ、客を沸かせて終了。
私はELPよりも、カラヤン指揮ベルリン・フィル・ハーモニー楽団のラベル編曲「展覧会の絵」を先に聴いた。
このライブ演奏、確かに現代の耳で聴くと、時代を感じさせる部分はなくはないが、70年代初頭としては相当新鮮な音楽だっただろう。
最後にもう1曲「NUTROCKER(くるみ割り人形)」のELPバージョンも入っている。
私の持っているCDだと「展覧会の絵」の93年リメイクバージョンも入っていて、なかなか円熟味のある演奏が聴けてけっこう好きなのだが、全盛期を知る人からすると評判悪いようだ。
今回はクラシック作品のロック化「展覧会の絵」。
(1971年作品)
エマーソン・レイク&パーマー(略してELP)の作品で1stから「恐怖の頭脳改革」までのアルバムはどれも名作で聴き応え満点なのだが、クラシックからの大々的な引用など話題性が高かった本作品を紹介しよう。
知っての通り、この曲の原曲はムゾルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」であり、それのロック・バージョンである。
このELPバージョンは管弦楽用にラヴェルが編曲したバージョンを手本にしている。
ただし、そっくりそのままコピーするのではなく、組曲の中からの抜粋であり、またオリジナル曲を編入したり、新たに歌詞を加えたりしている。
私はまず、この曲を題材に選んだセンスがすごいと思う。
バッハでもモーツァルトでもなく、かと言って誰も知らない曲でもない。
知ってる人は多いが、有名すぎない微妙なところで選んだのだろう。
このアルバムはライブ録音で、当初はライブ専用曲でレコーディングの予定は無かったと言われている。
レコーディングを行って発売されるまでの経緯に、グレッグ・レイクとキース・エマーソンの対立があったと言われているが、レイクは発売を熱望しエマーソンは拒否、しかしこれが大ヒットとなりレイクの思惑通りに事が進んだようだ。
パイプ・オルガンの音色でプロムナード、あの有名なメロディが奏でられる。
この組曲では3回プロムナードが登場するが、2回目はレイクの独唱、3回目はバンド演奏だ。
2回目のプロムナードのあとにはレイクのフォーク・ソング「THE SAGE」。
それほど違和感なく溶け込んでいるが、クラシックの原曲に歌を入れるのはいろいろと困難があるのが想像できる。
次の「THE OLD CASTLE」の前半部分にキースによるムーグシンセサイザーのデモ演奏のようなパートがあるのだが、さすがにこれは時代を感じてしまう部分かもしれない。
しかし当時としてはシンセサイザー自体が珍しい状況だったので、こういうのも「あり」だったのだろう。
中盤のバンド演奏によるプロムナードから先は、どんどんエキサイトした演奏が繰り広げられていく。
「バーバヤーガの小屋」はほぼ原曲のまま、しかし非常ハードに演奏され、次のオリジナル曲「バーバヤーガの呪い」につながっていく。
レイクのワウを使ったベースがクリムゾン出身であることを感じさせるが、この演奏は完全にハード・ロックだ。
中でもパーマーの手数の多いドラムがカッコイイ。
再び「バーバヤーガの小屋」のフレーズが繰り返され、ラストの威風堂々とした「キエフの大門」へ。
原曲にオリジナルの歌詞をつけたこの曲のラストは、キースによるオルガンとの格闘シーンへ。
オルガンを蹴飛ばし、ひっくり返し、ナイフを突き立てる…。
ジミヘンのオルガンバージョンのようなパフォーマンスを繰り広げ、客を沸かせて終了。
私はELPよりも、カラヤン指揮ベルリン・フィル・ハーモニー楽団のラベル編曲「展覧会の絵」を先に聴いた。
このライブ演奏、確かに現代の耳で聴くと、時代を感じさせる部分はなくはないが、70年代初頭としては相当新鮮な音楽だっただろう。
最後にもう1曲「NUTROCKER(くるみ割り人形)」のELPバージョンも入っている。
私の持っているCDだと「展覧会の絵」の93年リメイクバージョンも入っていて、なかなか円熟味のある演奏が聴けてけっこう好きなのだが、全盛期を知る人からすると評判悪いようだ。
