忍者ブログ
洋楽名盤紹介と日々の雑談を書いてます
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ここ4日間、家庭の事情で家と病院を行ったり来たりしてましたが、実は病院にいる間というのは退屈である場合が多く、売店で1冊の小説本を買って読みました。
私の好きな作家、東野圭吾氏の「夜明けの街で」。

いちおうミステリーということで殺人事件もあるのですが、物語の核となってるのは不倫。
主人公の渡辺、妻の有美子、不倫相手の秋葉が物語りの中心となってます。
ここで注目すべきは、妻の有美子です。

男から見れば、理想の妻といっていい。

・家事、育児、家計を問題なくまかせることが出来、
・舅、姑と不仲なわけでもなく、
・浮気することもなく、
・難病を抱えてるわけでもなく、
・精神不安定とか、鬱や何かの依存症もなく、
・子供がイジメにあってるとかもなく、
・趣味にはまりすぎることもなく、
・セックスレスでもなく、
・近所に変な人もいない、
こういった「よくある」不安定要素がないのです。

なのに、不倫をしてしまう夫。
不倫なんて得るものがないばかりか、下手すれば全てを失うことにもなりかねないのをわかっていながら。

「なのに」いや、「だからこそ」なのかもしれない。
完璧な妻というのは、完璧であればあるほどつまらないのかもしれない。
では妻のせい?
違うんです。
恋というのは、悲劇的であればあるほど、蜜の味が濃いから。

たとえば「タイタニック」。
ジャックとローズの恋に世界中が涙し、感動したものですが、映画の中の本人たちからすれば、こんなに悲劇的なことはない。
出会って、命をかけるほど愛し合い、しかしたった数日で死に別れてしまう。
誰がそんな恋を望みますか?

幸せに慣れてしまうと、本来それが理想的な状態であるのにもかかわらず、つまらなく感じてしまう。
なぜなら
「女房が女じゃないように、俺たちも男じゃなくなった。亭主とか父親とかオッサンとかそういうものに変わったんだ」(本文から新谷君の談話)

人生、時には山や谷も必要なもんですね。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
» なるほど。
どんなにありがたいことでも、それが続くとありがたみが薄れて「当たり前」になっちゃうんですよね!この作品は発売当初に読みましたが、まだ印象に残ってます。東野圭吾の作品はすべて読んでるんですけど、ここ最近のんはあまり印象に残ってないんですよねぇ(汗) でもそんな作品に限って映像化されてる。そしてその映像をみて失望する、の繰り返しです(笑) 昔の作品の方が読み応えあった気がするるなぁ。あるいは俺が東野圭吾の作品になれちゃって、「当たり前」になったのかも!?
shin URL 2011/02/07(Mon)09:01:15 編集
» 東野圭吾さん
すみません、先日のコメントでは、読み違いしてしまって。<(_ _)>
早く退院されて、普段どおりの、お二人の生活に戻られるといいですね。

東野圭吾さんの作品、重いものから軽いものまで、いろんなテイストの作品がありますね。

「夜明けの街で」では出版された頃、図書館で借りて読みました。
何不自由なく暮らしていて、不倫とは一番遠いところにいる、
そんなことするヤツは愚か者だ、と思っている中年既婚男性が、
あらら~という間にそういう状態になってしまう、というの、
小説にはよくあるシチュエーションで、これもそんな作品なのかなぁと思って読んでいました。
けれど、最後のほうで、ヒロインの思惑や目的が明らかにされてきて、
一味違うものになっていたと思いました。
ただ、発端の事件自体、当時の警察にわからなかったんだろうか、と
ちょっと無理やりな設定のような気がしました。

作品でも、トリックと言うか、事件の設定自体に無理があるように感じることが時々あり、謎の時明かしより、人間の心や情を主題とするためのツールとして
事件や犯罪を設定しているような気がします。

テレビドラマや映画になった、ガリレオシリーズ、登場人物(湯川学も)が
本から受けたイメージとちょっと違っていました。
でも東野圭吾さんは、そういう映像化を良しとされ、
その後、小説を書いている時も、そのイメージで書かれるようになられたとか聞きますので、柔軟なお考えの作家さんなんだろうなと思いました。

那由他 2011/02/07(Mon)10:50:11 編集
» 不倫かぁ…
怖いですね~

でも興味津々ではあるけど

もう歳だし(笑)
ポール森屋 2011/02/07(Mon)19:18:01 編集
» 東野作品
shinさん、こんばんは!
さすがSHINさん、発売当初に読まれてましたか。
東野作品、私の場合全作品中、半分くらい読んだかな?
まだまだ読んでいないのもたくさんあります。
ただ、連続して東野作品ばかり読み続けると、ちょっと印象に残りにくくなることがありますね。
私もそのように感じることがあります。
東野作品に出会って、最初の頃に読んだ作品(白夜行、手紙、変身など)はよく印象に残ってます。

映像化について、東野作品は映像化が成功してるほうだと思います。
たしかに原作の味わいにはかないませんが。
最近「赤い指」やってましたね。
まあまあ原作に忠実で良かったと思います。
今やってる白夜行の映画版はどうなんでしょう?
今のところ見に行く予定はありませんが、レンタル開始されたら借りてみるかも。
にゅーめん 2011/02/07(Mon)22:13:18 編集
» 軽い作品
那由他さん、こんばんは!
いえいえお気になさらないでください(笑)
今日は病院へ行ってませんが、昨日よりも元気になってきてるようです。

