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第99回名盤シリーズ
故デュアン・オールマンとエリック・クラプトンのツインリードが光る名作「いとしのレイラ」
(1970年作品)
またまたひねくれたことを言って申し訳ないのだが、このアルバムを代表する名曲、というよりロック史に残る名曲「いとしのレイラ」があまり好きではない。
とくに前半のハードな部分など。
曲自体もそうだし、ジョージ・ハリスン好きの私からすれば、彼の奥さんを横取りする歌詞も微妙なものだ(それほどまでにクラプトンは彼女を愛してしまったわけなのだが)。
しかし、アルバム全体としてみればこれはいい、名盤だ。
「レイラ」意外の曲が好きだから。
クリームのようなハードロック色は薄く、カントリーやブルースなどアメリカのルーツ音楽に回帰するような曲が目立つ。
同時期のローリング・ストーンズもそうだが、当時の英国系ロッカーはこういうのを志すのが流行りだったのだろうか?
かといって、後のクラプトンのソロのようなレイドバックしすぎ、のんびりしすぎということはなく、適度な緊張感もあってしっかりロックしてるのがいい。
なんといってもメロディがいいのだ。
それも、ロックの通のみが唸るような曲ではなく、普通の人、たとえば当時10代だったロック少年少女の心を掴んだであろう曲が満載されているのだった。
このアルバムでギターを弾いてるのはもちろんクラプトンなのだが、もう一人重要人物がいる。
それはオールマン・ブラザーズ・バンドのギタリスト、デュアン・オールマンで、かなり弾きまくっている。
オールマンといえばスライドギターのイメージがあるが、私は彼の普通のスタイルのギターソロのほうが好きだ。
なかでも9曲目「恋は悲しきもの」でのギターソロは、オールマンズの名演「エリザベスリードの追憶」を彷彿とさせるもので、殺気立つプレイを聴かせてくれる。
「レイラ」意外でこのアルバムを代表する曲といえば2曲目「ベル・ボトム・ブルース」だろう。
曲名にブルースとついているが、どちらかといえばスローバラードっぽい曲で、とても優しい気持ちになれる。
この曲でのクラプトンのギターは、ピッキングハーモニクスを多用していて、少しジェフ・ベックっぽい表現方法だと思う。
このように名曲の多いアルバムのなか、目立たないけど好きなのは5曲目「アイ・アム・ユアーズ」。
しっとり落ち着いたナンバーで、大音量で聴くのではなく、ゆっくりした休日の午後なんかにのんびり聴きたい、そんなリラックスした気持ちにさせてくれるのだった。
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