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第16回名盤シリーズ
ジェファーソン・エアプレインの初期のアルバム「シュール・リアリスティック・ピロー」
(1967年作品)

ジェファーソン・エアプレーンは、当時グレイトフル・デッドやクイック・シルバー・メッセンジャー・サービスらと共に「シスコ・ロック」と呼ばれ、アメリカのサイケシーンを引っ張っていた。
中でもジェファーソン・エアプレーンはその代表的な存在として、ブリティッシュロック勢に対抗する新時代のアメリカン・バンドだった。
67年発表の「シュール・リアリスティック・ピロー」は彼らのセカンド・アルバムで、当時アメリカで大ヒットを飛ばし一躍大物バンドの仲間入りを果たしたのだった。
私がこのバンドを知ったのは「ギミー・シェルター」という映画だ。
オルタモントの悲劇で知られるローリング・ストーンズ主催のフリー・コンサートのドキュメントだが、今にも暴動がおこりそうな大観衆の中で一生懸命演奏し歌う姿が印象的だった。
メンバーはマーティ・ベイリン(vo)、ポール・カントナー(g、vo)、ヨーマ・コーコネン(g)、スペンサード・ライデン(ds)、ジャック・キャサディ(b)、そしてこのアルバムから加入した紅一点のグレイス・スリック(vo)だ。
このアルバムからのシングル曲である「Somebody to Love」「White Rabbit」は大ヒットを飛ばすのだが、これは新加入のグレイスの以前からの持ち歌だったようだ。
いちおうサイケ・バンドとしてカテゴリーされる彼らだが、このアルバムを聴くとそれほどサイケな感じはしない。
とくにサウンド面では、フォークを基本としたオーソドックスな感じがする。
しかし、歌詞の内容や題名には彼らならではの謎な部分があるのも事実。
例えば1曲目は「She has funny cars(おかしな車)」という題名だが、歌詞のどこにも車の話題がない。
6曲目「3/5 of a Mile in 10seconds」、7曲目「D.C.B.A.-25」などは、まるで意味不明だ。
大ヒット曲の「White Rabbit」はドラッグ・ソングで、60年代後半という時代を反映している。
この曲はベトナム戦争の映画「プラトーン」にも使われたようだ。
淡々とした曲だが、序所に盛り上がっていき、魅力たっぷりの燐とした力強いボーカルが実にカッコイイ。
アルバムの半ばあたりに、フォーク調の大人しめの曲が並んでいるが、このバンドのルーツにはフォークがあるのだろう。
なかでも7曲目「D.C.B.A.-25」、8曲目「素敵なあの娘」は綺麗なハーモニーと美しいメロディがあり、このアルバムを華やかに演出している。
対して1曲目「おかしな車」、2曲目「Somebody to Love」、6曲目「恋して行こう」、11曲目「PLASTICK FANTERJIK LOVER」は力強い曲。
グレイスの力強いボーカルが印象的だ。
ジェファーソン・エアプレインにはその後、ジェファーソン・スターシップ、ホット・ツナ、スターシップと名前を変えて進化していくのだが、まだ未聴だ。
ジェファーソン・エアプレインの初期のアルバム「シュール・リアリスティック・ピロー」
(1967年作品)
ジェファーソン・エアプレーンは、当時グレイトフル・デッドやクイック・シルバー・メッセンジャー・サービスらと共に「シスコ・ロック」と呼ばれ、アメリカのサイケシーンを引っ張っていた。
中でもジェファーソン・エアプレーンはその代表的な存在として、ブリティッシュロック勢に対抗する新時代のアメリカン・バンドだった。
67年発表の「シュール・リアリスティック・ピロー」は彼らのセカンド・アルバムで、当時アメリカで大ヒットを飛ばし一躍大物バンドの仲間入りを果たしたのだった。
私がこのバンドを知ったのは「ギミー・シェルター」という映画だ。
オルタモントの悲劇で知られるローリング・ストーンズ主催のフリー・コンサートのドキュメントだが、今にも暴動がおこりそうな大観衆の中で一生懸命演奏し歌う姿が印象的だった。
