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第77回名盤シリーズ
今回は英国プログレ・バンドUKの1stアルバム「UK」だ。(1977年作品)
一般的には2ndアルバムや日本公演のライブが人気のようだが、私はUKといえばこのアルバムである。
私がUKを知ったのは、キング・クリムゾンを一通り聴いたあとだったので、それほど昔ではない。
ジョン・ウェットンとビル・ブラッフォードという「太陽と戦慄」時代のクリムゾンのリズム隊、ギターはアラン・ホールズワース。
キーボード兼ヴァイオリンは、エディ・ジョブスンで、私はUK以外では彼の活躍を知らない。
ウェットンのソロ・ライブやエイジアのライブでも演奏されることがある「ランデヴー6:02」や「イン・ザ・デッド・オブ・ナイト」が代表曲とされる。
当時スーパー・バンドと言われたバンドだが、このメンバーで録音されたのは1枚だけだ。
プログレの様式美にそって作られた楽曲は、変拍子リズムで組曲風の長い曲をスーパー・テクニックで演奏するというもの。
ときにはエレキ・ヴァイオリンを駆使し、変体的なギター・ソロとリズム、しかし歌メロはポップで親しみやすくといったコンセプトだったようだ。
プログレ本来の「先進的であろうとする精神性」は薄く、クリムゾンやイエス、ELPらが築き上げた土台からは出ていない。
今でいうドリーム・シアターのコンセプトに近いだろう。
私はこれを聴くと、今や孤高のギタリストといったイメージのホールズワースが、ウェットンのバックでバッキングをしてるのに違和感を感じる。
これだけで、もうこのバンドは長続きはしない気がするのだ。
それに、本当はジャズがやりたいブラッフォード、もっとポップな歌物がやりたいウェットン、たった1枚だがこの4人が共同作業した奇跡の1枚とも言えるアルバムである。
そんなギリギリのアンサンブルが楽しめる1枚で、とくに1曲目「イン・ザ・デッド・オブ・ナイト」は4人の持ち味が上手いバランスで保たれていると感じる。
この当時のライブ演奏を聴くと、この複雑な楽曲をキッチリと、しかしライブならではの良い意味での荒さも含んだ演奏している。
面白いのは、メンバー・チェンジ後に発表された2ndアルバムの収録曲をこのメンバーで演奏していることと、ブラッフォード脱退後の彼のバンドで演奏される曲がこのメンバーで演奏されていることだ。
前者は後のエイジアに繋がるポップ・プログレ、後者はインストのジャズ・ロック風味で、ウェットン、ジョブスンのポップ、ロック志向組とブラッフォード、ホールズワースのジャズ志向組に真っ二つに分かれてるのだ。
しかし、後期UKとも、バンド「ブラッフォード」とも違う、このメンバーならではの熱い演奏をしていて、このまま2ndアルバムを作って欲しかった気がするのだった。
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