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第52回名盤シリーズ
英国の元祖ビジュアル系ともいえるジャパン「ブリキの太鼓」
(1983年作品)
不思議なバンドによる、不思議な曲がたくさん入った不思議なアルバム。
この印象は、初めて聴いた83年頃から今も変わっていない。
アイドル的な化粧をしたルックスや「ジャパン」という奇妙なバンド名も不思議度は高いが、やはりこのサウンドだ。
ポップとも言えないアレンジ、中国風のメロディ、デヴィッド・シルヴィアンの癖の強いボーカル…
しかし不思議と癖になるようなひきつけるものがあり、なぜか繰り返し聴いてしまうのだった。
この不思議音楽のキモはベースとドラムによるリズム隊かもしれない。
非常によく動くベースで、一瞬たりとも一つのフレットにいることがなく、しかも一定のフレーズを繰り返しているわけでもないのだ。
それとドラム。
定型リズムを叩かず、常にあちこちのタイコをタイミングよく鳴らしていて、しかもベースとリンクしているわけでもないのである。
いわゆるポピュラー・ミュージックの常識というものが通じないリズムを刻んでいるといえよう。
この風変わりなリズム隊の上に、個性的すぎるデヴィッドのボーカルと、不協和音入りまくりのキーボードがのっかってサウンドを形成しているのだった。
「ゴウスツ」という曲がシングル・カットされ、イギリスで大ヒットしたようだ。
このとても一般受けするとは思えない曲がヒットした80年代初頭って、今考えるとこれも不思議だ。
私はこの曲を聴くと、江戸川乱歩の「大正変態ロマン」みたいな退廃的で恥美的な世界をイメージしてしまう。
なんとなく、青白い顔をした美形の男性が、古い洋館の中でこっちを見てニヤっとするような不気味な感じだ。
しかし、実は私、この曲がすごく好きだったりするのだ。
「スティル・ライフ・イン・モービル・ホームズ」では、奇妙なアジア風コーラスが入っているが、イギリス人のイメージするアジアってこんな感じなのか?
そういえば、このアルバムのジャケ、毛沢東の写真の下で中華料理を食べているのだが、まさかこれが日本のつもりなのか?
「カントン」(広東?)とか「ヴィジョンズ・オブ・チャイナ」とかがあるので、中国で間違いないようだが。
このあたりのセンスは、明らかに日本のYMOの影響を受けているのだろう。
デヴィッド・シルヴィアンはジャパン解散後、キング・クリムゾンのロバート・フリップとコラボとやっている。
なんとなく、似たもの同士のような気がするのは私だけだろうか?
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