メンバーはマーティ・ベイリン(vo)、ポール・カントナー(g、vo)、ヨーマ・コーコネン(g)、スペンサード・ライデン(ds)、ジャック・キャサディ(b)、そしてこのアルバムから加入した紅一点のグレイス・スリック(vo)だ。
このアルバムからのシングル曲である「Somebody to Love」「White Rabbit」は大ヒットを飛ばすのだが、これは新加入のグレイスの以前からの持ち歌だったようだ。
いちおうサイケ・バンドとしてカテゴリーされる彼らだが、このアルバムを聴くとそれほどサイケな感じはしない。
とくにサウンド面では、フォークを基本としたオーソドックスな感じがする。
しかし、歌詞の内容や題名には彼らならではの謎な部分があるのも事実。
例えば1曲目は「She has funny cars(おかしな車)」という題名だが、歌詞のどこにも車の話題がない。
6曲目「3/5 of a Mile in 10seconds」、7曲目「D.C.B.A.-25」などは、まるで意味不明だ。
大ヒット曲の「White Rabbit」はドラッグ・ソングで、60年代後半という時代を反映している。
この曲はベトナム戦争の映画「プラトーン」にも使われたようだ。
淡々とした曲だが、序所に盛り上がっていき、魅力たっぷりの燐とした力強いボーカルが実にカッコイイ。
アルバムの半ばあたりに、フォーク調の大人しめの曲が並んでいるが、このバンドのルーツにはフォークがあるのだろう。
なかでも7曲目「D.C.B.A.-25」、8曲目「素敵なあの娘」は綺麗なハーモニーと美しいメロディがあり、このアルバムを華やかに演出している。
対して1曲目「おかしな車」、2曲目「Somebody to Love」、6曲目「恋して行こう」、11曲目「PLASTICK FANTERJIK LOVER」は力強い曲。
グレイスの力強いボーカルが印象的だ。
ジェファーソン・エアプレインにはその後、ジェファーソン・スターシップ、ホット・ツナ、スターシップと名前を変えて進化していくのだが、まだ未聴だ。
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第15回名盤シリーズ
今回取り上げるのはジェフ・ベックの名インスト・アルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」
(1975年作品)

1975年発表のこのアルバムは、全曲インストゥルメンタルで、ロックというよりジャズ・ロックかフュージョンに近い。
それはジェフ・ベックのカラフルなギター・サウンドと相まってとてもファンキーな仕上がりとなっている。
このアルバム発表までのジェフは、ヤード・バーズ脱退後、ジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガード&アピスなどの強力なバンドを経験し、ロッド・スチュアートやロン・ウッドなど大物ミュージシャンと競演してきた。
しかし、その気難しい性格から、バンド活動は不向きだったようで、ここからソロ活動をスタートする。
ちなみに、ミック・テイラー脱退後のローリング・ストーンズ参加の噂もあったようだが、入ったとしても長続きしていないだろう。
プロデューサーはジョージ・マーチン。
そう、ビートルズのプロデューサーとして有名なあの人だ。
そのせいか、ビートルズの「SHE'S A WOMAN」のレゲエ・バージョンが収録されている。
バック・メンバーにはマックス・ミドルトンなどの若手実力派ミュージシャンで、しっかりバックを支えている。
1曲目「YOU KNOW WHAT I MEAN」からファンキーな曲がスタート。
第2期ジェフ・ベック・グループ時代、すでにファンキー路線を模索していたが、ここにきて完成形に至ったように思う。
4曲目「AIR BLOWER」、7曲目「THELONIUS」あたりのファンク曲もそうだが、マックス・ミドルトンのキーボードプレイが実にいい仕事をしている。
また、収録曲全てにいえることだが、ドラムが手数が多く、カコイイのもこのアルバムの特徴だ。
