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第54回名盤シリーズ
シカゴの大ヒット作「ラブ・ミー・トゥモロウ」
(1982年作品)
私が高校に入学した当時、このアルバム収録の「素直になれなくて」が大ヒットしていて、クラスでもファンが多かったバンドだ。
中でも陸上部のI君(ローカルな話題ですみません)はシカゴが大好きで、彼のウォークマンにはいつも「ラブ・ミー・トゥモロウ」のカセットが入っていた。
普通の人が普通に洋楽を聴いていた時代、シカゴは80年代の日本でも普遍的な人気があったのである。
今このアルバムを聴くと、どこから聴いても80年代の匂いがプンプン漂ってきて、古さを感じさせる。
80年代リアルタイマーの私でさえそう思うのだから、今の若い人にはちょっとキツイアルバムかもしれない。
しかしそれは楽器の録音技術や、当時の流行を取り入れたプロデュースのせいであり、楽曲のレベルの話ではない。
どの曲も親しみやすく、印象に残るメロディが満載で、今録音をしなおせば充分現代に通用するクオリティだと思う。
70年代、ブラス・ロック・バンドとしてBS&Tなどと共に人気を集めたバンドだが、当時は2枚組アルバムを連続して出したり、ライブでは長いインプロヴィゼーションをやったりするジャズっぽい演奏が売りだった。
そんな彼らがポップになってきたのは「シカゴV」からだとされるが、元々メロディラインは親しみやすく、今回紹介する16枚目のアルバムは、産業ロック的アプローチまで試みている。
とくに4曲目「チェインズ」や9曲目「レスキュー・ミー」あたりは、キャッチーなメロディとパワフルなアレンジで、シカゴ流産業ロックの傑作だ。
シンセとディストーション・ギターによる分厚いサウンドにブラスが絡んでくると、TOTOのグラミー賞受賞アルバム「IV」にも似たサウンドが完成する。
それとAORっぽいセンスもあり、8曲目「ホワット・キャン・アイ・セイ」なんかはその代表と言えるだろう。
このあたりは、いかにも80年代っぽいところだ。
このアルバムを代表する曲がシングルヒットを飛ばした「素直になれなくて」だ。
ピアノのメロディが切ない響きを奏で、包み込むようなやさしいボーカルが雰囲気を盛り上げる。
シングル・バージョンはバラードのまま終わるが、こちらはアルバム・ヴァージョン。
途中からブラス・セクションが入ってきて、後半はハードな演奏になる。
やはり、本来のブラス・ロックの味があるアルバム・ヴァージョンのほうがいい。
もうひとつ代表曲「ラブ・ミー・トゥモロウ」
パワーが漲るような堂々としたサビが印象的なこの曲は、このアルバムの表題を繰り返す。
この曲の良さは歌部分だけでなく、たとえば中間部のピアノなどアレンジ・センスも良く出来ていることだろう。
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