東野作品は、どちらかというと重い作品の方が好きです。
短編集などでコメディ風のもありますが、やっぱりズド~ンと暗い内容のほうが味わい深いように思います。
今回の「夜明けの街で」は軽いほうですね。
この小説の読みどころは、やはり不倫ですよね。
殺人事件はオマケというか、たしかにちょっと無理してる部分もあると思います。
秋葉が事件の真相をずっとだまっていたってのもちょっと説得力に欠けるし。

それでも約1年ぶりに読んだ東野作品だったので、スラスラと2日で読破しました。
読書の楽しさが感じられますね。
にゅーめん 2011/02/07(Mon)22:20:39 編集
» どこから浮気?
ポールさん、こんばんは!
ポールさん夫婦はいつも仲がよろしくていいですよね。
キリンさん夫婦も仲がいいです。

今回読んだ本の中にも、どこからが浮気なのか?という話もありました。

人によって違うもので、女性と二人でお茶したり食事したら、もうそれは浮気だって人から、セックスしてなければ浮気じゃない、って人まで。
私の場合、お茶や食事で浮気と見なされるなら、しょっちゅう浮気してることになります。
私なら、キスしたら浮気でしょうね。
キスからが浮気、それまでは大丈夫…かな?
頻度にもよりますが、特定の人といつも一緒にいるのは、たとえキスしてなくても危険でしょうね。
にゅーめん 2011/02/07(Mon)22:26:41 編集
» 無題
東野作品は面白そうですね。
まだ読んだことはないのですが、機会があったら読んでみたい作家の一人です。

浮気の定義って人それぞれなんですね。
私の場合は、相手の方が私よりも好きだと思われたときでしょうか。
どういうつき合い方をしているかよりも、心の問題かな。。。

と冷静な事を言っていますが、実際にそういう場面に遭遇したら
全然違うかもしれません(笑)

奥様、少しずつ快方に向かわれているようですね。
どうぞご自愛ください。
space child 2011/02/09(Wed)06:42:10 編集
» 浮気もそれぞれ
space childさん、こんばんは!
東野作品はどれも読みやすく、ストーリーもよく考えられているので面白いのが多いです。
私が最初に読んだは今映画化されている「白夜行」というものですが、初めて読むには少々分厚いので、今回私が読んだ「夜明けの街で」あたりはどうでしょうか。
ミステリーというより恋愛小説に近いと思います。

浮気の定義って本当に人それぞれですね。
夫(妻)の心が自分より他人へいってしまうと、たとえ何も行為がなくても浮気といえますね。
ただ、男はいつもずるいので、本命はあくまでも妻であり現在の家庭を壊すつもりは全くない、だけど、家の外では別の恋人と会いたいしエッチもしたい、って感じでしょう。
でも、ほとんどの人は、例えば会社のOLで気に入った子がいても、会社で喋る程度で、デートに誘うことはしないと思います。
ある程度の年齢になると、背負うものも大きいし。

というわけで、私のほう、妻は今週末に退院できるようです。
といはいっても、家事が出来るようになるまでは実家へ帰ってもらう予定です。
にゅーめん 2011/02/09(Wed)22:55:57 編集
» 無題
お久し振りです。

「夜明けの街で」…今秋、映画化されるそうです。
主演は、岸谷五朗と深田恭子だそうです。
う~ん、深田恭子に関しては微妙な気が…(苦笑)

因みに、東野圭吾の本は読んだ事がありませんが
同じく、テレビと映画のガリレオシリーズは観ました。
今度、原作も読んでみようと思います。
えんどれす 2011/02/12(Sat)00:08:09 編集
» 無題
えんどれすさん、こんばんは!おひさしぶりです!
おお!映画化されますか~、東野作品の映像化って本当に多いですね。
今も「白夜行」が上映されてますが、なかなか好評なようですね。

岸谷五朗=渡辺
深田恭子=秋葉
だと思うのですが、原作では渡辺=30代後半なので、岸谷さんではちょっと年齢が上ですね。
秋葉は、原作だとサーフィンが趣味で、気分転換にバッティングセンターに来るくらいのスポーツ好き、なので、深田さんだとちょっと微妙かもしれませんね。

東野作品はやはり今時のベストセラー作家だけありとても面白いですね。
とくに映画化されたり、ドラマ化されたりしてる作品は、とくに人気の高いものです。
先に映像のほうを見てストーリーがわかってしまっていても、原作には原作の良さがあるので、是非お勧めします。
にゅーめん 2011/02/12(Sat)21:02:56 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
[02/26 take surveys for money]
[02/03 Ahapenij]
[12/18 Blealgagors]
[12/17 BisiomoLofs]
[12/16 Looporwaply]
最新TB
プロフィール
HN:
にゅーめん
性別:
男性
趣味:
音楽 読書
自己紹介:
音楽を愛する中年男の叫び
バーコード
ブログ内検索
忍者アナライズ

Copyright © [ ROCKET RIDE ] All rights reserved.
Special Template : CSS*TEMP
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]