ここでのジェフのプレイだが、例えば一つのギターソロ内で何度もピックアップを切り替えたり、ピッキングのアタックを変えたりなど、そのサウンドに表情をつけ、その表現力の幅の広さに驚く。
それがもっとも顕著に現れているのがスティービー・ワンダー作曲「悲しみの恋人達」だろう。
ギターが歌っている。
下手なボーカリストよりもずっと歌っているのである。
例えば、前半と後半でテーマ部のメロデイが繰り返されるのだが、一見同じメロディに聴こえて、実は毎回少しづつ表情を変えている。
とくに後半に出てくるパターンは泣けてくるほど、味のあるプレイだ。
そして中間部のソロプレイ、何度聴いても味わい深く、1音たりともムダな音がない。
まさに名演中の名演だ。
このアルバムでもっともスリリングなのが5曲目「SCATTERBRAIN」。
変拍子のリズムに乗った一度聴いたら忘れられないリフ、実際のスピードはそれほどでもないのに、スピード感あふれるギターソロ、それらを、必死で弾いてるのではなく、気楽に伸び伸びと弾いているようでさすがだといわざるを得ない。
今回取り上げるのはジェフ・ベックの名インスト・アルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」
(1975年作品)
1975年発表のこのアルバムは、全曲インストゥルメンタルで、ロックというよりジャズ・ロックかフュージョンに近い。
それはジェフ・ベックのカラフルなギター・サウンドと相まってとてもファンキーな仕上がりとなっている。
このアルバム発表までのジェフは、ヤード・バーズ脱退後、ジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガード&アピスなどの強力なバンドを経験し、ロッド・スチュアートやロン・ウッドなど大物ミュージシャンと競演してきた。
しかし、その気難しい性格から、バンド活動は不向きだったようで、ここからソロ活動をスタートする。
ちなみに、ミック・テイラー脱退後のローリング・ストーンズ参加の噂もあったようだが、入ったとしても長続きしていないだろう。
プロデューサーはジョージ・マーチン。
そう、ビートルズのプロデューサーとして有名なあの人だ。
そのせいか、ビートルズの「SHE'S A WOMAN」のレゲエ・バージョンが収録されている。
バック・メンバーにはマックス・ミドルトンなどの若手実力派ミュージシャンで、しっかりバックを支えている。
1曲目「YOU KNOW WHAT I MEAN」からファンキーな曲がスタート。
第2期ジェフ・ベック・グループ時代、すでにファンキー路線を模索していたが、ここにきて完成形に至ったように思う。
4曲目「AIR BLOWER」、7曲目「THELONIUS」あたりのファンク曲もそうだが、マックス・ミドルトンのキーボードプレイが実にいい仕事をしている。
また、収録曲全てにいえることだが、ドラムが手数が多く、カコイイのもこのアルバムの特徴だ。
ここでのジェフのプレイだが、例えば一つのギターソロ内で何度もピックアップを切り替えたり、ピッキングのアタックを変えたりなど、そのサウンドに表情をつけ、その表現力の幅の広さに驚く。
それがもっとも顕著に現れているのがスティービー・ワンダー作曲「悲しみの恋人達」だろう。
ギターが歌っている。
下手なボーカリストよりもずっと歌っているのである。
例えば、前半と後半でテーマ部のメロデイが繰り返されるのだが、一見同じメロディに聴こえて、実は毎回少しづつ表情を変えている。
とくに後半に出てくるパターンは泣けてくるほど、味のあるプレイだ。
そして中間部のソロプレイ、何度聴いても味わい深く、1音たりともムダな音がない。
まさに名演中の名演だ。
このアルバムでもっともスリリングなのが5曲目「SCATTERBRAIN」。
変拍子のリズムに乗った一度聴いたら忘れられないリフ、実際のスピードはそれほどでもないのに、スピード感あふれるギターソロ、それらを、必死で弾いてるのではなく、気楽に伸び伸びと弾いているようでさすがだといわざるを得ない。
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