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洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
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第40回名盤シリーズ
プログレの名手が集まったグループ、エイジアの1stアルバム「詠時感~時へのロマン~」
(1982年作品)



今更このバンドがスーパー・グループだとか、メンバーの過去とかいうつもりはない。
1982年、人々の期待を背負い、期待に応え、大成功を収めたバンドだ。

80年代初頭、「産業ロック」と呼ばれるバンドが人気を博していた。
フォリナーやスティクス、ジャーニーなど、キーボードを大胆に使用したポップなハードロックで、「プログレ・ハード」などとも呼ばれていた。
大半がアメリカのバンドだったと思うが、そんな中本家本元のプログレの覇者が実力を見せ付けたのがエイジアである。
彼らの作り出す音楽は、とてもポップでわかりやすくドラマティックなロックを聴かせてくれたのだが、他のバンドと違ったのは、やはり彼らの出生がプログレ・バンドだったということだろう。

例えば1曲目「ヒート・オブ・ザ・モーメント」
よく聴かなければわからないのだが、いきなり変拍子だ。
少しも違和感なく4/4と2/4を交互に取り入れているが、サビになると通常の4/4になってノリを出してくる。
後半のギター・ソロでのカール・パーマーは非常に手数が多く、EL&Pっぽくて個性的だ。

次の「オンリー・タイム・ウィル・テル」は素晴らしいアレンジとメロディで大好きな曲だ。
ここでのスティーブ・ハウのギターはほとんどバッキングらしいバッキングをせず、常に単音フレーズを弾いている。
この曲に限りらないのだが、並のギタリストならディストーション・ギターでパワー・コードを弾きそうだが、イエス出身のハウはやはり並ではなかったのだ。

「ワイルデスト・ドリームス」はこのアルバムで最もハードプログレっぽい曲。
ここでのハウのギターは、まるでイエスの「古代文明」を彷彿させるいかにも彼らしいものだ。
そしてパーマーのドラム・ソロは、やはりEL&Pっぽくて迫力満点である。

そして「カッティング・イット・ファイン」この2部構成の曲もプログレっぽい。
前半は普通のハード・ポップだが、後半のクラシカルなパートは映画音楽のようで、ライブではジェフリー・ダウンズの見せ場にもなっていた。

このアルバムでジョン・ウェットンはボーカリストに徹しているように思う。
以前は強力なベースを弾いていて、とくにキング・クリムゾン時代はインプロヴィゼーションを引っ張っていた彼だが、エイジアではかなり控えている。
この頃のウェットンはボーカリストとして成熟しており、歌物アルバムの主役を張るのに充分な実力がある。

80年代、80年代の先端をいく、ある意味プログレッシブなアルバムだといえるのが、このアルバムなのだった。



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