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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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第4回名盤シリーズ
今回はプログレッシブ・ロックの草分け的存在「クリムゾンキングの宮殿」
(1969年作品)



コアなキング・クリムゾンのファンは、これより5枚目「太陽と戦慄」や7枚目「レッド」を好きな人が多く、また数あるライブ盤を最高傑作だとする人もいる。
しかし、一般的にキング・クリムゾンを代表し、後世に与えた影響力が強いのは、今回紹介するファースト・アルバムだろう。

このアルバムは、全キング・クリムゾンのアルバム中、もっともリーダーのロバート・フリップの色が薄く、彼は脇役でしかないような印象すら受ける。
このあたりが一般的なロック・ファンとクリムゾン・ファンとの温度差であり、フリップ色の薄い今作は、ちょっと他のクリムゾン作品とは色が異なるのだ。

デビュー時のメンバーは、ロバート・フリップ(g)、グレッグ・レイク(vo、b)、イアン・マクドナルド(sax、メロトロン、フルート)、マイケル・ジャイルズ(ds)、ピート・シンフィールド(作詞、照明)。
不思議なことに、楽器を演奏せず歌も歌わない人がメンバーにいる。
これはライブの演出において、視覚によるパフォーマンスの重要性を物語っているのだ。
このメンバーにより69年7月5日、ローリング・ストーンズ主催のハイドパークコンサートにてライブ・デビューするのだった。

まだアルバムも出していない、ラジオ出演もわずかしかない新人バンドだったが、このライブで大きな反響を得るのだった。

このメンバーにより製作されたのがクリムゾンのデビュー・アルバム「クリムゾンキングの宮殿」である。

このアルバムで聴ける楽曲郡はそれまでのロック音楽とは大きく異なるものだった。
まず曲の組立方が全然違う。
一つの曲の中に別の曲を取り入れたり、複数の曲をまとめて一つの曲にするといった手法を使った、もっとも初期のバンドだろう。

そして、当時最新のサンプリングマシン「メロトロン」を全面にフューチャーした新鮮なサウンドと、高度な演奏テクニックが功を成し、新しい進歩的なロック「プログレッシブロック」という新ジャンルを開拓したのだった。

1曲目の「21世紀のスキゾイドマン」以外は、メロディアスな美しい曲ばかりで、後のクリムゾンのアルバムには見られない特徴だ。
とくにグレッグ・レイクが切々と歌い上げる「エピタフ」の美しく悲しい旋律は、このアルバムのカラーを決定づけている。
これは「21世紀~」のみフリップ色の強い作品で、それ以外はイアン・マクドナルドとグレッグ・レイクの作品だからだろう。
後の作品にも「スターレス」のような叙情的な曲もあるが、このアルバムの雰囲気とは、やや趣が異なる。

比較的難解なアルバムが多いクリムゾンであるが、このアルバムはわかり易い部類に入るだろう。
このアルバムの唯一難解な部分は、「ムーン・チャイルド」の「幻想」部分で、これについては私もまだ理解しているとは言いがたい。
一説によるとこの「幻想」パートがあることにより、突然始まる次の表題曲の衝撃を強調していると言われる。

キング・クリムゾンの「代表作」ではないが、ロックを語る上で決して外せない作品であることに違いはなく、この先も色あせることのない「名盤」なのだった。



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